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科学技術の発展と新たな脅威
科学技術の発展が豊かな生活をもたらす一方で、鳥インフルエンザや狂牛病などの感染症、遺伝子組み換え作物や薬草に代表される植物や生物に対する特許・所有権の問題など、私たちはこれまで思いもよらなかった難問に直面することになりました。これらの背景には、人類の健康や安全への保障のみならず、先進国と発展途上国との経済と権利の相克が存在します。従来のように公害問題が特定地域で起こり、因果関係の究明が容易だったのに比べて、急速な科学の発達とグローバル化によって引き起こされた感染症や生物多様性の問題は、対応が遅れがちです。
IBMでは1990年代に「IBM環境研究プログラム」を創設し、コンピューター技術を応用して生態系の研究・調査を行う、次のようなプロジェクトを推進してきました。
- 海洋環境保全を目指す珊瑚礁研究:オーストラリア海洋科学学会
- 米国西部全体の野生動植物生息地保全:カリフォルニア大学サンタバーバラ校
- 開発過剰による世界中の壊れやすい生態系の保全:チリ大学
- 地域および地球規模の気象モデルによる天候予測:ノース・カロライナ大学
- 世界規模の気象変動の影響調査:パーデュー大学
- 植物・土壌・水のモデルを使った酸性雨の研究:シラキュース大学
IBMでは環境配慮製品のような単体としての環境や社会への配慮から、コンピューターの最適化技術を駆使したより包括的なソリューションの提供まで、イノベーションを通じた多角的な環境支援を行っています。最適化技術では、企業、地域、国全体を含むシステム全体を把握して、コストと環境負荷の低減を同時に実現することに加え、ナノテクノロジーや生物多様性の保護に寄与すべく、全世界のIBMの英知を結集し、努力を続けています。
日本IBMグループ全社員が参加する取り組み、社会と協働する取り組み
日本IBMグループは、IBMの環境ポリシーで述べている「あらゆる事業活動における環境保護のリーダーシップを積極的に追求する」ことに加え、地球温暖化防止に貢献するためには個人レベルでの取り組みが重要だと考えています。そこで、グループ会社およびその構成員一人ひとりが環境活動を推進することを目指して、2005年7月に環境活動推進を宣言しました。
日本IBMグループの環境活動推進宣言
日本IBMグループは、「人と地球に豊かさと潤いをもたらす」との、日本IBMグループのVISIONeと、環境ポリシーに基づき、すべての事業活動を行う上で、地球環境保護の取り組みを実践し社会のリーダーを目指します。
日本IBMグループは、グループの全員が社会生活のなかで、市民として環境保護活動を実践することを支援します。
具体的には、以下のプログラムを展開しています。
全社員で取り組む「ECOマラソン」
産業活動でのCO2対策に比べて取り組みの遅れが目立つ民生部門での消費エネルギー量削減に寄与するため、日本IBMグループは、2004年4月から「ECOマラソン」をスタートさせました。
このプログラムは、社員に加え家族の参加も得て、職場・家庭・学校・地域での環境活動を推進しようとするもので、目標に向かって粘り強くチャレンジを継続するという意味で「ECOマラソン」と名づけました。参加者は会社と会社以外での活動目標を立て実践し、評価は各家庭の電力・ガス・水道の使用量を指標にしています。
「ECOマラソン」に参加することにより、家庭の光熱費を減らすとともに、家族の絆と環境意識を高め、職場だけではなく地域社会への貢献意識も向上させる効果を狙っています。2004年の参加者は社員と家族を合わせて3,652人、2005年は4,997人と、その数は着実に増加しており、さらに全員参加に向けて運動を推進していく考えです。

ECOマラソンの優秀活動は「IBM環境シンポジウム」などを通じて社外にも発表される。
地域と産官学の取り組みをつなぐ「IBM環境シンポジウム」
日本IBMは、資源循環型社会をつくるためには、より積極的に社外の取り組みと協働することが必要と考えています。2000年に東京で開催した「IBM環境シンポジウム」は、2001年に北九州市の共催をいただいた時から、地域の行政や企業、大学、市民と協働して資源循環型社会の構築について考える場として継続的に開催しています。2002年三重県、2003年岩手県、2004年北海道、2005年香川県と、それぞれ県・道の共催、開催都市の後援をいただき知事や市長の講演、地元企業・行政・大学・市民の取り組みを紹介するセミナー、先進的な取り組みを行っている企業や団体の視察を実施し、毎回400人前後の参画で高い評価を得ています。
2006年は熊本県で開催する予定で、これまでの開催地とのネットワークづくりや、IBMの持つ製品やサービスが地域での取り組みに活用できるようにすることに注力しています。

香川県高松市で開催された「IBM環境シンポジウム2005」の会場風景。全国から約420名が参加した。
実体験を通じて環境保護活動を実践する「地球環境貢献特別プログラム」
環境活動への取り組みをさらに促進し、社会に貢献するための施策として、日本IBMは2002年に「地球環境貢献特別プログラム*1」を創設しました。同年5月の第1回を皮切りに、毎年6~10名の日本IBMグループ社員をボランティアとしてタイ国に派遣し、植林・学校訪問・環境キャンプ・自然体験キャンプ等を通じて、地域住民や子供たちおよび政府関係者やNGOオイスカ*2 との交流を図り、地域社会への貢献を果たしてきました。
「地球環境貢献に企業の垣根はない」をモットーに、どの企業でも気軽に参画できるプログラムにしたいというオープン・ポリシーを推進するため、2004年の第3回から賛同企業と合同で植林活動を実施することになりました。さらに、2005年の第4回では、IBM環境シンポジウムの開催地である香川県のオイスカ四国研修センターで、東南アジア10ヵ国からの研修生と寝食を共にし、国際交流、里山体験、植林活動などを実施しました。
日本IBMでは、このプログラムを日本IBMグループ環境活動推進宣言の一環として位置づけ、社員が一市民として"何をなすべきか""何ができるのか"を考え、実行動に結びつけるための"きっかけ"となり、それぞれの地域でボランティア・リーダーとして広く社会に貢献することを期待しています。
*1: 地球環境貢献特別プログラムの詳細は、日本IBMホームページ をご参照ください。
*2: 日本IBMはこのプログラムを通じて、財団法人オイスカを支援しています。以下をご参照ください。

第4回地球環境貢献特別プログラムの活動風景。オイスカ四国研修センターでは毎朝、6:15起床、点呼・体操・各国の国旗掲揚・掃除で一日が始まる。

2005年の植林プログラムでは、約130名で香川県綾上町(現・綾川町)の保有地に約530本の苗木を植林。
