概要
学校と家庭とのコミュニケーション、教室での授業展開、教員の指導力養成、データに基づく学校運営、および生徒の評価といった世界各国が抱える教育関連の共通課題に取り組み、児童・生徒の成績向上、教員の指導力育成と改善、そして学習効果を高める指導技術の開発など幅広い成果を挙げているReinventing Education(RE)。このREの日本プロジェクトとして2002年4月から2年間にわたり東京都三鷹市教育委員会とのパートナーシップのもと実施されました。
ブロードバンド・ネットワークを活用して市内全22の小中学校と家庭、地域社会をイントラネットで結び、児童の教育に教師のみならず保護者、地域の学習支援者(メンター)などが参加し、学校・家庭・地域が連携して実施する新しい地域参画型教育プロジェクトを展開したこのプロジェクトは、「学校と家庭と地域がどのように関わっていけば子どもたちに良い教育ができるか」という問いかけに対する一つのモデルケースを示しています。
目的
この「三鷹市学校・家庭・地域連携教育プロジェクト」では、三鷹市教育委員会とIBMがパートナーシップを組み、ブロードバンド・ネットワークとInformation and Communication Technology(ICT)をより効果的に活用して実施する、学校だけでなく地域も協力できる開かれた学校教育を通じて、子どもたちの総合的学習能力「ひとりで学び考えること」「問題解決能力を伸ばすこと」「地域文化や他の地区の文化を理解する能力を育成すること」の向上を目指しました。
内容
2002年4月から2年間のプロジェクト実施期間中、75万ドル相当の技術支援を実施し、学校、家庭、地域を結ぶイントラネット Learning Together(LT)を構築。さらに教師、児童、保護者などによる掲示板、学校行事を紹介するウェブサイトや児童が自ら作るウェブサイトの運営、保護者向けの授業・行事の動画配信、さまざまな分野の専門家やメンターが参加した課外授業の紹介や動画配信などを実施。「地域ぐるみで協力できる開かれた学校教育」を実現しました。なお、教師や保護者など参加者を対象に、LTの研修も実施しました。
プロジェクトによって整備されたこれらの環境を活用することにより、昼間の授業参観が困難な場合も、保護者は、授業や休み時間の子ども達の様子を動画を通じて見ることが可能になりました。また、さまざまな分野の専門家やメンターが参加することにより、教師が専門外の知識をより効果的に得ることができるとともに、児童に対してもより専門的な学習を深める機会を提供することができるようになりました。さらに、専門家やメンターとの共同学習は、児童・生徒の創造性、コミュニケーション能力、問題解決能力を高めていく助けとなりました。また、TV会議システムでは、教育ボランティアがリアルタイムで授業を支援したり、学校間や他校との交流、国際交流授業も実施し、国際社会において自分で考え、意見を表現できる力を育成する良い機会となりました。
プロジェクト終了後も、プロジェクトで構築したイントラネットや新しい授業モデルを活用し、社員・定年退職者のボランティアがITを活用した授業や国際交流授業、キャリア教育のサポートなどを実施しています。
沿革/実績
2001年1月、東京都三鷹市教育委員会とパートナーシップを組み、三鷹市内の4つの小学校においてパイロット・プロジェクトを実施。その成果を踏まえ、2002年4月から2年間にわたり「三鷹市学校・家庭・地域連携教育プロジェクト」を実施、同市立の全小中学校22校に展開しました。プロジェクト終了後も社員・定年退職者のボランティアが授業支援などのボランティア活動を継続しています。
また、第三者機関による最終評価報告において「多くの児童にとって、イントラネットを使うことは有益であると感じられている」「学習にかかわる能力のうち、『学習意欲の向上』『自主性の向上』に効果が示された」「教師からみても、児童が課題を独力で深く探索できるようになったと実感された」「メンターも、積極的に活動した方ほど充実感や社交性が高まり学社融合の好例となった」の評価が報告されています。
プロジェクトについての成果や評価調査の結果などの詳細は「三鷹市学校・家庭・地域連携教育プロジェクト 成果報告書」(発行年 : 2004年10月、ページ数 : 98ページ)をご覧ください。
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