※インタビュー当時の所属。現在 : ITS事業部 第一SWTS p/x Series SW サービス
自己紹介
IBMを受けてみようと思った理由
就職活動にあたって、車いすで就ける仕事を模索していました。行動範囲に制限があるので、そのハンディを埋めるためにはコンピューターのスキルも必要だとは考えたんですが、日本IBMへの就職は考えていませんでした。しかしある日障がいを抱えている人のための就職セミナーに行った時に、たまたま日本IBMの人事のかたが講師として呼ばれていたんですね。スピーチの締めにその方は言われました。「障がい者の皆さん、積極的に日本IBMを受けに来てください。日本IBMは、やる気のあるかたならどなたにも門戸を開いてます」。その一言を聞いて、私は日本IBMの受験を決めました。
障がい者雇用が進んでいる会社、社員を大事にする会社、との印象を強く受けたからなんです。
また外資系企業ですから、福利厚生も他の会社よりよいと聞き、就職を希望しました。
面接では、一就職希望者、また一障がい者として、だいたい2つのことを強く話したつもりです。強いものだけが生き残るんじゃなくて、障がい者はもちろん一般の人も、老人も、異国の人も、いろいろな人が共存できる社会づくりに貢献して行きたいということ。また障がい者であるからこそ、社会に貢献したいという思いは人一倍強いはず。障がいを持つ者の就職希望の意志を尊重し、ぜひチャンスを与えて欲しい、と。後で聞くと、自分の事情や考え、それに希望を率直にお話ししたのが積極性と取られてよかったようですね。
日本IBMだけでなく、いろいろ人事の人と話してみたいという気持ちがあって、他の会社もいくつか受けてみました。面接担当者って、会社の「顔」じゃないですか。この機会に、その顔をたくさん見てみようと思ったんです。でも意外に、“障がい者”というのが先に立って“人間”を見てくれない会社が多かったように思います。先方にすれば、面接官として聞くべきことを聞いていただけなのかも知れませんが、実りある面接は多くなかったと憶えています。
逆に日本IBMで話した人事の方は、すごく勉強されていたし、いろいろなところで話をされていたらしく、信頼感を覚えました。自分の持っている問題点を一緒に考えて行こうと言ってくれたり。もちろん優しいだけの会社じゃなくて、甘えは許されない。けれども「障がい者だからって消極的になるんじゃないよ」、というエールは受け取ったような気がします。
当初はチャレンジくらいの気持ちだったんですが、ふたを開けてみると、一番自分に満足の行く話ができたのが日本IBMでしたね。
いくつか受けた会社の中で、そこまで就職、就業について一緒に考えてくれた会社はありませんでしたから。
実際に入社してみて
制度や設備の面は充実していますから、障がい者にとって比較的働きやすい環境にはあると思います。ただ、お客様先や、テナントとしてオフィスを借用している事業所など、環境が十分でない場所もあることを考えると、仕事や配属先をどこにでも求めることはできない、という限界はありますね。 また、会社としての理念や原則は整っているけれども…これは、まる3年仕事をしてきて、ようやく冷静に周りを見渡せるようになって思うことなんですが、中で働いている人がどのくらい障がい者に対して理解を示してくれるかは、やはり個人差があるのではないでしょうか。周囲の理解を求めるためには、障がい者自身が声を上げることも必要と考えています。日本IBMといえども、全社員が世間一般のかたと比べてずっと障がい者への理解が進んでいるということはないでしょうし、決して問題点がないわけではないと思います。そこで改善や改革を求めたい時には、自分の抱えている問題や悩みを克明にしないことには通じない。

川崎事業所 車いす用トイレ
枠内は入口のパネル 他のフロアの空き状況が確認できる
でも率直に話し、そこにしっかりした動機や理由があって、効率的な提案であれば受け入れられる会社だと私は信じています。
今はまず、周りの環境、周りの人の理解を求めることから始めよう、と思っています。仕事に慣れることと自分の健康管理に気を配ってきたもので、正直言ってこれからなんですけれどもね。パラリンピックの影響が大きいのでしょうか、ようやく障がいを抱えている人にフォーカスが当たりつつある時代です。社会全体がバリアフリーに向かっている今だからこそ、私個人も社内で改革できるところには率先して働きかけて行きたいですね。
これから入社を考える方たちへ
一番感じることは、就職活動のチャンスの少なさでしょうか。一般の学生さんでしたら、セミナーも少なからず開催されているでしょう。でも障がいを抱えていたら、そこに自分が行ってもいいものかという不安がまず先に立つかと思います。でも就職というのは、自分が挑戦する、あるいは自分をテストする場ですから、同じようにセミナーに参加しなくともいいと思うんですよ。
魅力を感じる会社があったら、直接そこの人事にどんどん電話したらいい。

川崎事業所 車いす用駐車場
こういう事情があるから一般のセミナーには参加できないが、どうしても行きたい、と。わかってくれる会社ならば、試験や受け入れ口の考慮はちゃんとしてくれると思いますよ。みんなと同じ行動をしても、伝えたいことはみんなと同じじゃないんですから。行動もちがったって構わないと思います。それに、就職活動を始める時に、やる前から諦めてしまわないこと。やるだけやってみよう、まず腰を上げてみようというのが第一歩だと思います。
あとは、自分が抱えている悩みや問題点を話した上で、これから何がしたい、この会社でどういうことをしたい、どういう資質があるのかについて、前向きに理解を求めることが必要ではないでしょうか。できないとかつらいとか言うばかりでは、認めてもらえません。
逆にもしつらいことがあれば、やはりおもてに出した方がいいと思います。そこは
恰好をつけたり、強がって無理をしたり、隠したりしてもしょうがない。
必要なのは周りの理解を得ることだと思います。
将来の目標、夢
現在僕は、アンサーライン・ソフトウェア・サポート部でIBM製UNIXであるAIX®周辺のバグ・サポートを担当しています。お客様先で発生した、OS やアプリケーションに関する問題の解決をお手伝いするリモート・サポート部門なんですが、かなり大変な仕事です。リモート・サービスということと、車いすではお客様先へ行くのは難しいことから、問題の共有や現場経験の蓄積が思うようにはできないという悩みもありますね。
そういうことを考えると、将来的には日本IBMの中でもっと自分を活かし、また先に申し上げたような小さくとも「声をあげる」ことのできる仕事、例えば人事部門などで働いてみたいという希望があります。自分が就職する時に見たような会社の「顔」のひとつとして、特に障がい者をサポートできるような、人と語らえるような仕事ができたらいいな、と思います。
(2001年2月2日・川崎事業所にて)

趣味のドライブで撮った写真
IBM, IBMロゴ, AIXは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。

1971年12月30日生まれ 血液型A型