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音声認識ソフトを使った肢体不自由者のパソコン利用支援

Voice Recognition for Physically impaired(VRPプロジェクト)

本プロジェクトは、ニューメディア開発協会からの委託に基づき行われています。


1.VRPプロジェクトとは

脳性麻痺、頸髄損傷、筋ジストロフィー、ALSなどにより四肢が自由に動かせない方のための、音声認識システムを利用した新しいタイプのソフトウェアキーボードの開発と実証評価の実験を行ったプロジェクトです。
(VRPプロジェクトで開発されたソフトウェアの名称は、『ブイブイキーボード(仮称)』と言います。)

2.現状の課題・問題

対象となる障害者の方には、発声が困難であったり、明瞭でない人が多く含まれます。現在、市販されている音声認識システムでは、不明瞭な発声の場合に正しい認識を行うのは困難です。
また、修正作業などにおいて、マウスやキーボードでの操作が必要になると、それが障害になり作業を継続し難くなることがあります。
よって、できるだけ音声だけですべての処理が可能であり、その利用者の発声の特性に良く合わせられることと、普段利用している他の障害者支援技術(Assistive Techonology)と組み合わせての利用が容易であることが必要です。

3.開発システムの概要

例1:キー操作の様子

例えば、ワープロ・ソフトを用い、マイクに向かい「エンター」と発声すると、その言葉を認識し、認識結果を「候補Window(図1)」に表示します。

『候補Window』のイメージ図

認識結果に問題がなければ、キーボードにある[enter]キーを押したことと同じように、目的のワープロ・ソフトに[enter]キーが送信されます(図2)。

認識結果に問題があったり、送信を取消したいときには、マイクに向かって「取消し」と発声すれば、送信を取りやめることも可能です。

[図2]
『候補Window』に認識結果が表示されたイメージ図

例2:短文選択機能の様子

ブイブイキーボードには、「短文選択機能」があります。これは、辞書をユーザーに合った設定にするための機能です。

例えば、「あいさつ」という言葉に、あいさつに関連する言葉を関連付けておきます。すると、「あいさつ」と発声するだけで関連付けられた言葉が「候補Window」にリスト表示され(図3)、その中から選択するだけで文字入力がでます。

[図3]
『候補Window』に「あいさつ」に関連付けされた言葉がリストアップされたイメージ図

例3:短文選択機能の応用例(五十音表)

「五十音表」と発声します。すると、イメージ図のように、行単位であ行~わ行までが「候補Window」にリスト表示されます(図4)。そして、目的の行を選択すると、その行の文字がさらにリスト表示され、最終的に入力したい文字を選択することができます。

この方法では、発声数の少ない方でも、文字入力が可能になります。

また、発声が明瞭である方は、「あさひのあ」で『あ』を、「いろはのい」で『い』というふうに直接文字を認識させることも可能です。また、辞書設定は自由に行えますので、さらに効率的な文字入力やキー操作が可能です。

[図4]
『候補Window』に表示されたリスト形式の五十音表文字盤イメージ図

4.実証実験の成果目標

5.短期実証評価実験にご協力いただいた団体
日程 地域 団体名 会場
11月 4日 北海道
札幌市
NPO法人
『札幌チャレンジド』
ちえりあ
11月 6日 北海道
八雲町
国立療養所
『八雲病院』
左記と同じ
11月13日 福岡県
福岡市
日本IBMにて自主担当 福岡
システムプラザ
11月17日
12月20日
神奈川県
横浜市
横浜市障害者地域作業所
『ごぼうハウスPC』
左記と同じ
11月19日 神奈川県
横浜市
社会福祉法人横浜共生会
『横浜らいず』
左記と同じ
12月 2日 宮城県
仙台市
障害者就労支援組織
『CyBird』
エピーク社内
12月 9日 京都府
京都市
京都市身体障害者共同作業所
『WORK'S共同作業所』
集会場
12月18日 愛知県
名古屋市
身体障害者通所授産
『わだちコンピュータハウス』
左記と同じ

1ヶ所につき、4名から6名

※ 平成13年に実施したものです。

短期実証評価実験の様子

横浜市地域作業所『ごぼうハウスPC』にて

被験者とスタッフと一対一で楽しそうに実験に取組む様子

被験者とスタッフと一対一で真剣に実験に取組む様子

6.長期実証評価実験の概要

期間:11月と翌年1月までの期間中に、約1月間連続して使用していただいた。
地域:高松(1名)、大阪(1名)、神奈川(6名)
対象者数:8名

7.その他の実証評価実験

この他、11月の23日、24日、25日のATACカンファレンスにて展示説明を行いました。
また、リハビリテーションの専門家の方へのヒアリングを別途行いました。