Buildings
ビルの運用管理はバランスシートにおける最大の項目の1つ
いま、いつものオフィスで仕事をしているなら、少し手を休めて周囲に目を向けてみてください。そこはノートPCを接続するだけの場所ではありません。 あなたがいるビルは、いくつものシステムを統合する巨大なシステムなのです。そして、おそらく損益計算書における最大の費用項目の1つでしょう。
米国の国家科学技術委員会の試算によると、商業用および居住用のビルが全世界のエネルギーの3分の1を消費しています。たとえば、北米では消費電力の72%、水使用量の12%、一般廃棄物の60%をビルが占めています。
別の事実から検討してみましょう。世界中のエネルギー使用の傾向がこのまま続くと、2025年にはビルにおけるエネルギー消費は、運輸と製造業における消費の合計量を上回り最大となる見込みです。
ビルが伝えようとしていることとは?
グリーン・ビルは環境に優しい資材を使用して建設されますが、スマートなビルはより効率的に運用されるように設計されます。さらに重要なのは、スマートなビルは、各種システムとの間で、それらのシステムについて通信を行うよう設計されるということです。
言うまでもなく、ビルが使用する電気や水は最大で50%も無駄になる可能性があります。
この10年間でスマート・センサーと制御システムが急速に普及したことで、多くのビルでは、ビル内のありとあらゆることについて正確な状態を測定および検知し、確認できるようになっています。しかし、これらのシステムは、複数のベンダーがかかわり、それぞれ異なるプロトコルと転送メカニズムで実装されているため、独立して動作しています。進化して成熟する速度も、システムにより異なります。そのため、全体的な視点でビルを把握するには、設備担当とIT部門との間で新たな次元のコラボレーションが必要になります。また、組織やビジネスにおける新たな変革スキルも求められます。

スマートなビルとは?
IBMはJohnson Controls と協働し、よりよいインテリジェンスを提供するためにビルの測定装置やシステムの相互接続を含むスマートなソリューションを構築しました。詳しくはこちらをご覧ください。
IBMのスマートなビル
ビルのデータを迅速に収集して分析や分類を行う機能は、ビルのエネルギーやパフォーマンスをリアルタイムで最適化する上で極めて重要です。IBMが自社のために行ったプロジェクトの1つをご覧ください。このプロジェクトは、IBMがミネソタ州ロチェスターに構える330万平方フィートの製造拠点で実施されたものです。
そこにはもともと、情報をレポートできる可能性がある25万個以上のセンサー・ポイントが設置されていました。ただし、それらすべてが非常に重要というわけではなく、日常的な調査が必要とされるほど頻繁に変化するのは、それらのセンサーの約3分1のみ、つまり約8万のデータ・ポイントであることが判明しました。
さらに、パフォーマンスやエネルギーを最適化するためのサンプリング対象として利用できるほど頻繁に状況が変化するのは12%にすぎないことがすぐに明らかになりました。しかし、わずか12%でも月次ベースでは215万ポイントの情報を収集して分析しなければなりません。収集したデータを有効活用するために、IBMではJohnson Controlsの協力の下、IBM Intelligent Building Managementソリューションを導入しました。これは、過去7年にわたり行ってきた断熱材や屋根材といったビルの機能強化とは別に実施されることになりました。ソリューションの導入前にも前年を上回る成果を達成していましたが、導入後は、モニタリング対象の装置でさらに8%の省エネを達成することに成功しました。

持続可能性の実現を支える四壁
スマートなビルは、イオン・エネルギー消費を40%以上も削減することができます。また、効率的な利用に伴って保守コストが削減され、さらに10~30%引き下げられる可能性があります。では、省エネ・プログラムは全体的な持続可能性の向上にどのように役立つのでしょうか。
Gartnerと、IBMのグループ会社であるTRIRIGAが合同で実施した調査によると、環境およびエネルギー・マネージメントの目標を達成している組織の91%は、設備のエネルギー効率の改善に投資していました。同調査では、目標を達成している組織の大半が以下の3つのハイレベルな手法に投資し、設備内のエネルギーを削減していることも明らかになりました。
- 運用の改善を実施し、保守によるダウン時間とコストを削減
- ビル改修プログラムに投資し、既存資産の効率性を向上
- スペース管理プログラムの導入により設備利用率を改善

孤島となっているビルはない
スマートなビルは、周囲の四壁だけで成り立っているわけではありません。スマートなビルが周囲の環境または外部といかにやり取りをして影響を受けるかについて考慮することが重要です。
 -名詞、複数形-ties; 1.外部的である状態または特性; 2. ビル運用の根拠または結果となるアクション](/innovation/jp/smarterplanet/green-buildings/images/us__en_us__buildings__smarter_buildings_definition__364x130.gif)
ビルを取り巻く外部とは、最新の気象予測、アンバー・アラートやシルバー・アラートといった緊急システム通知、公共サービス/運輸/交通の需要管理といった変数のことです。さらに、ビルは今後、コージェネレーション発電所、貯水槽、屋上農園を可能にする存在として大きな期待が寄せられています。つまり、スマートなビルは単なるデータ・ソースではなく、ビルを取り巻く外部と双方向のやり取りを行うインテリジェントな存在とならなければなりません。
現在、世界中で毎週100万人が都市に移り住んでいると推定されており、新しい都市の発達によってビルおよびエネルギー使用の需要は拡大しています。しかし、これはビルがスマートな地球上でより大きな役割を果たす機会が増えるという意味でもあります。システムを統合するシステムとして、ビルの内側と外側の両方で我々がもっと上手に活動するには何をすべきかを教えてくれる存在といえます。



