欧米の金融業における戦略的統合顧客管理の導入事例とその価値
IBM Corporation
Information Management Worldwide Info Solutions
Technical Sales Leader
Kelvin Looi(ケルビン・ルー)
IBM InfoSphere™ MDM Serverによるマスター・データ管理(MDM)や顧客データ統合(CDI)は、ビジネスにどのような価値や変革をもたらすのか。その具体的な取り組みや成果について、欧米の銀行・保険会社という金融サービス業界を例にとり、戦略的な顧客データ統合の導入・拡張の様子と、結果としてもたらされたビジネス上の価値について紹介する。
MDMの実装に関するアプローチの事例

拡大する
MDMの実装に関しては、変換方式とMDMのアーキテクチャー方式によって、図のようなリアルタイムかバッチ(ETL)処理か、共存型かトランザクション型か、といったアプローチの方法がある。紹介する金融サービス業界の事例では、それぞれのケースによって、異なるMDMの実装に関するアプローチを選択している。
「まず、米国に本拠を置く大手国際銀行では、M&Aによって5種類のCIFシステムが混在したことから、顧客中心型経営への転換に向けたマスター・データ管理が求められていました。過去に、アプリケーションを利用した単一化を試みましたが、失敗に終わっています。しかし、重複した5種類のCIFのままでは、レガシー・システムと顧客データ・ストアの間でデータ同期化の関連プロセスも複雑化し、運用環境もシステム基盤も地域や商品別に分断されたままになり、システムの複雑化による保守費用の増大という課題を抱えていました。そこで、5種類のCIFすべてをSOAベースの新たなCDIハブ(CSI)に移行させるという目標を設定し、トランザクション型のMDMアプローチを推進しています」
また、米国に本拠を置く大手商業銀行では、100万社の法人顧客に対するリース契約者や供給メーカーに抵当権者などの情報を管理していたために、企業の組織階層や全ポートフォリオに対する事業範囲および事業リスクを把握することが困難になっていた。そこで、顧客ハブのためにIBM InfoSphere MDM Serverを導入し、5カ月をかけて1500個のIBM CDIサービスを構築した。
保険業界でも顧客管理を改善
1600万の顧客を持つ米国の大手保険会社でも、各事業分野から360度の視点で顧客を捉えられるようにする目的で、全社的な顧客情報ブローカーを構築した例がある。この事例では、アプリケーションサーバー(IBM System p™ )、DBサーバー(IBM System z™ )、WebSphere® Application Server(WAS)、DB2®をシステム基盤に採用し、4種類のレガシー・システムや既存のP&C CIFとの統合を実現した。一方、リテール・バンキングや法人、証券、住宅ローンなどのビジネスを1600万の顧客に提供している米国の中堅銀行でも、IBM System p、IBM System z、WAS、DB2のシステム基盤と、新しいATMソフトウェア/ハードウェアや、プラスチック・カードを管理するレガシー・システムとの統合を実現し、各事業分野にわたる共用のCIFによる情報のやり取りを可能にし、収益機会や顧客サービスの向上を推進している。
「イギリスに本拠を置く大手国際保険会社では、契約情報を持つレガシー・アプリケーションが60種類以上も存在していました。この複雑化したシステム環境が、新しい商品提案を行う上で、障害となっていました。そこで、あらゆる契約者情報のレポジトリーとして、IBM InfoSphere MDM Serverを導入し、IBM SOAコンポーネントに基づいた新たなソフトウェア・アーキテクチャーを定義し、次世代の商品群に備えた基盤を構築しました。その結果、今後LOBごとに新商品が提案された時点で、新たな契約管理システムを導入するだけで、これまでに蓄積された顧客情報を共用できるようになります。また、どのLOBで新しい投資顧客を獲得しても、MDMに情報がすべて蓄積されていくので、すべてのシステムから単一の情報を共用できるようになります」
資料ダウンロード・アンケート
アンケートにご回答いただくと、本イベントで使用いたしました公開可能な資料が、ダウンロードいただけます。
このコンテンツは、日経BP社より、ITProの記事を参照し抜粋および編集して掲載する許諾を受けています。
IBM, IBMロゴ, InfoSphere System p, System z, WebSphere, DB2は、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
