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スマートな医療システムと、世界中の善意をスマートに集める仕組みが医療の壁を突き破る

いま日本の医療現場は多くの問題を抱えています。
医師不足が深刻化し、医療従事者の過重労働が社会問題として叫ばれる一方で、救急患者の受け入れ拒否による死亡事故や、10年で3倍に増加した医療訴訟などで、医療分野での構造的問題があるにも関わらず医療現場に対する社会の視線は厳しくなっています。
地域医療の中核となる公立病院が閉鎖に追い込まれ、7割もの病院が赤字経営に陥っていると言われています。それにも関わらず、国民健康保険料の滞納率は2割を超え、健康保険組合の財政状況も悪化の一途で、私たちの安全・安心を支えてきた国民皆保険も大きく揺らいでいます。
まさに八方塞がりとも言える状況を、わたしたちはどうすれば打ち破ることができるでしょうか?
目指すべき方向は2つあります。
ひとつは、医療の効率化や最適化、高度化を図ることで、より低いコストでより優れた医療サービスを受けられる仕組みを構築していくことです。ただ、それだけでは経済格差が拡大した世界で救えない命が少なくないかもしれません。
もうひとつは、経済効率だけではなく人道的な観点から世界を見た場合、貧しい人たちへの医療・予防サービスの提供や、投資負担が重い医療分野への研究支援に積極的に貢献していく社会環境を整えていくことです。
IBMは、Smarter Planetというビジョンを提唱し、世の中のいろいろな事象の地球レベルでの解決を推進していこうとしています。医療が抱える多くの問題も「スマート」になることで解決への道が開けるかもしれません。
経済効率の観点からは、医療に関係する情報処理や医療行為をスマートにする「スマートな医療システム」が大きく貢献するでしょう。
人道的な観点からは、医療の現場が抱える経済原理を優先せざるを得ない構造的な問題に対して、社会の善意をスマートに集め、必要なタイミングで、必要なところに届ける仕組みを構築することで、医療を本来あるべき姿に近づけることができるかもしれません。
IBMでは、千葉県がんセンター、千葉大学と共同で、小児がんの新しい治療薬の開発を目的とした「ファイト!小児がんプロジェクト」をスタートしました。患者数が少ないため企業の協力を得られなかった研究プロジェクトが、世界中のパソコンのアイドル時間(空き時間)を有効利用する「ワールド・コミュニティー・グリッド」(WCG)というスマートな仕組みを利用して動き出したのです。
IBMの考える「スマート」な医療システムとは、さまざまな医療の障壁を超えていくシステムです。医療の効率化や高度化を実現するのはもちろん、経済効率だけでは超えられない壁をも突き破ることも夢ではないと考えています。
では、スマートな医療を実現するには、どのような取り組みを進めていく必要があるのでしょうか?
それぞれ以下でご紹介します。
スマートな医療
「3つのiが医療を変える」
医療を「スマート」に変えるには何が必要なのか?
「スマート化する医療」
いま、世界ではどのような医療システムが構築されようとしているのか?
小児がんプロジェクト
「小児がんプロジェクト」
医師が医療に専念するために経済効率の問題をどう乗り越えるのか?
「CSR再発見」
人道的観点から医療研究を支援するIBMのCSR(企業の社会的責任)の考え方
