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科学者が語る科学の楽しみ

舛本 泰章氏

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プロフィール

若者へのメッセージ

高校生・大学生と接すると 本やテレビで得た“最先端”科学に対する関心、知識が宇宙や素粒子に集中しているのに驚かされます。こうした“最先端”科学と学校で勉強中の物理学の実験や物理学の演習は全く関係のない世界の様に思われます。しかし、大学4年間の地道な勉学を終えて、大学院に進学すれば、そこは即座に、極めて広範な“最先端”科学の世界なのです。そして、研究者が最もその能力を発揮できるのは、それから約10?15年位なのです。若さは斬新なアイデアを生み出しやすく、既存の常識にとらわれにくく、時として、大小様々な革命を生み出し得るのです。また、全力を注いで一つの課題に取り組む時間的余裕もあるのです。もちろん小さな革命も、なそうとして簡単にできるものではなく、大多数の失敗の内にほんの数回しか経験することはありませんが、他人と違った道を自分の頭で考えながら進んでいくと、めぐり合う事があるのです。

科学のおもしろさについて

     私は実験系の研究をしていますから、自分達の実験の最中や実験結果を見て自然科学の面白さを感じる事があります。それはどういう時かと言うと 、

  1. 意外性のある常識外の実験事実 がどうも正しいと思える様になった時
  2. わからなかった実験事実が説明できる様になり、 それにより既存の常識が変更される時
  3. 実験装置の性能を上げる事で、今までの測定結果の精度が上がり、見えなかった信号が見えてくる時

等です。

研究テーマ

私は今、ナノメートルサイズの半導体微結晶(ナノクリスタル)の光学的な研究を中心に行なっています。電子や正孔(電子の抜け殻)、あるいは励起子(電子と正孔がクーロン引力で結合した複合粒子)をナノメートルサイズの小さな結晶中に閉じ込めると、位置と運動量の間の不確定原理から、運動量が有限になり、運動エネルギーはサイズの2乗に逆比例したとびとびの値を持つ様になります。サイズを変えるだけでナノクリスタルはバルク結晶とは異なったエネルギー準位を持ち、変化するのですから、制御できる新しい物質ができると言ってもいいのです。私は、ナノクリスタルの光学的性質を、フェムト秒(10-15s)の超短パルスレーザーやスペクトル線幅の狭いレーザーを使って研究しています。私の研究成果が社会にどの様に応用されるかは未知数ですが、半導体レーザーや光波長多重メモリーなどの光エレクトロニクスの応用分野とは浅からぬ関係があります。

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