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Smarter Planet: 「スマート」な水資源管理 第2回

“和製水メジャー”に勝機あり 日本の水技術とIBMの知見で世界へ 気象予測から水源、水質、資金の流れまでIBMは水に関するすべての情報を統合管理

東京都の漏水率は世界最高レベル

東京都は、1日平均で430万立方メートルの飲料水や工業用水を1,300万人の都民に供給していますが、水源から蛇口に至るまでに水が漏れる率(漏水率)は3.1%と世界最高の水準です。アジア主要都市は30%前後、欧米の先進国でも約10%とされており、これは世界に誇れる数字です。 また、日本企業は、海水淡水化に欠かせない逆浸透膜の世界市場で大きなシェアを持ち、個別の濾過装置やプラント資材などで世界中への納入実績があります。加えて、廃水リサイクルや船に積むバラスト水処理、下水汚泥処理などの分野でも優れた技術を持っています。

動き始めた水ビジネス

水源の汚染に苦しむアジア各国は、安全な水を確保するためのインフラ整備に本格的に乗り出しました。日本企業は漏水率や濾過膜技術で世界最高水準の技術力を持ちながらも、海外ではまだ水道事業全体の一括受注を果たせていません。今後、ニーズの強いアジア各国へ日本の技術を輸出できれば、世界の水問題に対する貢献になるだけでなく、巨大な市場の獲得にもつながります。経済産業省は2010年7月、「水資源政策研究会」で取りまとめた「我が国水ビジネス・水関連技術の国際展開に向けて」の中で、海水淡水化のための膜製品などで1兆円、上下水道などのプラント建設で10兆円と試算し、水道システム全体の維持管理業務を含めればトータルで87兆円規模になると見積もっています。

  • 活性化する海外の水事業

  • 世界水ビジネス市場の地域別成長見通し

このような流れの中で、国内のいくつかの自治体が、水ビジネスの海外展開に向けて始動しています。東京都副知事の猪瀬直樹氏は自身のコラムで、「世界の水ビジネス市場は、2025年に86兆円規模、さらに将来的には100兆円規模になるとも言われている。経済成長の著しい新興国では、まだまだ水道設備が整っていないため、漏水や盗水が起きている。料金徴収体制も不充分であるため、東京都のもつノウハウを売り込む余地がたくさんある」とコメントしています。
そのほか、横浜市水道局100%出資の水事業会社を立ち上げた横浜市や、先進の水循環システムの開発から、管理・運営ノウハウの実証・蓄積、さらには国内外に情報発信して技術普及を進めることを目的とした「ウォータープラザ」を開設した北九州市など、新しい動きが次々に起こっています。

また、インドでは現在、デリー・ムンバイ間を貨物専用鉄道で結んで都市インフラを整備する「デリー・ムンバイ産業大動脈構想」の社会インフラ整備事業が進んでおり、4組の日本企業連合(コンソーシアム)が参加しています。日揮株式会社、横浜市とともに、日本IBMも参画しており、横浜市の上下水道管理ノウハウを生かした水処理施設、太陽光発電や蓄電池を利用したスマートグリッドなどの開発に当たる予定です。




活性化する海外の水事業

活性化する海外の水事業を示す表

世界水ビジネス市場の地域別成長見通し

世界水ビジネス市場の地域別成長見通しを示す棒グラフ
(資料出典: Global Water Market 2008および経済産業省試算(注: 1ドル = 100円換算))

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