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われわれはCPM(カテゴリー・プロフィット・マネジメント)によって、商品ライフサイクル管理の最適化、ローコスト・オペレーション、売り場を活性化するカテゴリー・マネジメントの実現を目指している。


昨今、CPFR(Collaborative Planning Forecasting and Replenishment)といわれるが、CPFRは販売を予測し、それに沿った商品の供給を行なっていくことである。供給された商品は、一番大きく利益が出る形で売り切るのが理想だ。この販売予測には、店舗と本部の情報共有化が不可欠だろう。特売などの情報が伝わらなければ、適正在庫の確保は不可能だからだ。
生産性の高い売り場を実現するためには、第1にカテゴリー売上利益最大化の経済性原則に基づいて、売り場全体を構成することだ。小売業は店に在庫を置いているため、在庫資金、店舗スペースが必要である。制約資源(商品など)投入に対して、どれだけ売り上げをもたらすかを示す「生産性指標」と、どれだけ利益をもたらすかを示す「利益生産性指標」によって商品を判断し、在庫構成を積み上げていくべきである。
第2に、自動発注システムの構築。自動発注を実現するためには、基準在庫を最適化し、精度の高い需要予測を行ない、設定した基準値に基づいて発注できるシステムが必要である。
第3に、カテゴリー資源配分を最適化する戦略計画手法の採用である。利益生産性指標に基づき、売上利益が最大のときに商品を売り切れば、最大の利益を得られるはずだ。CPMはこの考え方で一貫している。
第4に、コラボレーションのための情報インフラの構築である。販促情報を本部と店舗が共有していなければ、特売時に商品在庫を切らす恐れがある。情報の共有化なくして、適正在庫の確保はあり得ない。
第5に、商品ライフサイクル管理を最適化するための、意思決定を支援する仕組みの構築である。担当者の勘に頼るこれまでの方法ではなく、適正在庫を理論化し、自動発注システムに反映することが必要だ。
適正在庫とは、売場利益を最大化する「全体最適な」在庫数のことであり、個別商品の利益を最大化する在庫数のことではない。具体的には、ある商品の在庫を1つずつ増やしていくと、ある程度までは売れ、売り場の利益は増えていく。しかし商品需要は限られているため、ある程度のところから売り上げが横ばいになり、さらに増やせばコストがかさみ、逆に利益が下がっていく。
この横ばいになり始めるところの在庫数を「相対最適所要量」と言う。1つの商品の適正在庫を決めるには、ほかの商品との相対的な収益性を判断する必要がある。われわれはこれを理論化し、自動発注するシステムを構築した。現在、特許出願中である。
この相対最適所要量を変動させる要因として、需要リスクと取引リスクがある。需要リスクは、売れ方にばらつきがあり、在庫を多く持たなければならない商品に生じる在庫資産リスクである。取引リスクは、粗利の多い商品をより多く売ろうとして在庫を多く持つことで生じる在庫資産リスクである。これらのリスクも加味して、最適在庫を理論化しなければならない。



需要予測にまず必要なのは、価格、販促タイプおよび販促期間の弾力性の判断である。例えば洗剤は、通常単価のときと特売のときで売れ行きがまったく異なる。単価を下げた日数によっても売り上げが変動する。引き下げ単価と販促期間によって、的確な需要予測をしなければならない。また、平日よりも休日の方が客足は多く、店全体としてよく売れるため、休日前は在庫を多く補充する必要がある。これも弾力性要因である。
トレンド要因も重要である。新商品が投入され、売れ始めれば需要予測を増やし、落ちてくれば需要予測を減らす。また、ある季節のみ売れる商品もある。季節商品は、POS実績の直近値に基づいて需要予測を行なうことができる。
これらの要因を判断することによって、高度な需要予測を行なうことができるのである。それと同時に、予測モデルの最適化も必要になってくる。これには多くの場合、重回帰分析という手法が用いられる。注意しなければならないのは、不要な要因を取り込むと精度が著しく低下するという点。例えば、その商品の需要が気温という要因に無関係であるにもかかわらず、気温をつかった予測モデルを構築すると、需要予測の精度が著しく低下してしまう。
従って、需要を説明するファクターはなるべく少ない数で予測できるモデルをつくるのが望ましく、この予測変数を取捨選択できるアルゴリズムが必要になる。CPMでは、PSS(Prediction Sum of Square/予測平方和)という基準と分岐限定法というアルゴリズムを使って、商品ごとに適切な説明変数を自動的に取捨選択している。毎日夜間にデータを更新することで、予測モデルの精密化を図り、商品単位、日次での需要予測を行なっている。
さらに、欠品時のデータを取り込むと、売れる商品が売れない商品としてとらえられ、必要在庫量が減らされた結果として売れる商品の欠品を招く。また、客の依頼などで一時的に大量に売れた商品のデータも取り除いておかなければ、結果的に過剰在庫を持つこととなる。自動発注を行なうためには、異常検出ロジックを入れておくことが重要だ。
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