
タブの始まり
- ビジネスに迅速かつ効率的に適応させていく為の(次世代)ITインフラストラクチャー基盤とは?
- ITインフラストラクチャーのサービス化に必要な要件とは?
- ITインフラストラクチャーのサービス化へのロードマップ
- 具体例
- IBMの提供するインフラストラクチャー ソリューション
これまで次世代アプリケーション基盤についてのさまざまな考察とソリューションの紹介をSOAを中心におこなってまいりました。今回は、それらの基盤を支える為に必要とされるインフラストラクチャーについてご紹介したいと思います。
ビジネスに迅速かつ効率的に適応させていく為の(次世代)ITインフラストラクチャー基盤とは?
SOAのアプローチで、企業変革を強力に支援できるITアーキテクチャー(次世代アプリケーション基盤)の構築を行う際に、インフラストラクチャーをも同時にビジネスとビジネス戦略に迅速かつ効率的に適応させていく為には以下の要件が求められると考えます。
- 柔軟性の強化と複雑性の緩和
- インフラストラクチャーとリソースの最適化
- "インフラストラクチャーを利用する際の"ビジネス・プロセスの簡素化と合理化
- "インフラストラクチャーを利用する際の"コストの削減
これらの要件は、コンピューティング・リソース(コンピューター、ストレージ、ネットワーク、他) をサービスとして定義、管理しかつ提供することにより実現できます。また、このサービス化の為に最も重要な要素は、仮想化であると考えます。
例えば、コンピューティング・リソースがサービスとして提供されることにより、簡単かつユーザーにはわからないようにコンピューターとストレージを追加して、サービスの持つ処理能力を動的に拡張することが可能になりますが、これを実現する為には、コンピューターとストレージを仮想化し、物理的(メーカー、アーキテクチャー、プロトコルなど)な実装を意識することなくリソースを管理する技術が必要になります。 これら仮想化技術はすでに実験段階を過ぎ、さまざまなベンダーからハードウェア、ソフトウェアとして提供されており、この技術を基にコンピューティング・リソースのサービス化を行い、商用目的での一般提供も実現されています。これらサービスを一般的には下記のように呼称しています。

次世代コンピューティング環境の
階層構造 拡大図IaaSもPaaSもSaaSの発展形であり、SaaSと並びインターネットを基盤としたクラウド・コンピューティングの1要素と考えられる事が多くありますが、コンピューティング・リソースをサービスとして提供することの1つの実装例であるのは確かです。つまり、そのアーキテクチャーは、インターネットにおけるコンピューティング環境の先進的な取り組みである、というばかりでなく、1企業のITインフラストラクチャーのサービス実現化に際しても大いに参考になります。
ITインフラストラクチャーのサービス化に必要な要件とは?

ITインフラストラクチャーの
サービス管理要件
拡大図
前述のITインフラストラクチャーのサービス化の為の技術要件はなんでしょうか?
もちろん仮想化を実現するハードウェア、ソフトウェア技術が最も重要です。しかしそれだけでは足りません。単なる仮想化技術の実装だけでは、物理層技術の管理に加え、仮想化層技術の管理が加わり、複雑性が増し、結果的にITの最適化を目指すサービス化を阻害します。
具体的には、下記を実現するソリューションが必要になります。
- 物理、仮想含むさまざまなITリソース資産の一元管理
- 上記リソースをモニターし稼働状況を管理
- 使用状況に応じたリソースの割り振りの最適化管理
- リソースのプロビジョニング
- リソースの使用履歴と課金管理
仮想化の実装に加え、これらのソリューションを適用することで、ITインフラストラクチャーのサービス化、およびサービス提供が可能となります。
ITインフラストラクチャーのサービス化へのロードマップ

ITインフラストラクチャーの
サービス化に向けた
ロードマップ 拡大図
ITインフラストラクチャーのサービス化の為には仮想化が不可欠であること、また仮想化技術だけでは最適化が困難であることはご理解いただけたかと思います。それでは、最終ゴールを見据えた具体的なロードマップはどのようなものが考えられるでしょうか。
ここでは、このロードマップを以下の4段階にわけ、推進することを例示します。
- ステップ1 : 集約化、統合化(Symplify)
既存のITインフラストラクチャーを整理し統合する - ステップ2 : 仮想化(Virtualize)
整理、統合された環境を仮想化技術を用いて柔軟性を強化、リソース配分、および使用を最適化する - ステップ3 : 自動化(Automate)
ステップ2にて構築された環境のリソース管理を自動化する - ステップ4 : サービス管理(Service Management)
リソース管理をサービス管理と結びつける
このステップを踏み、既存ITインフラストラクチャーを見直すことにより、最終的にはサービス化への準備が整います。また、おのおののステップにおいては、さまざまな観点でコスト削減の術が潜在的に存在しますので、ロードマップのステップそれぞれでITコスト削減の効果を享受することが可能となります。
具体例
前述のロードマップにおける具体的な例をSAP社の各種製品を実装する際のインフラストラクチャーを例に取りご紹介します。
ステップ1 : 集約化、統合化(Symplify)

