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気候変動の防止
気候変動は、地球が直面している最も重要な課題の1つです。地球の温暖化が進行する中、その大きな要因は、人間の活動に伴い排出される二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの増加とみられています。気候のメカニズムについては未解明の部分も多いものの、IBMはこの重大な環境課題への取り組みを続けています。
気候変動防止に対してIBMにできる最も建設的な対策は、技術上のリーダーシップを発揮して自社業務に関連した排出を減らし、よりエネルギー効率のよい製品を生み出し、さらにこうした環境上のメリットをお客様にも提供することです。また、気候研究分野にIBMの技術を応用し、持続可能な開発に適した効率的なプロセスや製品、ソリューションを世界に広めていくことも必要だと考えています。
事業活動に伴う温室効果ガス排出を低減
IBMの事業活動に伴って大量の温室効果ガスが排出されることはありませんが、エネルギーを使用する関係で間接的に環境に影響があります。このような事情から、IBMは省エネルギー活動を推進しています。
半導体製造事業ではパーフルオロ化合物(PFC)が直接排出されますが、2004年の排出量(CO2量換算)は、エネルギーの使用に伴う間接的なCO2排出量の約9%です。IBMは率先してPFC排出の少ない半導体製造プロセスを開発し、代替化合物の利用やPFC排出を抑える効率的な材料の使用方法を通じて、業界標準のプロセスを確立してきました。
さまざまな自主規制目標やイニシアチブ
気候変動への影響を防止するため、IBMはさまざまな自主規制目標やイニシアチブを設けています。IBMは世界自然保護基金(World Wildlife Fund: WWF)とエネルギー・気候ソリューションセンター(Center for Energy and Climate Solutions: CECS)が推進する「Climate Savers」プログラムの創立メンバーでもあり、2000年にこのプログラムに参加した際には、エネルギー消費に伴うCO2排出量を、「1998年を基準として2004年まで年平均4%削減する」、という自主目標を立てました。2004年末までにIBMは目標を大きく上回る年平均5.7%の温室効果ガスの削減を達成しました。(この数字は純粋に省エネ努力と再生可能エネルギーの利用による成果のみを示したもので、事業の再構築や売却に伴う減少は含まれていません。)こうした努力の結果、CO2排出量を1998年以来通算で128万トン以上削減し、エネルギー・コストを1億1,500万ドル節約しました。これは、年間走行距離1万6,000キロの中型車5万1,600台分のCO2排出量に相当します。IBMは「Climate Savers」プログラムの自主目標を達成した最初の企業となり、目標を大幅に上回ったことに対してWWFとCECSから賞が贈られました。
その後も自主的な対策を継続し、2002年には米国環境保護庁(EPA)の「Climate Leaders」プログラムに参加しました。業界標準を上回る意欲的な温室効果ガス排出基準を全社規模で設定するこのプログラムに応じて、IBMは温室効果ガスの直接・間接的な排出をほぼすべて対象とした、以下の2つの目標を定めました。
- 燃料と電力の消費に伴う温室効果ガスの排出を、2000年から2005年までの6年間に年平均4%削減
- 半導体製造プロセスからのPFC排出を、2000年を基準とした絶対量で2005年末までに10%削減
この結果、IBMは対象期間中に年平均18万トンのCO2排出を抑制し、目標(年平均4%)を上回る、6%以上の削減を達成しました。このように長期的に高い成果を上げることができたのは、IBMが継続的に省エネルギー・プロジェクトに重点を置くとともに、再生可能エネルギーの購入を増やしたためです。再生可能エネルギーの購入量は、2002年の6万6,200メガワット時(MWh)から2004年には21万1,000MWhに増え、IBMの電力消費の4%以上に達しています。
PFCの排出に関しては、IBMの世界各地の半導体製造工場で使われている6種類の温室効果ガス(NF3、CF4、C2F6、SF6、C3F8、CHF3)について、プロセスのイノベーションと代替化合物の使用を通じて、2000年を基準に絶対量で50%以上の削減を達成しました。これは「Climate Leaders」プログラムの目標値10%をはるかに上回っています。
輸送
IBMは社員の通勤や資材と製品の運搬が気候変動に及ぼす影響も軽減しようと努めています。その一環として、在宅勤務プログラムや乗合通勤(カープール)、その他さまざまな選択肢を設けて通勤による環境負荷の軽減を図っています。
IBMは、米国環境保護庁(EPA)が2005年に「Fortune 500」企業から選んだ「通勤しやすい勤務先トップ20」で17位にランクされました。これは通勤による交通渋滞や大気汚染を緩和しつつ、社員に特典を提供している企業を評価するもので、当社は「e-コミュート」と呼ばれるテレワーク(情報通信 技術を利用した場所・時間にとらわれない働き方)を勤務形態の1つに採用していることが大きく評価されました。
米国のIBM社員は昨年、在宅勤務や乗合通勤などを通じて6.3万トンのCO2排出を抑制したことになります。現在はこうした分析を世界規模で進め、e-コミュートや通勤関連のプログラムが米国以外の国の環境にもたらすメリットを試算しているところです。
また、CO2削減に向け、パッケージ・デザインの開発や、荷台や輸送のニーズを最小限で済ませる同梱ソリューションなど、物流の効率化に資するさまざまな工夫を進めています。このほかビジネスとお客様のニーズが許す限り、航空輸送からトラックや海運などの輸送方法に切り替え(モーダルシフト)て環境面とコスト面のメリットを追求することも検討しています。
