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プロダクト・ライフサイクル・マネージメント(PLM)

導入事例

アスモ株式会社 様

CATIA V5による設計テンプレートを開発・活用し、設計効率化と性能・品質向上を実現

齊藤謙一氏CATIA V5のオープン性とナレッジウェアにより、設計のテンプレート化が簡単に実現し、業務の効率化と設計品質向上に貢献しました。

アスモ株式会社 視界機器技術部 第1技術室
担当部員 齊藤謙一氏

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ハイライト
設計プロセスの中で、設計者はモデルからのパラメータ抽出や解析ソフトとのデータ入出力などの手作業に時間を要し、設計品質向上に対する障壁となっていた。

データ操作関連の作業をCATIA V5を活用してテンプレート化、設計工数を減少させて本来の設計業務に集中し、製品の性能・品質を確保する。アスモ様事例画面

初めて使う設計者でも簡単に操作でき、開発・メンテナンスも容易に行うことができる。複数の設計者によるコンカレント開発が可能になり、設計工数を半減。






設計プロセスと解析プロセスとの連携により設計を効率化
アスモ株式会社(以下、アスモと略記)は、自動車用およびOA機器用等の小型モーター・システム製品の開発・製造・販売を主要業務とするメーカーです。特に、自動車用小型モーターでは世界トップシェア企業のひとつとして走り続けており、モーター単体ではパワーウィンドウモーターやブロワモーターなどが、機構部品を組み合わせたシステム製品では、ワイパーシステムやウォッシャーシステムなどが主要な製品となっています。
 アスモでは、2002年1月にCATIA V5を導入、視界機器技術部では他部門に先駆けて設計テンプレートを設計者自身が作成し、製品設計に活用しています。
 CATIA V5導入の主な理由のひとつとして、自動車業界におけるCATIA V5の導入実績があげられます。主な自動車メーカーの3次元CAD動向として、「2005年ごろにはCATIA V5が業界スタンダードになるだろう」との見方が強く、自動車メーカーを重要顧客とするアスモでは、この点を重視しました
 また、製品の開発・設計プロセスにおいて、標準化、高性能・高品質などの要件を満たす必要から、自動車メーカーとのコラボレーションが不可欠であり、メーカーの動向に常に注目することが重要です。今後、自動車の開発期間短縮はますます加速され、アスモでは現在の18ヶ月から3年後には6ヶ月程度になると予測しています。この短縮化に対応するために、従来、手作業で行っていたパラメータ抽出や解析ソフトとのデータ入出力などの作業を自動化することによる設計工数削減が急務であると判断しました。さらに次のような特徴に注目し、設計テンプレート化に最適ツールであるとの判断から、CATIA V5の導入が決定されました。

【設計テンプレート化に最適なCATIA V5の特徴】
1.容易な操作
 操作の習得に多大な工数を必要としない。
2.充実したアセンブリ機能
 短期間で操作スキルが上達する。
3.充実したナレッジ機能
 設計・機能要件を簡単に盛り込むことができる。
4.API(Application Programming Interface)が扱いやすいこと
 設計者自身が設計テンプレートを作成・メンテナンスできる。

 「特にCATIA V5は、基本的な操作で設計者が悩むことは少なく、スムーズにモデルを作成することができます。ユーザーフレンドリーで、初めて使うユーザーでも扱いやすい点を高く評価しています。」(アスモ株式会社 視界機器技術部 第1技術室 担当部員 齊藤謙一氏

