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ビジネス・サービスによる複雑なプロセス管理の実現(後編)

IBM/SAPハイブリッドSOAソリューションのご紹介【第5回】

ビジネス・サービスの実装

IBMの提供するビジネス・サービスは、WebSphere® Business Services Fabric(WBSF)というソフトウェアで実行されます。また、ビジネスの開発にはWebSphere Integration Developer(WID)というソフトウェアを利用します。

ビジネス・サービスの実行環境

WBSFはビジネス・サービスの実行環境です。WBSFでは、ビジネス・サービスからWebサービスを呼び出すための条件として、ビジネス・プロセスから渡される情報の他に、ビジネス・サービス・リポジトリー(BSR)というデータベース中の情報も、条件として利用することができます。このBSRのデータを変更することで、呼び出すWebサービスをダイナミックに追加・変更することが可能となっています。このダイナミックな変更を可能にしている機能を、ダイナミック・アセンブラー(DA)と呼びます。

ダイナミック・アセンブラー(DA)の説明図

WBSFでは、サービスを呼び出すための条件を定義したものをポリシーと呼んでいます。ポリシーが、ビジネス・プロセスから渡される情報とBSRの情報を合わせて、実行するWebサービスを決定します。以下の例は、家電を受注できるシステムが日本とアメリカにあり、呼び出すWebサービスを切り替えるための組織情報を、BSRから取得している例となります。

組織情報をBSRから取得しているDAの説明図

次の例では、旧システムから新システムに移行する場合にBSRを利用した例となります。BSRからサービスの停止日と開始日を取得することで、ビジネス・プロセスからの呼び出しを停止することなく、呼び出すWebサービスを切り替えることができます。

Webサービスの利用可能日を、BSRから取得しているDAの説明図

DAにはビジネス・サービスをテストするためのポリシー・シミュレーターが用意されています。ビジネス・サービス内で定義されたサービスが数十から数百になる場合、条件と選択されるサービスの網羅性をテストするには多大な工数がかかりますが、ポリシー・シミュレーターでは条件を入力するだけで、サービスが正しく選択されるかどうかを簡単にテストすることができるため、テスト工数を削減することに貢献します。

ビジネス・プロセスとビジネス・サービスの開発環境

WIDはSOAベースのアプリケーションを開発するためのツールです。WIDではビジネス・サービスの開発の他に、ビジネス・プロセス、メディエーション、アダプター、またはコード・コンポーネントなどのSOAの考え方を実現するための複雑なビジネス・ソリューションを開発することができます。また、Java™の知識がなくても、ドラッグ・アンド・ドロップでアプリケーションを開発することが可能です。

次にWIDのビジネス・プロセスとビジネス・サービスの定義画面をご紹介します。

ビジネス・プロセス定義

ビジネス・サービス定義

WIDでビジネス・サービスを定義するには、DA、ポリシー、エンドポイント等の定義をしていきます。

DA定義

例) 受注インターフェイス



ポリシー定義



エンドポイント定義

現時点でIBMのWBSFのみがビジネス・サービスという概念をサポートしています。

ビジネス・サービスを利用したサンプルアプリケーションのシナリオ






  1. 売れ筋商品で、自社在庫があるものは、自社倉庫から出荷します。
  2. 売れ筋商品が在庫切れの場合は、即時に自動にて仕入先に発注します。
  3. 3PL倉庫商品は、中央倉庫から直送します。

となります。

ビジネス・サービスを利用したサンプルアプリケーションの設計

この西ヨーロッパの販社業務を元に、ビジネス・プロセスとビジネス・サービスを考えて見ます。

ビジネス・プロセスは注文受付-在庫確認-在庫確認の結果を判断して、最後に受注となります。受注サービスは、自社倉庫に在庫がある場合の受注(パターン[1])、在庫切れを起こしている場合の受注(パターン[2])、3PLでのみ扱っている品目の受注(パターン[3])、その3パターンが想定されますので、その部分にビジネス・サービスを適用してみます。

ビジネス・プロセスとビジネス・サービス以外の実装は以下のとおりです。

パターン[1] 在庫がある場合は、SAP ERPで受注伝票登録を実行します。

パターン[2] 在庫切れの場合は、SAP ERPで受注伝票登録をすると同時に購買発注登録を実行します。

パターン[3] 3PLでのみ扱っている品目の場合は、SAP ERPで受注伝票登録をすると同時に、3PLシステムで引当登録を実行します。

ビジネス・サービスの効果

サンプルアプリケーションでは、3パターンの受注サービスを1つのビジネス・サービスとしていますが、更に多くの受注サービスがあった場合、また、呼び出す受注サービスに変更、追加が発生した場合でも、ビジネス・プロセスに影響することはありません。Webサービスの数が多い個所にビジネス・サービスを適用することで、効果が上がります。

呼び出すWebサービスが多い場合の図

モニタリングによるビジネス・プロセスの改善

シンプル化され、管理しやすいビジネス・プロセスで、プロセスのモニタリング、改善、実行を繰り返し、ビジネス・プロセスを最適にしていきます。ビジネス・プロセスのモニタリングでは、ビジネス・パフォーマンスを評価するプロセスを明確にし、あらかじめ、ビジネス指標を設定しておく必要があります。ビジネス・プロセスの実行時には、プロセスがあらかじめ設定されたビジネス指標に対してどのくらいのパフォーマンスをあげているかをモニタリングします。モニタリングした結果は、経営者が迅速な判断ができるように必要な加工を行って表示できる必要があります。実績が目標値に届かない場合は、更なる継続的なプロセス改善を行います。実績をビジネス指標に関連したイベントや、異常な状況を検知し、適切なアクションをとるためのアラートとしてリアルタイムで受け取り、目標と実績のギャップにすばやく対処できるようにするのが理想です。

BPMにおいて、継続的にビジネス・プロセスの改善を行うためには、モデリングフェーズから、実現すべき経営目標や業績指標収集をビジネス・プロセスの設計に盛り込みます。収集した実測値は改善プロセスにつなげるため、またモデリングにフィードバックします。

ビジネス・プロセスの実行モニタリングの例 説明図

IBM, IBMロゴ, WebSphereは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴは Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標。
Adobe, Adobeロゴは、Adobe Systems Incorporatedの米国およびその他の国における登録商標または商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。

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