日本IBM科学賞第1回(1987年)受賞者
受賞者紹介
高橋 敏男(たかはし・としお)
昭和25年2月26日生まれ
東京大学物性研究所 助教授
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昭和 47年
東京大学工学部物理工学科卒業
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昭和 51年
東京大学生産技術研究所・助手
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昭和 54年
東京大学工学部・助手
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昭和 61年
東京大学物性研究所・助教授
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専門:
表面物理学、回折結晶学
X線回折を利用した結晶表面構造の解析法
贈賞の理由
X線回折法を用いた新しい表面構造解析法の開発
固体は、天然のものも人工のものも、すべて表面をもっています。固体が、周囲の気体や液体、他の固体と何らかの相互作用をするとき、まずかかわってくるのが、この表面です。
こうしたことから、表面の重要性が認識されるようになってきました。とくに、エレクトロニクスや触媒化学の分野などでは、表面の性質の解析は欠かすことができず、この20年ほどの間に、表面の基礎的な研究は急速な進歩を遂げました。
表面の研究の第一歩は、固体(結晶)表面の構造決定です。これまで、表面構造の解析法としては、低速電子線回折法という方法が広く用いられてきましたが、不十分な点が多く、走査型トンネル顕微鏡など、相補的な方法の助けを借りていました。
一方、固体の内部(バルク)の構造解析には、X線回折法という優れた万能な方法があります。表面の構造解析にも、こうした決定的な方法が望まれていました。
そこで高橋助教授は、表面の構造解析にもX線回折法を用いることに着目しました。
これまでにもX線の回折現象を応用した表面解析法はありましたが、その方法では、X線の全反射を用いるため、入射角度が1度以下でなければならず、また試料表面が広く、かつ平滑であることなど厳しい条件があり、その利用は限られていました。
これに対して、高橋助教授は、垂直に近い入射光を用いる独創的な方法を開発しました。この方法では、バルクのX線回折法と同じく、1回のX線散乱を手がかりとしているので、解析が単純で、それだけ誤りが少なくなります。さらに、基準面に対しての原子の位置関係がはっきりするので、表面近くの三次元構造もはっきり示すことができます。
この新しい方法によって、従来の解析法の大きな問題点がほとんど解決されるので、表面の研究は飛躍的に発展し、関連した科学や技術の進歩につながっていくでしょう。
※所属名および役職は、受賞時のものです。