簡単に操作・開発・メンテナンスできる設計テンプレート
ワイパーシステム製品はアーム、モーター、リンク部で構成されていますが、アスモではワイパーシステムのリンク部品の設計・解析プロセスについてCATIA V5によるテンプレート化を実現しました。テンプレート化により、さらなる納期短縮かつ性能・品質向上を図り、50%の工数削減達成を目標としました。
 当製品における従来の設計プロセスでは、設計者が作図し、自社開発のワイパー解析ソフトで予測解析を行い、性能と品質を確保しながら3次元設計においてモデリングならびに設計要件を盛り込み、試作検証回数を削減をしてきました。 そこで、ワイパー解析を核とした設計テンプレートを活用してコンカレント開発を行うという取り組みからプロジェクトがスタートされました。
 当テンプレートの機能には、構成部品の置き換え、構成部品のパラメータ設計、設計要件のチェック、ワイパー解析計算結果のモデルへの反映を盛り込むこととしました。
 テンプレート開発における最重要ポイントは、設計者自身が作成、メンテナンスできる「設計者によるテンプレート化」でした。その要件としては次の4点があります。
1.操作スキルに関係なく誰でも簡単に使用できるものにすること
2.設計要件、設計ノウハウを確実にテンプレートに盛り込むこと
3.設計者のニーズにリアルタイムに対応して要件の追加・修正が可能であること
4.設計者が作成・メンテナンスすることにより、開発・メンテナンスコストを軽減できるものであること
テンプレート化により、設計工数半減を達成
テンプレート化の構想が固まり、具体的な構築手法として、1.開発工数が少なく設計者のニーズにすぐに対応できる点、2.設計者が自分でメンテナンスできる使い勝手のよさ、3.自社開発のワイパー解析ソフトがそのまま活用できる点を考慮し、マクロによる構築を行うことにしました。
 「外部に作成を依託する場合、設計者のニーズを100%伝えることは困難であり、こちらの希望する機能・仕様を満たすものになるまでには多くの時間がかかります。また設計変更への柔軟かつ迅速な対応を実現するために、マクロによるテンプレート構築を決定しました。」(齊藤氏)。
 CATIA V5とワイパー解析アプリケーションとを連携し、解析結果をもとに自動的な設計処理を行うテンプレートにより、ワイパーシステムの設計において、当初の目標どおり設計工数の半減化を実現しました。
 製品によって多少の差異はありますが、従来手法によるワイパーシステム設計プロセスでは、メーカーの車体モデルからの要件抽出や、3次元CAD(ワイヤーフレーム)による形状作成、解析ソフトへの入力作業など手作業で2日程度かかっていました。CATIA V5によるテンプレート設計では、この作業は約15分で完了し、劇的な時間短縮を実現しています。これは、データの入出力や部品変更などをテンプレートで自動化し、手作業はパラメータ設計による寸法調整のみとなったためです。また当テンプレートには部品の設計手法のノウハウが埋め込まれており、一例としては、CATIA V5ナレッジ機能を利用して、解析結果から自動的に部品を選択する機能などがあります。
 設計プロセスには、設計要件のチェック→ワイパー解析実行など、一定の順序に従って処理すべき設計フェーズがあり、テンプレートもフェーズごとに操作を分割、各設計フェーズをメニューから選択できるようにしたため、操作性が大幅に向上しました。さらに、各フェーズの処理状況を簡単に確認できる、プロセスチェック機能を追加し、解析結果によるモデルの更新と設計要件のチェックが自動的に完了するようになっています。
 「設計者の経験と感性によるノウハウを取り込んで共有化することができるようになりました。さらに、マクロを利用したことにより、専門的な知識がなくても設計者自身が思い通りにテンプレートをつくり込み、操作性向上を追求することができます。その結果として、製品の品質向上やアイデア出しといった本来の設計業務により多くの時間を割けるようになりました。」(齊藤氏)。
 現在は、日常的に新しいテンプレートの作成や改善が行われています。

今後はCATIA V5によるテンプレートを他製品、他部門に展開
アスモでは、さらなる展開に向けて設計テンプレートをタイプの異なるワイパーシステムに転用するための試行が行われています。
 リンク部品の設計テンプレートが完成した後、様々なアイデアが提案され、設計プロセスには自動化できる部分がまだ多くあることがわかりました。今後さらに他部位についてもテンプレート作成と適用を進めていく計画です。マクロ機能の充実が向上すれば、CATIA V5はさらに効率的なテンプレート環境構築を実現する強力なツールとなると考えています。
 また、この取り組みはアスモ全社における設計プロセス変革実現へのチャレンジのひとつという側面になっています。3次元化が先行していた視界機器技術部が、社内展開の先駆けの役割を果たしました。CATIA V5の活用において、従来の2次元設計で十分業務が成立している部門では「習得が難しい」「2次元よりも設計に時間がかかる」などの理由で、3次元CADのメリットがなかなか理解されない傾向にありましたが、当テンプレートは、そのような部門の注目も集めています。「ある日、私の作業を後ろでじっと覗き込んでいた設計者が、2日後には自分でモデルを作成したというエピソードがあります。彼はCATIA V5に触るのは初めてでした。」(齊藤氏)。
 地道なリーダーシップのもと、CATIA V5は社内のメンバーに確実に理解されながら普及しています。 

企業概要
商号 :アスモ株式会社
設立 :1979年4月1日
取締役社長 :長良敏夫
資本金 :45億円
売上高 :1,550億円(2002年度)
従業員 :4,860名(2003年10月1日現在)
本社所在地 :静岡県湖西市梅田390番地
 URL http://www.asmo.co.jp/

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