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環境会計

IBMでは1986年から環境会計のデータを集めて経営上の意志決定に生かしています。環境情報管理システムを使い、将来の環境リスクを考慮した、戦略的で予防的かつ法規制を超えた環境対応の一環としています。

環境保全の投資

世界各地の環境プログラムを維持、管理するために、IBMは生産施設や研究所において設備投資として過去5年間に約2億7,700万ドル、管理経費として約5億5,500万ドルを支出してきました。

IBM全体の環境保全活動の資本投資と経費 (単位:百万ドル)
  2000 2001 2002 2003 2004 合計
資本投資 54 132 52 18 21 277
管理運営経費 110 115 119 104 102 550
合計 164 247 171 122 123 827

IBMでは環境支出を環境リーダーシップの追求から見込まれる節約効果や回避効果と対照しており、1997年に費用対効果分析を開始して以来、この8年間で見込まれる節約効果および回避効果の額は、平均すると2対1の比率で環境費用を上回るという結果が出ています。

IBM全体の環境対策関連費用と効果の算定
(単位:百万ドル)

2004年の環境対策関連費用
環境対応管理・人件費 34.6
環境対応顧問料 1.9
分析費 1.7
許認可費 0.8
廃棄物処理費 14.3
給・廃水処理費 20.8
大気への排出管理費 1.3
地下水観測管理費 1.6
環境システム改善費 2.2
化学物質と原材料のリサイクル費用 2.2
スーパーファンドおよび旧IBM事業所の浄化費用 17.3
その他の環境改善費用 3.1
合計 101.8
2004年の環境対策による費用の節約効果と回避効果
事業所の汚染防止活動 48.0
統合環境管理費の節約 38.0
包装材の改善 20.2
環境に配慮した素材の使用 5.9
省エネルギー効果とエネルギーコストの回避 22.7
スーパーファンド施設および事業所の浄化費用の節約 3.7
保険の節約* 12.5
流出浄化費用の回避** 1.7
法規制準拠費用の回避** 55.4
合計 208.1

*   環境汚染賠償保険の代わりに資源保護回復法(Resource Conservation and Recovery Act: RCRA)の金融保証を用いたことによる節約。
** これらは仮定に基づいて算出した数値です。流出浄化費の回避は、IBMが実際に経験した浄化費用を基に算出しました。法規制準拠費用の回避には、回避された罰金、弁護士費用、および事業の中断が含まれています。罰金と弁護士費用の額は2004年の米国EPAデータの分析を基に算出しました。事業中断による損害額は、プラントの操業休止の潜在的な影響を基に算定しました。

環境関連の引当金

IBMでは、環境対策の必要性が確実となり、その費用を合理的に見積もることが可能になった時点で、環境関連債務として引当計上しています。保険による補てん分を除いたこの引当金計上金額は、2005年12月31日現在で2億2,600万ドルです。

経営に生きている環境会計

IBMは1960年代から全世界共通の形で環境対応を推し進めてきました。化学物質の漏洩防止のための二次容器がない地下タンクの使用禁止やISO 14001統合認証の取得のような対策の積み重ねにより、現在は比較的小額の環境投資と管理運営経費で大きな成果を上げています。企業として環境対応を強力に推進することは、倫理的に正しいことであると同時に、経済的にも合理性があるのです。IBMではその事実を、環境会計を通して具体的な数値で実証し、株主はもとより、その他の利害関係者の皆様からも厚い信頼を得ています。