ステップ1 : 集約化、統合化
(Symplify) 拡大図SAP社の製品は、ERP、SCM、CRMといった機能別にコンポーネント化されています。また、システムのランドスケープは開発、検証、本番環境というように独立した環境の構築が推奨されます。それぞれの環境は、その規模に応じて、複数のWebASサーバー、複数のアプリケーションサーバー、複数のデータベースサーバーという構成を採用します。このことにより、例えばERPとSCMの大規模環境を構築する際には、独立した環境は数十必要になることは珍しくありません。また、機能別のコンポーネントをSOAのコンセプトに基づき、サービスと介して利用する際には、更に追加のミドルウェアを稼働させるための環境が必要になります。この数十以上の環境を構築する際に、サーバー台数を必要環境数だけ手配し環境構築するのではなく、仮想化とパーティショニング技術を利用し、1つ、あるいは2つ程度の物理的なサーバー環境に集約することにより、システムの構築、運用の効率化を図るのがこのステップとなります。
ステップ2 : 仮想化(Virtualize)

ステップ2 : 仮想化(Virtualize)
拡大図ステップ1において集約化、統合化が実現しますが、この状況は複数サーバー環境をまとめただけであり、いわゆる物理統合の状態といえます。ステップ2においては、この物理統合された環境内で各種のシステム資源を仮想化技術を用いて有効利用し、システム資源の無駄を排除することを実現します。図中の"空き"資源は、他のアプリケーション用途に使用してもよいでしょうし、また、予測不能なシステム負荷増大時に備える為のプールされた資源として活用することが可能になります。
ステップ3 : 自動化(Automate)

ステップ3 : 自動化(Automate)
拡大図ステップ2において仮想化が適用された環境は、複数のアプリケーション環境がシステム資源を共有することになります。このシステム資源の割り振りは、アプリケーションの目的、用途、重要性、保持するべきサービスレベルに応じて優先順位付けを行い、そのシステム資源の配分を自動化することが求められます。この自動化を実現することにより、運用担当者の業務負荷を軽減すると同時に、ポリシーに基づく最適なシステム資源の活用が可能となります。図解の例は、アプリケーションごとのシステム資源割当を例示していますが、SOAが実装された環境においては、各種ミドルウェアへのシステム資源の割当を含み非常に多くのコンポーネントへのある意味予測不可能なシステム資源の最適化が必要となり、人手を介した運用では最適化は困難であると容易に想像できます。
ステップ4 : サービス管理(Service Management)

ステップ4 : サービス管理
(Service Management)
拡大図これまで述べてきた、ITインフラストラクチャーのサービス化の成否を評価するために、サービス管理は必要不可欠です。事前に定義されたサービスレベルが保持されているか否かの評価と、その結果に応じた速やかなリソース調整の実現、また、サービス化に伴い、これまでは固定費扱いであったコンピューター資源の使用課金形態が、使用量に応じて課金され変動費として管理されることも期待されます。サービス管理の実装により、これらを実現しITインフラストラクチャーのサービス化形態におけるライフサイクルを管理し、更にPDSAサイクルを推進することが可能となります
以上、ステップ1からステップ4までの実現は、IBMの提供するハードウェア、ソフトウェア、およびサービス提供により可能なソリューションであり、また、既に多くのお客様にて採用されています。詳しくは、以下の各種ソリューションのご紹介を参照ください。
IBMの提供するインフラストラクチャー ソリューション
SOA(Service Oriented Architecture) とは、アプリケーション、プロセス、定義済みコンポーネントを自由に組み合わせることのできるアーキテクチャーですが、IBMではSOAの基本原則をもとにサービス化を通じてのITインフラストラクチャーの最適化実現をお手伝いさせていただきます。
IBMでは、ハードウェア、およびソフトウェアによる仮想化実現の他、ITインフラストラクチャーのサービス化をサポートするソフトウェアの提供、更にはそれらのソリューションをサービスとしてご提供するインフラ運用サービスまで幅広くソリューションを取り揃えています。以下にその一部をご紹介します。
IBM Virtualization
ハードウェアを中心としたさまざまな仮想化ソリューションのご紹介
仮想化によるITリソース資源活用の最適化ソリューションのご紹介
SAP環境におけるダイナミックなシステム資源の活用
自動化によりシステム運用全体を効率化するソフトウェア・ソリューションのご紹介
Tivoli Provisioning Manager
Applications on Demand(AoD)のご紹介
新しい形態のビジネス・アプリケーションのシステム運用サービス
IBM Research and SAP Demonstrate New Cloud Technology: Real-Time Application Mobility
IBMとSAP、クラウド環境でアプリのライブ・マイグレーションを可能に・・・

Live Partition Mobility(LPM)
拡大図
米IBMと独SAPはドイツで現地時間2009年3月2日、クラウド・コンピューティング環境で稼働中のアプリケーションを動的移動(ライブ・マイグレーション)する技術を発表しました。処理負荷やシステム動作状況の変化に応じ、遠隔地に分散しているサーバー間でアプリケーションを稼働させたまま移動できます。 「IBM POWER6」プロセッサー搭載サーバーによるクラウド・コンピューティング環境でSAP製アプリケーションを動かし、遠隔サーバー間でライブ・マイグレーションできることを確認しました。物理サーバー上の論理パーティション(仮想マシン)を別の物理サーバーに稼働させるIBMの「Live Partition Mobility」機能を利用しています。
IBM, IBMロゴ, POWER6は、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
