受賞者紹介
小野 輝男 (おの てるお)
1967年12月1日生まれ
京都大学 化学研究所 教授

1991年
京都大学理学部卒業
1993年
京都大学大学院理学研究科修士課程
化学専攻修了1996年
京都大学大学院理学研究科博士課程
化学専攻修了 博士(理学)取得1996年
日本学術振興会特別研究員
1997年
慶応義塾大学理工学部物理学科・助手
2000年
大阪大学基礎工学研究科・講師
2002年
大阪大学基礎工学研究科・助教授
2004年
京都大学化学研究所・教授
専門:
スピントロニクス
※所属先・役職は受賞当時のものです。
贈賞の理由
スピン分極電流を用いた磁化制御に関する研究
電子の持つ「電荷」と「スピン」の両自由度を利用する技術分野は、スピン(エレク)トロニクスと呼ばれ、その重要性が高まっている。小野輝男氏は、1995年頃から巨大磁気抵抗効果の研究に微細加工技術を導入し、それ以降、ナノスケールで加工された磁性体を中心に、電流と磁気モーメントの直接相互作用に関する独創的な研究を行ってきている。
小野氏らは、強磁性体を円盤状に加工した強磁性ドットにおいて、その磁気渦構造の磁気コアを磁気力顕微鏡(MFM)像として観察することに初めて成功した。さらに、交流電流と磁気コアの相互作用を詳細に調べ、磁気コアの共鳴励起現象を実験的に捉え、さらに電流による磁気コア反転現象の観察に成功した。また、サブミクロン幅の強磁性細線を作製し、細線中に形成された磁壁の挙動を明らかにする先駆的研究を推進し、特に、強磁性細線に電流を流すことにより、磁壁の移動を制御できることを直接的に示した。
以上のように、小野氏は、ナノ磁性体における電流による磁壁移動や磁気コア反転など、スピン分極電流による磁化制御の可能性を明らかにした。これらの業績は、次世代スピントロ二クスの基盤となるものであり、電流駆動による新しいデバイスの開発にもつながる成果であり、日本IBM科学賞にふさわしいと認められる。
授賞式での研究発表 [2008年11月26日] : Webcast(動画)
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