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スマートな都市:"環境都市の輸出"

「環境都市」の輸出で、世界に示せ日本の底力 日本の都市インフラ力は世界トップレベル。産学官のコラボで日本ブランド再生へ


生態系の急速な変化や海水面上昇による海岸線の浸食、異常気象といった気候変動に伴う問題が顕在化しています。2006年10月30日に発表された「気候変動の経済学(スターンレビュー)」によると、気候変動問題に早期対応しなかった場合の経済的損失は、最大で「世界の年間GDPの20%に達する」とも言われており、企業も自治体も、個人でさえも環境問題に真剣に取り組むべきレベルになってきています。この地球規模の問題に、日本はどのように貢献できるのでしょうか。

「新成長戦略:グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」や、「産業構造ビジョン2010」など、環境を軸とした経済の活性化やグローバル市場を視野に入れた戦略が政府から、打ち出されています。
ICタグやカメラ、環境素材開発など日本が得意とする要素・素材技術と、世界トップクラスの品質を誇る電気・ガス・水道などの日本の都市インフラ技術。そして高度成長時代以降、さまざまな公害問題を乗り越えてきた私たちの経験。今まさに世界中でおきている環境問題に対して、日本が培ってきたこれらの技術やノウハウを活用した地球規模での貢献が必要とされています。また、環境関連の新たな市場や雇用の機会も増加しており、国際社会での存在価値を高めるチャンスでもあるわけです。

日本ブランド再生のキーは、「環境都市」技術の輸出

約70%のCO2を排出し、世界人口69億人※1の約半分が住んでいる「都市」という観点から、“環境負荷を低減する次世代都市”を目指す取り組みが、アムステルダムの「スマートシティー」、中国の「天津エコシティ」、アブダビの「マスダール・シティ」など世界200ヶ所以上で始まっています。都市に人が住み続けることを可能にし、経済の活性化や、それによる高い国民総幸福度など豊かな生活が維持されることを目指す環境負荷の低いサステナブルな都市、それが「スマーター・シティー」です。ITを活用したスマートな社会インフラや技術やノウハウがそれを裏から支えます。

日本でも、2010年の秋から本格的なスマーター・シティーの実証実験が、北九州市、横浜市など4地域で開始されます。これらのプロジェクトには、トヨタ自動車や日産自動車、新日本製鐵など多くの企業が自治体とコンソーシアムを組んで参画しており、日本IBMも北九州地域の実験に参加しています。電力や水、交通、廃棄物処理など社会インフラだけでなく、流通や医療、教育など広範にわたる総合システムであるスマーター・シティーには、企業や業界の枠を超えたコラボレーションが不可欠なのです。
そこで培った要素技術や最先端の環境都市インフラの構築とその運営までシステム一式を官民一体となって輸出し世界の都市をスマートにする――更に「環境都市」運営のノウハウを知的財産(ライセンス)化して、国際市場の中で差別化を図ることが、日本再生のキーとなっていくのではないでしょうか。

世界のスマーター・シティーの事情にも詳しく、北九州市のプロジェクトにも参画しているIBMグリーン・イノベーション事業推進部長の岡村久和にプロジェクトの狙いと今後の展開について聞きました。
※1 2010年5月末現在:米国勢調査局と国連データからの推計


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