顧客のLoyaltyの形成
CRM(Customer Relationship Management)は顧客関係構築と訳されますが、「基本は顧客満足度の向上を図り、企業(営業)活動をより活性化する事」にあります。
B2Bで言えば、全ての顧客と関係構築を図りビジネス案件を創出・醸成する事でもあります。
売上増加の為には顧客の拡大と同時に、個々の顧客からより多くの案件(Opportunity)を見つけ出し、自社の製品・サービスの購買意欲に結びつける必要があります。
その為には、商品を売る(Product Out)のではなく、顧客の問題解決(Solution)を提案していく営業活動(Market In)が前提となります。
顧客満足がない所にはビジネスはありません。
日頃の関係度合い(Relation)が問われます。
従って、顧客を市場の一つと見るのではなく、Only Youの関係が求められます。
「決してOne of themであってはならないのです」
顧客は売る側の論理は求めていません。
自分の事を理解して、抱えている問題を解決して欲しいのです。
自分を知って欲しいのです。
顧客を理解し、最善のサービスを提供出来る企業が顧客の信頼を勝ち取り、顧客のLoyaltyを形成し、市場での覇者となりうるのです。
顧客の層別(Segmentation)
では、従来の営業活動はどうでしょう。
顧客と一緒に顧客の問題点・課題点を共有し、最善の提案を求められている事は理解していますが、「製品・サービスの多様化と顧客層の圧倒的多さ」がそれを阻害し、勢いカバー出来る顧客と提案出来るSolutionは限られてきます。
テリトリーの顧客をくまなくカバーする事は難しくなり、一部のいわゆる大得意先には足繁く訪問するが、取引量・取引金額の少ない企業には行かなくなり、その内に行けない、行きたくない顧客層が出てきます。
顧客カバレッジが大事とは判っていても、これが現実の姿であり、多くの顧客の離反が発生します。
そこで重要なのは、営業員が行けない顧客の離反を如何に防止して全ての顧客の満足度の維持向上を図るかという事です。
そこに、「顧客の層別(Segmentation)」の手法を取り入れる必要があります。
全ての顧客を対面型営業員で平等にカバーする考え方は諦めて、より重要な顧客にはより多くの対面型営業をアサインし、逆に従来、対面型営業が行けなかった層の顧客は電話・Web・e-メールで関係構築を図るようにします。
「これをテレカバレッジと言います」
この層の顧客は毎日対面型営業が訪問するのは期待していませんし、毎日来られても困ります。
定期的なコンタクトがあり、相談事等の用事がある時(On Demand)に情報を引き出す事が出来ればいいのです。
重要なのはSegmentationと層別のカバレッジ戦略・カバレッジ手段です。
そこにはおのずとビジネスに見合ったコストを考える必要があります。
顧客情報の共有
従来の営業活動を顧客関係構築の観点から見ますと、営業員個人の力量に依存していた部分が大半でした。
いわゆるトップセールス・スーパーセールスマンです。
彼らは、顧客の心を掴み、常にベストの提案をし続け、顧客の信頼を勝ち取ってきました。
しかし、企業が製品とサービスの多様化を図ると、新しいテクノロジー製品・サービス形態の全てを理解し、それらを顧客に提案する事が困難になり、企業からすると目に見えないロスが発生し始めます。
そこで、その部分を支援する専門職を置き、彼らが顧客に具体的な最善のSolutionを提案する事になります。
そうすると必然的に顧客情報を営業マンのカバンから取り出し、企業全社レベルで共有するデータベースの構築が必要となります。
「顧客情報の共有は会社情報だけではなく、コンタクト先の個人・案件の詳細・精度・コンタクト履歴も入れ、そうする事により、専門職への案件のバトンタッチもスムースにいきます」
同様にテレカバレッジで創出された案件情報も専門職、対面型営業の間で共有出来ます。
関係構築コスト
最後に、テレカバレッジの効率とコストについて考えてみましょう。
テレカバレッジは営業です。
決して無作為に電話をするのではなく、決められた顧客層(テリトリー)に電話を中心に関係構築を図り、Opportunityを創出、醸成します。
これは対面型営業と役割は100%同じです。
一方効率は10倍、担当顧客件数も10倍程度大きくなります。
従って、「顧客の維持コストは対面型に比べ10分の1」と考えられます。
顧客がWebによる情報収集で十分満足であるならば、そのコストは更に小さくなります。
こうしてみると、CRMは顧客満足の維持向上の為のチャネル戦略とも言えます。
次回は、カバレッジ・チャネル戦略等々、CRMを具体的に掘り下げたお話をしていきたいと思います。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
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