※インタビュー当時の所属。現在 : アドバンスド・テクニカル・サポート ストレージ・システム技術
自己紹介
IBMを受けてみようと思った理由
就職活動にあたっては、やっぱり車いすというのがあって…。昔は進むなら営業系かな?と思っていたんですが、さすがに忙しく走り回るのは無理やろと。で、車いすになってから、家でパソコンを触り始めたら面白かったので、SEという職業に就けたらいいなと思うようになったんです。それで情報システム関連の会社をいくつか受けることにしました。
障がい者の就職活動って、狭い感じがしますよね。Webに障がい者雇用コーナーがあったり、よくなっては来たと思いますけど。そうしたWebを見たり、他にも興味ある会社にはエントリー・シートを出してみたりしたんです。でも、いろいろな企業がありましてね。書類選考に通過しましたっていう電話が来たので、「車いすなんですけど自家用車で行ってもいいですか」と言うと、「ちょっと待ってください…別の機会に連絡します」と言ったきり連絡が来なかったり、ということがあったんですよ。
ところが日本IBMの対応のしかたは、全然違ったんです。大阪の方の職安で、障がい者の就職サポートというような機関に申し込んでいたんですが、そこでの合同説明会の中に日本IBMがありました。僕は文系で、体育会系で(笑)、手に技術もないので、ダメでもともとって感じだったんですが、取りあえず面接を受けてみたんです。
そしたらすごく丁寧な対応をしていただいて、いい会社やなー、と思ったんですね。
それで就職試験を受けてみることにしたんです。
面接でアピールしたこと
筆記試験に受かったのがまず驚きでしたけど(笑)、続く面接でも、やっぱり勉強の話よりもスポーツの話が中心でしたね。アイス・ホッケーがとにかく好きなので、氷上でソリのようなもの(スレッジ)に乗ってするスレッジ・ホッケーという競技を続けていたんです。当時は長野と東京、北海道と3チームしかなくて、関西では僕一人だったんですね。ある時、長野のチームと一緒に練習させてもらったら、みんなあのパラリンピックの選手で、技術がもう全然違う。それですごく影響を受けて、それ以来長野まで週1回通うようになった。おかげで、車いすになった時に乗り始めたクルマの走行距離が、3年間で10万km。…面接でそういう話を「もうホッケーはいい」と言われるくらい話していたんですが(笑)、要は
とにかくやりたいことや目標にすることを、最後までやり遂げる自信はある、
っていうようなことですね。
障がいのことについてもしゃべりましたよ。僕の場合、昨日まで元気に走り回っていたのが、怪我でこうなってしまった。でも、なってしまったものはしょうがない、ここからどう頑張って行くかが問題だという意識を持っている、そんな話をしましたね。すごく精神論みたいな話ばっかりでしたけれども。
今は幕張事業所で働いています。大阪事業所での配属も可能だったようなんですが、どちらかと言うと親元から離れたい気持ちもあって、「幕張・大阪どこへでも行きます」と答えました。一人暮らしになる不安がなかったと言えば嘘になりますが、まあなんとかなるやろ、と。東京だとホッケーのチームも近くなるし、と(笑)。
人事のかたに後で聞くと、僕のチャレンジして失敗を恐れないっていうところが、採用のポイントの一つだったらしいですね。
明るく前向きで、どうにかなるやろう、ってところが。
会社の環境や設備
幕張事業所では、システム・マネジメント&ストレージ技術という部門でESS(エンタープライズ・ストレジ・サーバー)安定化タスクという仕事をしています。と言ってもまだ配属されたばかりなんですけど。製品をお客様に導入した後でエラーなどが起こった場合に、そのリカバリーのためにお客様の環境をこの幕張のマシン・ルームで再現して、どこが悪いのかを検証する仕事です。 就職試験や面接で行ったいくつかの会社と比べても、ここ幕張事業所の環境はすごく整っていると思います。通路の幅も広いし、オフィスの自分のブースも広く使わせてもらっているので、車いすでも不自由なく動くことができます。駐車場やトイレの設備なども、よく考えられているなあ、という感じがしました。

幕張事業所 車いす用駐車場
ほかの場所で研修やワークショップなどがあった時にも、車いすなのでクルマで行きます、と事前に伝えておけば、駐車スペースをキープしてくれたりという対応をしてくれるので、あまり問題を感じたことはないですね。 そういえば、大雪が降った時にはさすがに困りましたね。でも友達に頼んで泊めてもらったり、雪かきしてもらったり…いい同期がいるんで助かっています。
働く上での心構え
他の会社の話を聞くと、障がい者ということで会社側からとても簡単な仕事を割り当てられたり、ある程度楽ができるところもあるようです。でも日本IBMは違っていて健常者も障がい者も区別しません。だから、ホッケーの仲間からも「IBMかぁ、大変やなあ」と言われるんですよ(笑)。でも自分の障がいを説明して何ができる、何ができないというのを話した上で、
自分が何をしたいかをアピールすれば、何でも実現できる会社だと思います。
新卒内定者のページにある掲示板で少し話したことがあるんですが、例えば心臓疾患のかたがいらっしゃいます。僕みたいに車いすに乗っていたら一目でわかると思うんですけど、外からはわからない障がいのかたもいる。自分で話さなきゃならないのはしんどいと思うんですが、でも自分でちゃんと話して、今は何ができません、でも何ができます、何がやりたいです、っていう自己アピールをしていったらすごくいいと思います。

幕張事業所エレベーター
将来の目標、夢
またホッケーの話なんですけど(笑)、パラリンピックに出たいですね。次のソルトレークは厳しいかも知れませんが、2006年のトリノなら…。もちろんスポーツだけじゃなくて、仕事もちゃんとこなした上で、というのを目指しています。仕事はまだ、技術もないし全然できないんですけど、頑張って行きたいですね。
(2001年2月1日・幕張事業所にて)

1977年6月17日生まれ 血液型O型