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RFIDタグによる店舗内動線分析

実在の店舗での実証実験で明らかになったこと?

『店舗内動線分析ソリューション』は、お客様の購買に至るプロセスを科学的に把握し、小売業・店舗の売上を向上するのに役立ちます。

このソリューションは、アクティブRFIDタグを使って収集した店舗内顧客動線データをPOSなどの売上データと突き合わせることにより、購入・非購入要因の分析を可能にするものです。さらに分析結果をマーケティングや販促、製品開発に活用することで、売上の向上を実現します。

正式サービスとしては2008年よりご提供の予定ですが、それに先立ち、ここでは、株式会社ユニバース(本社:青森県八戸市 三浦紘一社長,以下、ユニバース)でのスーパーマーケット店舗での実証実験の様子をご紹介しながら、ソリューションの概要とその有用性についてご説明したいと思います。


関連情報:プレスリリース
無線ICタグ(RFIDタグ)による『店舗内動線分析サービス』を発表

動線分析の必要性

小売業は、さまざま情報を集めながらも、顧客視点では十分に活用できていないのが現状です。POSや会員カードから、どのお客様がいつ、何を買ったのかわかりますし、インストアプロモーションや陳列の効果も売上の変化を調べれば確認することができます。しかし、それらの情報を今後にいかすためには、まだ情報が不足しています。お客様が購買に至った理由、逆に至らなかった理由を知る、あるいは講じた施策が最善であったのかを知るためには、さらに多くの情報と分析が必要なのです。

『店舗内動線分析ソリューション』は、お客様の購買に至るプロセスを科学的に把握し、小売業・店舗の売上を向上するのに役立ちます。来店したお客様がどのくらいの比率でカートを利用するか、カート利用者が特定売場にどのくらいの比率で寄りつくか、特定売り場寄りつき顧客の滞留比率はどのくらいか、滞留者のうちどのくらいの比率が購買に至るか、といったお客様のステージごとの割合を測定します。「カート利用」→「寄りつき」→「滞留・吟味」の数を向上させる要因を分析し導き出すことで、今後の売上向上のための施策を打ち出すことが可能になるのです。


図1. 来店者の購買行動の分解

図1.イメージ


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店舗内動線分析ソリューションの概要

『店舗内動線分析ソリューション』は、アクティブRFIDタグを利用した位置行動把握ソリューションであるATLAS(Asset Tracking Location Awareness & Safety:IBM ビジネスパートナーとIBMが開発した位置検出システム)を活用したサービスです。ATLASにより店舗内の顧客動線データを収集し、POSなどの売上データと突き合わせることで、購入・非購入要因を分析、推定します。もちろん分析結果、推定結果を、その後のマーケティングや販促、製品開発に活用することが目的となります。

従来も店頭の購買行動把握サービスのようなものはありましたが、それは調査員がお客様の動きを目視で記録する人手を介した労働集約型のもので、コストも高く、内容的にも限定されたものでした。調査するお客様の数、お客様の行動範囲などは限られてしまいますし、記録される時間帯、調査期間を長くするとコストが大きくなってしまうという問題点がありました。何よりも売場での行動観察が局所的になってしまう傾向がありました。

『店舗内動線分析ソリューション』は、そういった従来型の調査では実現が難しかった、「通路、商品ゾーンなど店舗内を幅広くカバーできる」という特長があります。また、「購買発生(POS)以前からのお客様の行動を観測することができる」ことから、購買者だけでなく、非購買者の行動も捉えることができるようになるのも大きな違いです。従来型の購買行動把握サービスをIT中心に変革し、迅速かつ効率的に提供することが可能なのがこのソリューションの最大の特長です。


図2. 店舗内動線分析の流れ

図2


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ユニバース店舗での動線取得実験

先日(2007年7月9日〜22日)、ユニバースのご協力により、『店舗内動線分析ソリューション』の実証実験を行うことができました。ここからは、その実証実験の模様や結果をもとに、ソリューションの具体的な部分についてご説明していきます。

ユニバースは、青森県を中心に40店舗のスーパーマーケットを展開する、東北地方では大手の小売業者です。40店舗中、14店舗がスーパー・スーパーマーケット(売場面積2,000平方メートル以上かつ年間売上高が25億円以上の大規模スーパーマーケット)で、生鮮品をはじめとした食品中心の商いを行っています。

今回の実証実験は、ユニバースの1つを実験店舗として、期間を2週間に限定して行われました。事前にアクティブRFIDタグ50個をカートに取り付け、RFIDタグからの情報をキャッチするアクセス・ポイント(アンテナ)9個を天井に設置、PCシステム側(ATLAS)には店舗マップを入力しておきます。実験が開始されてからは、開店時間(9時から23時)内のカート動線データを毎日蓄積し、それを分析します。なお今回、システムは2週間の実験期間中、1度もダウンすることなく稼働しました。

カートやカゴすべてではなく、今回は50台のカートについてタグを貼付しで実験を行いましたが、これはもちろん、全数にすることもできますし、カートとカゴに50個ずつ、といった運用も可能です。どのカート(RFIDタグ)が店内のどの位置にあるかはリアルタイムで確認することができ、また蓄積データを処理することで、ヒートマップ(滞留と移動のイメージ図)や売り場ゾーンごとの滞留時間や訪問率の情報を出力することが可能です。


図3. 売り場と商品に着目した特性分析出力の例

図3

今回は会員カードのデータもありましたので、年齢に着目した分析も行いました。お客様の年代によって商品ゾーンへの寄りつきにはどんな違いがあるか、という分析です。また、実験店舗には入り口が2つあるのですが、左側の入り口と右側の入り口でのお客様の購買行動の違いや顧客単価の違いも知ることができました。今回は、左側から入ったお客様のほうが顧客単価が高いという結果が出ましたが、事前に予想できたこととはいえ、動線のデータがなければ検証することも、さらにどのくらいの違いがあるのかもわからなかったはずです。

なお今回の実験では、カート動線データの可視化と分析手法の開発は、日本IBM東京基礎研究所が独自の分析技術を活用して行い、IBM ビジネスコンサルティング サービス株式会社が、その分析結果から実験店舗の課題を発掘、その課題に対する施策の設定を行いました。実験後ユニバースでは、この結果をもとに、より地域に密着した品揃えを推進しているとのことです。


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動線分析の活用範囲

小売業が顧客起点での経営、店舗運営を目指すなら、動線分析を通して顧客への理解を深める作業は不可欠といえるでしょう。『店舗内動線分析ソリューション』なら、店舗運営の課題を発掘し、その課題に対する施策を立案して効果測定を実施、さらに仮説を設定し検証するという一連の改善サイクルを実施することが容易になります。


図4. 動線分析と改善サイクル

図4

POSデータ、会員カードデータ、店舗モニタリングでは検証しきれない顧客の購買行動を定量的に分析し、その分析結果をもとに売上の拡大につながるさまざまな施策を科学的に効果検証しつつ推進することが、顧客起点経営を強く裏付けてくれることになるのです。


図5. 動線分析の活用範囲
図5
図5. 動線分析の活用範囲を拡大する


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 筆者紹介
永島 秀文の顔写真 IBM ビジネスコンサルティング サービス株式会社
CRM マーケティング インテリジェンス
マネージング コンサルタント

永島 秀文

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