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新たな価値創造はすでに始まっている
世の中に生み出される大量のデータから新たな知見や洞察を得ることが期待されています。IBMは「ビッグデータ」をどのようにとらえ、取り組んでいるのでしょうか。
IBMがビッグデータに取り組む意義とは
――IBMはビッグデータに取り組む意義をどのように考えているのですか?

日本IBM
中林紀彦 中林:IBMのビッグデータに対する取り組みの源となっているのは、2008年11月より推進しているSmarter
Planetビジョンです。地球上のありとあらゆるデータを最新のテクノロジーを駆使して収集・分析することで、医療、交通、食料、エネルギー、治安といったグローバル・レベルで生じている諸課題に対して、より賢く、より効率的な解決策を提示していくこと。その結果、私たちのビジネスや生活、社会をよりよいものに変えていくことが、IBMの目指すところです。
――ビッグデータを活用することで、社会にはどんな恩恵がもたらされるのでしょうか?
中林:IBMは、次のようなプロジェクトでビッグデータを活用するテクノロジーとノウハウを提供し、有効性の検証を行っています。
- ストックホルム市の交通管制/渋滞緩和(スウェーデン):数千台のタクシーに搭載されたGPS/センサーやトンネル内カメラ、天候データなどをリアルタイムに分析し、交通量や平均移動時間を削減する。
【プレスリリース】IBM、ストックホルム市のより良い通勤手段予測を支援(2010年4月22日)
- 野火監視(米国):無人機で森林の煙を感知し、衛星データと併せて、山火事発生リアルタイムマップを作成。山火事の発生・延伸防止に役立てる。
- オンタリオ工科大学NICUの未熟児モニタリング(米国):センサーから送られてくるさまざまなデータで未熟児の容態を常時モニタリング。看護士による直接診断よりも6~24時間早く容態の異常を検知可能にする。
- ハドソン川の河川・水質管理(米国):500km以上の流域にセンサーを配置し、データを収集・分析することで、川の生態系を維持管理する。

日本IBM
小野寺民也 小野寺:IBMリサーチは毎年、中長期的な技術動向を分析し、その結果を「IBM Global Technology
Outlook」として発表していますが、2006年と2008年に「コンピューターをコンピューターにつなぐから、コンピューターを実社会につなぐ」というテーマを取り上げています。これらの事例は、まさにコンピューターを実社会につなぐことを具現化したものだと言えます。
ビジネスにおける価値
――ビッグデータへの取り組みが社会を変えうる大きなものであることがよくわかりました。一方、企業のビジネスにおいてはどのような価値を引き出せますか?
野嵜:ビッグデータの活用により、競争優位や顧客満足度の向上に役立てられます。実際に、次のような事例があります。
- TD証券の超高速オンライン・トレーディング(カナダ):取引の特定・執行をミリ秒単位でこなす次世代アルゴリズミック・トレーディング・システムを構築し、顧客の高度な要求に応える。
- FAA(米国航空局)のサイバー・セキュリティー:セキュリティー・ゲートでのビデオや音声のリアルタイム監視・分析を行って不正なふるまいなど検出することで、犯罪発生を抑止する。
- ペプシコのソーシャル・マーケティング(米国):ある商品の売上げが一部地域で大幅に低下した原因を、メディアやブログ、Twitterの口コミなどの膨大な情報の分析から突き止め、新たなマーケティング/ブランディング施策の策定に役立てる。
- IBMのマイクロチップ製造工程刷新:100以上の製造工程を常時監視し、異常発生時には速やかにプロセスを停止させることで、巨額の廃棄コストの発生を防ぐ。
――なるほど。すでに実践されているのですね。とはいえ、そうしたことは従来のデータ分析の仕組みでも実現できるのではないでしょうか?
野嵜:後で詳しくお話ししますが、従来との違いはテクノロジーです。ビッグデータの活用にあたって主役となる最新のリアルタイム処理技術や分散処理技術は、これまでお客様がデータの分析・洞察の必要性に気づいていながらも、技術やコストの問題であきらめていたことを可能にしてくれるのです。
一企業を超えた社会的な枠組みの変革から、個々の企業にとってのビジネス変革まで、ビッグデータの活用にまつわるさまざまなニーズに対して最も適した解を、我々は提供していきます。
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