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科学者が語る科学の楽しみ
川上 則雄氏
プロフィール
若者へのメッセージ
科学のおもしろさについて
研究テーマ
プロフィール
川上 則雄
日本IBM科学賞 第6回(1992年)物理分野受賞者
大阪大学工学部物質 生命工学専攻 教授
第6回日本IBM科学賞受賞の詳細はこちら
若者へのメッセージ
マスメディアを通した情報が氾濫する中で、本当に面白いことを見つけることは簡単ではないと思います。より早く、より簡単に満ち足りた感じを味わいたいと思ってしまいがちです。しかし、第三者によって提供された刹那的な楽しみは、決して大きな喜びへとはつながらないと思います。 科学の奥深さはそこはかとなく、限りない広がりを持っていると感じています。ここには、日々のなにげない観察や思索から自然に広がってくる夢の世界があります。 もちろん、この世界に入るための鍵は、私たち自身の知的な好奇心であり、あくなき探求心です。より多くの若い人たちがこの鍵を手に入れ、 科学の世界を楽しまれることを期待しています。
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科学のおもしろさについて
小学校から大学まで多くのことを学んできましたが、科学に関する面白さは授業や教科書からだけでは、伝わってきませんでした。 自分なりのアイデアを出し、試行錯誤を繰り返しながらより納得のいく答を探す。ここに科学をするという面白さがあると思います。失敗の回数が多いほど、自分の満足いく 結果が得られたときの喜びもひとしおです。こんな時、科学をやってきてよかったと感じます。このような新鮮な気持ちをいつまでも維持しながら研究ができれば、 これは私にとって至福の喜びであります。
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研究テーマ
私は、物性物理学の中で、低次元系と呼ばれる物質に焦点をあてて理論的な研究をおこなっています。 2次元あるいは1次元的な広がりを持つ物質は自然界にかなり存在し、また人工的にもこのような低次元系を作ることが可能になっています。 特に、最近の超微細加工技術によって、メソスコピック系と呼ばれるサブミクロンの量子系が実現され、大きな研究舞台を提供しています。
このような低次元系で、電子の集団がどのように振る舞うのかを、主に量子力学と統計力学を用いて調べています。 さらに、低次元系の研究には素粒子物理で発展してきた場の理論が役に立ちますので、従来からの物性論の方法にこれを援用して研究を行っています。
このような低次元電子系は、超伝導、磁性、金属、絶縁体といった様々な様相を呈しますが、これには低次元性に由来した量子効果が重要な役割を演じています。 この効果が大きいために、通常の3次元では見られないような面白い現象が観測されます。低次元電子系の研究は、物性物理学の基礎理論と関係しているのみならず、 半導体物理などの応用面でもたいへん重要になっています。低次元の電子系の理論研究を行っているグループは、国の内外で急速に増えつつあります。 この分野は物理学の本質に関わる重要なテーマを絶え間なく提供しており、今後とも着実な研究の進展が期待されます。
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