概要
日本アイ・ビー・エム アクセシビリティ・センターは、定例会議やプロジェクト会議に聴覚障害社員が参加する際、会議に参加する有志の社員数名が、パソコン要約筆記ソフト(IPtalk)を使用し、会話の内容を文字化する情報保障を行っている。しかし、本プロジェクト実施前においては、パソコン要約筆記入力者(以下、入力者)、および聴覚障害者(以下、閲覧者)両者の抱えている心的な負担(心的負担:mental workload)は少なくなく、なんらかの改善が必要であると感じていた。そこで、両者のかかえる心的負担を減らし、結果として会議品質を高める(会議内容の理解度が高まる、自由に討論できる雰囲気を高める)ことを目的とした改善活動を行った。その結果、大きな改善が得られたので、これらをまとめて報告する。また、今回利用したルールは広く役に立つ物と思われるので、参考資料として掲載する。
パソコン要約筆記での課題
入力者は、会議参加者の話を聞きIPtalkに入力する。リアルタイム性を要求されるので入力は負担がかかり、また、入力者も会議に加わると入力作業を途中で止めるため、会話の内容がしばしば適切に入力されないことがある。それが原因で、閲覧者がIPtalkの画面を見ても、不十分な内容のために理解ができないことがある。また、閲覧者が質問や発言をしたくても、次の話題に移ってしまい、その機会を失うことがよくある。
