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2008年度 全米小売業協会(NRF)レポート

アメリカ小売業の新しい潮流とは

去る2008年1月13〜16日、アメリカ・ニューヨークのジャビッツセンターで、2008年全米小売業協会(National Retail Federation。以下、NRF)の年次大会が行われました。今年も出展社数は600を数え、多数のセッションのほか、14、15日の2日間は大規模な展示も行われました。ここでは、IBMの展示を中心にその様子をお伝えします。


IBMブースの展示――ショッピング・シナリオブース

IBMはこのNRF 2008の主要なスポンサー企業5社のひとつですが、IBMのブースでは「Turning Customers into Advocates(お客様を支持者に)」というメッセージが大きく打ち出されていました。これは、自分の店に来てくれるお客様を単なる買い物客ではなく、他の人にも自分たちを勧めてもらえるような支持者(ファン)になってもらう、という意味をもっています。

展示の中でも好評だったのが、ショッピング・シナリオに沿って組み立てられたデモでした。「VTeen」という架空のアパレル専門店を舞台に流行に敏感なティーンが洋服を購入するというシナリオと、「VTLiving」というやはり架空のインテリア専門店を舞台に男性が自分好みにカスタマイズしたホームシアターの購入を検討するというシナリオです。

例えば、VTeenでは、主人公が街で見かけたファッションが気になり、携帯電話で撮影するところからデモが始まります。友人とのチャットによるコミュニケーションや3Dインターネット上でのファッションショーなど、ティーンの購買行動を意識した内容になっています。また、小売業とメーカーが共同で、3Dインターネット上で商品開発を行うといったアイディアもご紹介されていました。


写真2:「VTLiving」では、商品を部屋に置いたイメージを3Dでシミュレーションすることができる。

「VTLiving」のイメージ画像を拡大する

また、VTLivingでは、オンラインでホームシアターのシミュレーションをしたり、ネット上のコミュニティで情報交換するというシーンから始まります。店舗を訪れた主人公には、事前にオンラインでサーチした情報にもとづきカスタマイズされた情報やサービスが提供され、スムーズにショッピングを進めることができます。また、購買前に商品を部屋に置いたイメージを3Dでシミュレーションすることができる新しいショッピング体験のデモも行われていました。

このようにマルチチャネルリテイリング時代のショッピングのあり方が感覚的に顧客視点でわかりやすく表現されていることが特長です。


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IBMブースの展示――店舗ソリューションブース

一方、店舗ソリューションブースでは省スペース型セルフチェックアウト・キオスクやリアルタイムのカメラ映像分析などが展示されていました。リアルタイムのカメラ映像分析は、不正防止やお客様の動線分析などに利用することが可能で、実際にブースでは来場者数のカウントをリアルタイムに表示するデモを行っていました。


写真3:特別展示された「Sensory Box」。ファッションショーの映像が3Dで映し出されるとともに、映像と連動した音や香りが流れる。

また、今回特別展示された「Sensory Box」は、人気を呼んでいました。これは、ブース内に設営された暗室の中でファッションショー映像を3Dで投影するものです。立体映像を楽しめると同時に、映像と連動した音、さらには4種類の「香り」が流れるのがポイントです。これは、イタリア・ミラノのデパートに展示され話題となったもので、お店にこられたお客様をいかに楽しませ店のファンにさせるかという思想が感じられるものでした。IBMはこのように様々なコンポーネントを統合的にお客様にご提案しています。


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セッションとワークショップ

期間中は、全部で60ものセッションやワークショップが行われ、スーパーセッションといわれる主要なセッションで今年のテーマとなったものには


  • 店舗ブランドの訴求
  • 複雑なビジネスデータ分析
  • お客様発のマーケティング
  • 顧客分析起点経営
  • 革新的な商品開発
  • 感性への訴求
  • 環境への配慮

等がありました。全体としては小売業をとりまく厳しい環境の中、お客様起点でどのようなことをしたらいいのか、お客様をもっと知るためにはどうしたらいいのかといった、お客様に目を向けた内容のセッションが多くありました。

IBMのスーパーセッションは、直近にIBMが発表したサーベイレポート「Why advocacy matters to retailers(なぜ支持者が小売業に影響を与えるか)」に沿った内容でした。グロッサリー、アパレル小売、カタログ通販、ドラッグストア、オンライン販売など20,000人の消費者へのサーベイをまとめたもので、お店にとって望ましい消費者というのは、そのお店のファン(Advocates)であることと結論付けています。そしてお店のファンになってもらう要因として、「品質」や「品揃え」は当然のこととして、ショッピングという行動そのものに小売業がどう対応してくれるかという「ショッピング体験」を重要視する消費者が多いと報告されていました。

同じIBMのスーパーセッションの中では、『ハイコンセプト』の著者として知られるダニエル・ピンク氏の講演もありました。内容はこれからの「右脳の時代」を迎え、商品のデザインやストーリーといった商品にまつわる周りの部分をいかに強化していくかが重要だというもので、小売業にとって示唆に富んだ内容となっていました。


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まとめ ― NRF 2008からみる小売業の世界的トレンド

今年のセッションや展示から感じられたトレンドとして、環境問題への対応や企業の社会的貢献への関心の高まりがあげられます。また、米国の市場環境を反映し、拡大路線を強調するのではなく、現在のお客様とどう関係を深めていくか、という方向に軸足が移っていることも感じられました。

オンライン店舗がバーチャルな体験をできる仕組みを整えるなど工夫を重ねている中で、実店舗に求められているものも改めて問われています。お客様との関係強化のためには、実店舗とオンライン店舗のそれぞれが特別な体験を提供しつつも、マルチチャネル統合されシームレスな商品・サービス提供が可能なしくみをいち早く整備することの必要性を印象深く感じた今回のNRFでした。


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関連情報

リテールテックJAPAN 2008 IBM 展示ブースのご案内

日本最大の流通業界向けイベント「リテールテック JAPAN 2008」が、来たる2008年3月4日(火曜日)から7日(金曜日)の4日間、東京ビッグサイトにて開催されます。
日本IBMでは「Innovation for Retail 〜 始めませんか、お店のファンを増やすために 〜」をテーマに、最新動向をふまえた小売業向けソリューションを、一堂に展示いたします。


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 筆者紹介
池田 孝子の顔写真 日本アイ・ビー・エム株式会社
流通事業推進 主任
マーケティング マネージメント スペシャリスト
池田 孝子




本記事中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

IBM、IBMロゴは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。

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