第1回 社長のHomePage 2008年7月11日
e-Comm代表である倉田 建治さんの趣味や皆さまへのメッセージを掲載するページです。
「大きな流れ」を意識することが、我々の器を大きくすると思います!!
最初の社長ホームページでのメッセージということで、仕事をする上で気にすべきことだと思っていることを書かせていただきます。
これは、Summer Academyで私がお話した「戦史・戦略とビジネス戦略」でも触れたことではありますが、より多くの皆さんとシェアしたいと思います。

まずある名言をご紹介いたします。
「天下は一人の天下にあらず、すなわち、天下の天下なり。
天下の利を同じくするものはすなわち天下を得、
天下の利をほしいままにするものは、すなわち天下を失う」
これは六韜(りくとう)という古代中国の兵法書にある言葉です。
紀元前11世紀という、恐ろしく古い時代のもので、著者は周の呂尚と言われています。
呂尚と聞いていも大半の人には、一体誰?という感じだと思いますが、いわゆる太公望です。
日本で釣りの好きな人を太公望と呼びますが、それは呂尚に関する逸話から来ています。
さて、それはともかく、いかがでしょうか、この言葉。
じっくりとかみしめてみてください。
私はよく、この言葉の中の「天下」を「マーケット」と読み替えてくださいと言っています。
すなわち…、
「マーケットは一人のマーケットにあらず、すなわち、マーケットのマーケットなり。
マーケットの利を同じくするものはすなわちマーケットを得、
マーケットの利をほしいままにするものは、すなわちマーケットを失う」
どうですか?
なるほど…という感じがちょっと増しませんか?

ビジネスをする会社、あるいは人には当然ながらそれぞれの意図や夢、そして欲望・野望があります。
しかし、マーケットには、我々がぼーっとしていると気が付かない、マーケットそのものを支配している「神の見えざる手」が存在しています。
マーケットで成功するためには、そのマーケット全体を支配する大きなメカニズムあるいはダイナミズムを感じ取り、それに合致したことを行わないと成功しません。
いかに素晴らしい製品やソリューションを持っていても、売り手のやり方がマーケット全体の意思に合致しなければ、短期的には成功しても、中長期的には敗北していくことになります。
これは企業体のみならず、ビジネスを行う我々一人一人にも言えると思います。
私は名言が好きなので、もうひとつ。
「政治家の仕事は、歴史を歩む神の足音に耳を傾け、
神が通り過ぎるときに、その裳裾(もすそ)をつかもうとすることだ」
これは、ドイツ第二帝国樹立の立役者、鉄血宰相として有名なオットー・フォン・ビスマルクの言葉です。
これも六韜の言葉と同じだと私は解釈しています。
つまり、大きな歴史の流れは、天才の宰相といえども所詮人間ごときが作ったり変えたりできるものではなく、我々がすべきことは、驚異的な集中力でその進むべき方向を嗅ぎ分け、裳裾をつかんで引っ張ってもらうことである、ということです。

世の中に戦略に関する本は、それこと数え切れないくらいあり、そこには星の数ほどの成功事例が記述され、そして成功するためのHow Toが解説されていますが、それをその通りに実践する企業や人が必ず成功するわけではないことは、我々は経験として知っています。
これも私がよくする話ですが、戦略はサイエンスかアートか?という命題があります。
戦略がサイエンスであれば、成功のための公式があり、その通りに実践すれば必ず同じ結果が得られるはずです。
しかしどうやら現時点の研究では戦略は依然アート(芸術というより「技」)の世界に存在するようです。
すると知識だけではなく、呂尚やビスマルクが、通常の人には見えない大きな流れを察知するような、天賦の才能が鍵となるのでしょう。
そして残念ながら我々の大半は、彼らのような天才ではありません。
しかし、天賦の才能が無くとも、このようなことが鍵だということを理解し、そして少しでも察知できるよう、感性を養うことはできると思います。
短期的な結果だけを要求されがちな今の時代において、このような「大きな流れ」を意識することが、我々の器を大きくすると思います。
