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日本IBM科学賞第9回(1995年)受賞者

受賞者紹介


高木 直史(たかぎ・なおふみ)
昭和34年2月9日生まれ
名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻 助教授


高木直史氏の顔写真

  1. 昭和 56年

    京都大学工学部情報工学科卒業

  2. 昭和 58年

    京都大学大学院工学研究科
    情報工学専攻修士課程修了

  3. 昭和 58年

    IBM T.J Watson研究所
    Predoctoral Fellow

  4. 昭和 59年

    京都大学大学院工学研究科
    情報工学専攻博士後期課程中退

  5. 昭和 59年

    京都大学工学部情報工学科・助手

  6. 昭和 63年

    工学博士(京都大学)

  7. 平成 2年

    Stanford大学Visiting Scholar

  8. 平成 3年

    京都大学工学部情報工学科・助教授

  9. 平成 6年

    名古屋大学工学部情報工学科・助教授

  10. 平成 7年

    名古屋大学大学院工学研究科
    情報工学専攻・助教授

  11. 専門:

    ハードウエアアルゴリズム

贈賞の理由


ハードウェアアルゴリズムの研究

現在は集積回路の時代で、かなり複雑な機能でもハードウェアで実現することが可能になってきました。これには、半導体技術やCAD技術が重要な位置を占めることは明らかですが、一方、実現したい機能が与えられたとき、いかに優れた論理回路を実現するかに関しては、従来、系統立った方法論がありませんでした。高木助教授は、この分野において大変優れた方法論を編みだし、実際の多くの論理回路に通用して設計し、その提案回路が大変優れていることを実証しました。

すなわち、ソフトウェア開発においてはアルゴリズムの設計が重要であるのと同様、優れた専用回路を設計するには、ハードウェア向きの優れたアルゴリズムを設計することが重要であります。高木助教授は、この観点から「ハードウェアアルゴリズム」の研究をすすめ、素晴らしい成果をあげたものです。

回路設計では、ハードウェアの高速性を生かした高速計算、集積回路に適した規則正しい回路構造、演算動作中の誤り検出などの耐故障性が重要ですが、これらを考慮して新しいハードウェア向きのアルゴリズムが開発可能となる手法です。

具体的な例をあげると、乗算・除算・三角関数、ソーティング、論理型言語の基本操作である単一化など、基本的な種々の演算に対して、実用的な優れたハードウェアアルゴリズムを開発していますし、その他、高速計算を可能とする冗長符号化の理論、機能メモリなど集積化に適した回路構造、算術演算回路の耐故障設計手法など、幅広く優れた成果をあげています。

特に、乗算に対して内部表現に冗長2進表現を用いる手法の発明では、多くのメーカーの採用する所となり、マイクロプロセッサ、浮動小数点演算プロセッサ、ビデオ信号処理プロセッサなどに使われています。普通、回路の高速性と集積回路向きの特性は、相反するものですが、この回路では、双方を兼ね備えるという大変画期的な特性を備えています。

このように、高木助教授の開いた方法論は、従来、論理設計や回路設計のレベルでの工夫に重点が置かれていたのに対し、より高位のアルゴリズムレベルでの設計が重要であることを実証した大変独創的な研究で、高木助教授は、まさに、今後の重要な研究分野を開拓したといえるでしょう。

※所属名および役職は、受賞時のものです。