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導入事例
高知県立高知東工業高等学校 様
CATIA V5を活用した機械設計教育への取り組み
大学や専門学校などの高等教育機関(いわゆるアカデミックサイト)においてCATIA V5を導入され、教育・研究に活用いただいているケースが増えております。このように裾野が広がる中、高校における専門教育で先進的な取り組みをされている工業高校があります。 今回は高知東工業高校でのCATIA V5導入事例をご紹介いたします。
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学校紹介
高知東工業高校は高知市の東側に隣接する南国市にあり機械系、電子・電気系の二つの基幹系列を中心に、機械科、機械生産システム科、電子科、電子機械科および理工学科の5学科を置き、高知県における専門高校の中心的役割を担っています。 設立から41年を経過しこれまで7,700名余りの卒業生が高知県内はもとより、国内外の産業界、経済界、教育界で活躍をしておられます。
高知東工業高校の特色は、生徒たちが「ものづくり」をとおして感動を味わうことができる教育を実践することにあり、授業だけでなく研究活動や部活動も通じて積極的に取り組んでおられます。
CATIA V5による機械設計の基礎教育
本校では機械科、機械生産システム科および電子機械化において授業の中でCATIA V5を活用し3次元CAD/CAMによる機械設計の基礎教育を行っています。 CAD実習室には42台のCATIA V5が導入されていて、1年生から3年生までそれぞれ週3回以上の授業の中で実習を通じ、基礎的なモデリング手法の学習からCAM等の応用実習にまで広く活用されています。 CATIA V5が導入されて1年数ヶ月しか経過していないことから、現時点においては学年毎による実習時間の差異はあるものの、今後は体系化されたカリキュラムの中で十分な実習経験を積み生徒の技能が着実に培われていくことを目指しています。
充実した実習環境
同校には工業高校としては最高水準の機械工作・加工のための実習設備が導入されています。
実習室を訪れてみてその充実した設備に驚かされました。 マシニングセンタが2セット、旋盤加工機2セット、ワイヤ放電加工機、射出成形機、形彫り放電加工機や大型のレーザー加工機がそれぞれ1セットずつ、そして3次元測定器も導入され、さらにそれらがネットワーク(LAN)を通じて接続されており、工業高校では類を見ないリモート操作により実際の加工機械を動かしての遠隔教育も可能となっています。 これら充実した実習教育環境によって、単にCATIA V5によるモデリング手法を机上で学習するだけに留めず、本校の方針・特色にもある「ものづくり」の実践に積極的に取り組んでいます。 授業中は勿論のこと、放課後の課外活動においてもこれら設備は解放されていて生徒達が積極的に利用できるようになっています。 レーザー加工機が自由に使える学校なんて、そう多くはありません。 こんな設備があったら日曜大工ももっと大規模にできるのに...うらやましい限りです。
CATIA V5による実習授業の様子
実習風景と生徒がCNCで作った置物(プリクラ写真立て)
地域に開かれた学校と実践的「ものづくり」
また同校では地元の企業との交流にも積極的に取り組んでいます。 特に機械生産システム学科では企業から実際の製品設計のテーマをいただき、生徒がCATIA V5を用いて設計を行い、それを製品化するという試みも既に行われています。 この取り組みは、未だ3次元による設計・開発を行っていない企業にとっては新たな技術手法の導入検討の一端を担い、また学校および生徒にとっては在学中により社会体験の機会が得られるものです。 さらに生徒にとっては自分達の成果が現実の製品に反映されることにより「ものづくり」の喜びも獲得することができる教育的効果が期待されています。
