IBM は、2000年に、それまで数多くあった既存のアクセシビリティ・グループを再編し、米国、ヨーロッパ、日本およびオーストラリアの 4 つの地域を拠点として、世界規模で活動するアクセシビリティ・センターを開設しました。アクセシビリティ・センターは、製品のアクセシビリティに磨きをかけ、世界標準に向け協力を促し、我々の研究技術を障害を持つ方々が遭遇する様々な問題を解決するために駆使して、業界的視点に立ったソリューションを生み出し、アクセシビリティへの社会的な認識を高める役割を果たしています。
障害を持つ方々のITへのアクセスを支援するには、革新的な技術が必要です。IBM Research 組織の一部として、アクセシビリティ・センターは、新しい技術を開発している研究者達と直接関わりを持っています。革新的なアイディアが IBM の研究所で開発されると、アクセシビリティ・センターは、インフルエンサーや当事者団体、そしてお客様と協力し、これらの技術を試験的に導入します。成功した試験プログラムは、障害の有無に関わらず、より多くの人々がITにアクセスできるよう支援するための製品になります。
IBM のコミュニティへの貢献の中で、「教育」は最優先事項です。戦略的な取り組みを通して、IBMは先進のITとIBMが適用しうる最高の知識を利用したソリューションをもって、教育に関する最も難しい問題の数々を解決してきました。これらのプログラムは、全学区との協力関係を通して、全国の組織を系統だてて改革するための下準備をご支援します。
Reading Recognition program - 読字認識ソフトウェアを利用し、生徒はスクリーンに映し出された本を読み、合図に従って声を出して読んだり、内容を理解しているかどうかを確認するための質問に答えたりします。生徒が声に出して読んだ時に、読み方や発音の正確さに関して、ソフトウェアが即座にフィードバックを与える機能も備わっており、非常に優れた学習環境を実現できます。
IBMは、World Wide Web Consortium (W3C) Web Accessibility Initiative (WAI)の創立メンバーおよびスポンサーであり、WAI Steering Council および Web Content, Authoring Tools and User Agent Guidelines でも重要な役割を果たしています。
IPD と非常によく似たもので、IBM には Integrated Service Development (ISD) プロセスというものがあります。ISDの目的は、繰り返し提供可能なサービスの効率的な開発と世界的展開を可能にするための骨組みおよび一連のサポート手段とツールを提供することです。基本的な構造もIPDと似ており、定期的なチェックポイント、事実ベースの意思決定、チームベースのマネジメントを伴う6つのフェーズから成り立っています。サービスの開発は製品の開発とは異なり、必ずしも形のある製品を開発するわけではないので、アクセシビリティの基準は、カスタム・ソフトウェア、Webサイトまたはサービスに関する資料を作成する際に適用されます。
特殊なニーズを持つクライアントに対して展開されるサービスのために、IBMにはIBM Global Services(IGS)Method というものもあります。IGS Methodは資産ベースのプロセスで、クライアントとの契約に対するソリューションの開発の中で、形のある資産および知的資産を再利用するように、実行者にそのためのノウハウを提供します。アクセシビリティの必要条件は、IGS Methodで適当な資産を通して編み出されます。
IBM にとってアクセシビリティは極めて重要であるため、IBMは、アクセシビリティを社の構造自体に組み込むプロセスを管理する方法を模索していました。2003 年、IBM 会長兼 CEO の Sam Palmisano は、IBM 内の様々な部署がアクセシビリティを当社のビジネス・ソリューションに取り込めるよう、世界に点在するアクセシビリティ・センターに協力を要請しました。全プロセスを実施および管理するため、内部ツールや Web サイトなどが構築されました。具体的には、アクセシブルな製品の実装を支援するいくつかのデータベース、レポート文書および Web サイトなどから成り立っています。
加えて、プロジェクト・オフィスのメンバーは、アクセシビリティが主だったプロセスにさらに取り入れられるようにするために、アクセシビリティに関して個々の相談に応じ、社外のアクセシビリティに関する委員会に参加し、アクセシビリティに対する世界的な標準や規制を監視し、アクセシビリティのイベントに出席し、営業、購買、ユーザー・エクスペリエンスおよびビジネス変革チームのような IBM 内の他の組織と協力し合います。
当初、多くの支援技術がIBMの研究所で開発されたため、IBM はアクセシビリティ・センター内に特別チームを結成し、研究者等と協力して、一般的に使われる製品にもアクセシビリティを強化して組み込むことができる新技術を開発しようとしています。良いものが開発されれば、この特別チームは他の IBM ビジネス部門、ISVおよび支援技術ベンダーと協力して、その技術を適当と思われるサード・パーティーへ移行します。多くの場合、IBM は IBM Research から最新技術を取り入れ、それを実際に使用可能なプロトタイプ製品に組み込んで、お客様と共同でテストします。
テスト製品の試用機会を提供することに加えて、このチームは、重要なプラットフォームの推進と広範囲のアクセシビリティ・テストのリーダーシップを執る役割を果たします。また、このチームは、IBM のアクセシビリティ計画の発展を促進させ、技術的な相談と実装に関するサポートを提供し、様々なアクセシビリティの問題の解決を早めます。テスト能力においてもそのチームは、重要な IBM プラットフォームや、製品、サービスおよびカギとなる ISV アプリケーションに支援技術を統合することに対して、リーダーシップを発揮します。
数多くのサービスを提供することによって、IBM はクライアントの組織が必要としている隅々まで行き届いたアクセシビリティの必要条件に応じることができます。我々のサービスは、クライアント組織がアクセシブルな IT 戦略を練る際の様々な支援から、戦略的なフレームワークおよびアーキテクチャーの構築まで、広範囲に渡っています。コンサルタントは既存の Web サイトがアクセシブルかどうか評価し、アクセシブルでない場合は手直しするか、もしくは新しくサイトを設計し直します。最も重要なことは、IBM は幅広い技術とビジネス洞察力を持ち併せており、アクセシビリティをクライアントのビジネス・プロセスと融和させ、カスタマー・サービス、お客様満足度の改善、クライアント側の従業員の教育と保持および事業効率の改善をご支援できるということです。
IBM は、アクセシビリティに関する世界的な標準を統一する主要なサポーターとして認められており、今後もこの分野をリードし続けます。内部的な観点では、IBM は、世界中で使用されるアクセシブルなアプリケーションの数を絶えず増やし続けています。そして、開発中の IBM 製品に関しては、ここ 3 年で更なるアクセシビリティの強化を実現することでしょう。
IBM は、より多様な市場を獲得し、IT の将来に更なる革命を起こすため、職場環境における障害を持つ方々の役割を拡大することに取り組んでいます。雇用機会を維持し、革新的なプログラムを導入し、新しい技術を開発することによって、IBM はオンデマンドの世界の中で障害を持つ方々がリーダー的存在となることをご支援します。そして、技術、サービスおよび隅から隅まで行き届いたアクセシビリティ・ソリューションを外部でも利用できるようにすることによって、IBM は、他の企業や組織が同じようにアクセシビリティをビジネスに取り入れるのをご支援します。