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科学者が語る科学の楽しみ

高木 直史氏



プロフィール   若者へのメッセージ
科学のおもしろさについて   研究テーマ



プロフィール

高木直史氏の顔写真 高木 直史
日本IBM科学賞 第9回(1995年)コンピューターサイエンス分野受賞者
名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻 助教授

第9回日本IBM科学賞受賞の詳細はこちら

研究室のホームページ
ntakagi@nuie.nagoya-u.ac.jp

若者へのメッセージ

皆さんは普段、パソコンや家電製品、自動車等をあって当然のものと思い、何気なく使っていると思います。しかし、これらが存在するのは、我々の先人の誰かが、根本原理を発見し、製造技術を発明し改良してきたからこそなのです。もっと身近な机や椅子やグラスやタオルだってそうでしょう。誰かが発見、発明をしなければ、世の中の進歩はないのです。皆さんには、誰かがやってくれるだろうというのではなく、自分が何かを発見するんだ、発明するんだという気概をもって、科学を志してもらいたいと思います。志があれば、皆さんには無限の可能性があると思います。
いい研究を行うには、体力に裏打ちされた気力が必要だと思います。健康に気をつけ、体力と気力を養って下さい。


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科学のおもしろさについて

科学にしても工学にしても、新しい発見や発明をすること、問題を解決することに面白さがあると思います。さらに、自分の発見や発明が実際に世の中で使われれば、新たな喜びがあるでしょう。
私の研究成果のいくつかは既に実用されています。実用されることが決まった時はもちろん嬉しく思いましたが、それよりも、自身でも実用されるであろうと確信をもてるような発明ができた時が一番嬉しかったように思います。また、自身で考えている時や学生と討論している時もとても楽しく感じます。科学や工学の面白さはそういうところにあるのかもしれません。
私は、大学の恩師から頂いた「教科書に載る仕事をしなさい」という訓示をモットーに研究を行っています。教科書に載る仕事ができれば幸せです。


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研究テーマ

冷蔵庫、洗濯機、エアコン、自動車等々、皆さんの周りにあるいろいろなものに、マイコンをはじめとする集積回路が入っています。わずか1cm角程度のVLSI上に数百万個ものトランジスタ等が集積されるようになってきています。これに伴い、今までソフトウェア、すなわちプログラムで解いていたさまざまな問題を、専用回路を作って高速に効率よく解くことができるようになってきています。
私は、このような専用回路を開発する場合に、ハードウェア向きの優れたアルゴリズム(計算手順)を設計することが重要であると考え、「ハードウェアアルゴリズムの研究」を行っています。いろいろな問題に対して具体的にハードウェア向きのアルゴリズムを設計するとともに、優れたハードウェアアルゴリズムの設計手法や、いろいろな問題の計算複雑さに関する研究等を行っています。既に、私の開発したハードウェアアルゴリズムに基づく掛け算器等が国内外のメーカに採用されています。もしかしたら、皆さんも使っているかもしれません。
私の研究は、さまざまな計算を高速に行うことに繋がります。今や、皆さんが使っているパソコンですら、人間が一生掛かってもできない計算をあっと言う間に片付けてしまいます。計算の高速化というのは、単に計算を速くすることに留まらず、今まで計算できなかったものを計算できるようにするのです。計算の高速化なくして科学の進歩はありえないと言っていいでしょう。そういう意味で、この研究は大変重要で、興味深いものと考えています。


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