また課外活動においても生徒達の自主性を重んじた実践的「ものづくり」の教育が行われています。 その一例として高知市内およびその近郊を走る土佐電鉄の路面電車の模型を作り上げました。 生徒達が実際に電車に乗り込みスケッチをし、また何度となく車両車庫を訪れて細部に渡るまで調べ半年間もの時間を費やして完成させた電車模型は精巧そのもの。 あまりの素晴らしい出来栄えにそれをご覧になった土佐電鉄の社長が思わず涙してしまったというエピソードまであるほどです。 機構部分の設計・加工にはもちろんCATIA V5が用いられています。 実際に線路の上を走るこの模型電車、高知県内外の各種イベントにひっぱりだこの状態です。
この他にも毎年開催されるエコカーレースやロボット大会などにも参加し、若い情熱を燃やしています。
これらの実践的教育は着実にその実を結んでおり、本校機械生産システム科第1期卒業生の山本浩二さん(現在、株式会社デンソー勤務)が2002年技能五輪全国大会においてメカトロニクス部門で金賞に輝き、さらに2003年夏スイスで開催され世界大会でその実力をいかんなく発揮し、みごと銀賞に輝きました。
精巧につくられた土佐電鉄の模型電車
内装に至るまでリアルそのもの
模型電車製作やエコカーレースなど「ものづくり」の指導に情熱を注がれる黒岩先生
地元中学生も「ものづくり」体験
早い時期から体験を通じてものづくりの楽しさを理解してもらうため、夏休み中などには高知県内の中学生を対象にした体験学習も開催し、本校生徒の皆さんがその指導にあたっています。
ちょうど取材に伺った時にも中学生を対象にミニ発電機を組み立てる体験学習会が行われていました。 部品はCATIA V5で設計し、レーザー加工機などを使ってすべて手作り。 まるでアルミ製のプラモデルみたいに良く出来ています。 これまでにもレーザー加工機を使って日本地図を切り抜き、ジグソーパズルを作ったりしてみたこともあるそうです。 勉強の中にそんな遊び心も必要です。
今後の取り組み
校長先生をはじめ諸先生方は「工業高校教育における3次元CAD/CAMシステムの導入とその立ち上げの第一段階を通過したところ」と自らを評価しておられます。 今後は3年間をとおしての講義・実習カリキュラムのさらなる拡充をはかるとともに、生徒への目標および学習へのモチベーションを提供することが重要な課題であると考えておられます。 そこで注目されているのはCATIA認定技術者制度「CATIA Certified Professional」プログラム(略称CCP)です。 この資格は生徒には少しハードルが高いのではないかとの懸念も一部にはあるようですが、資格は指標であり、生徒が社会において評価されるような指標となる意義ある資格を取得できるよう学校としてはサポートしていきたいと、校長先生は力強く語っておられます。
ただし試験の受験料が高校生にとっては高い設定となっているため、生徒・学生を対象としたアカデミック特別受験料の設定が早急に望まれているとのコメントもあります。(※ダッソー・システムズ社において企画中)
また全国の工業高校では生徒の目標、学習意欲の向上をはかるため「ジュニアマイスター制度」(全国工業高校長協会主宰)に積極的に取り組んでいます。 この制度は各種免許・資格・検定を難易度により点数化し、生徒が取得した免許・資格等により点数が加算され、その合計点数の達成により「シルバーマイスター」および「ゴールドマイスター」として認定されるものです。 現在ダッソー・システムズでは高知東工業高校のご協力を得てCCP資格をジュニアマイスター制度の対象資格と扱っていただくよう働きかけを行っています。 これによりCATIA V5による3次元CAD/CAMの利用技術を習得することへの動機付けが高まり、工業高校における教育環境整備のお手伝いができるものと考えております。
またこれらの資格取得を推進するとともに、生徒の企業における実習研修や技術テーマのご提供など、企業との交流も幅広く取り組んでいきたいとのことです。
今回の取材を快諾いただきました平田校長先生をはじめ、ご説明くださいました先生方にお礼申し上げます。 ありがとうございました。
高知県立高知東工業高等学校
〒783-0006
高知県南国市篠原1590番地
TEL 088(863)2188
取材協力:ダッソー・システムズ株式会社
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