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4.0 IBMのビジネスを行うにあたって

ビジネス・コンダクト・ガイドライン

社員は、IBMのビジネスを行うすべての場合において、その立場が売手としてであれ、買手としてであれ、あるいはその他の立場であれ、倫理と法律に従わなければなりません。

現在IBMは、IBMが認定したビジネス・パートナー、アライアンス・カンパニー、OEM取引先など他の会社や団体とさまざまな取引関係を持っています。取引の相手がだれであろうと、あるいはIBMとどのような取引関係であろうと、以下に述べる一般基準に従わなければなりません。

4.1 誤解されるような言動を避けること

誰に対してであれ、誤解を与えるような言動あるいは不誠実な発言をしてはいけません。相手が誤解していると思われる場合は、ただちにその誤解を解くべきです。明解なコミュニケーションを心がけ、率直であることは、倫理的行動に欠かせないものです。こうして得られる信頼こそが、健全で、永続的な関係を築き、維持するために不可欠です。

4.2 購買取引先との関係

複数の取引先の中から購入先を選定する場合は、諸条件を公平に比較、評価し、最適な取引先を決定します。社員が、購買部門にいる場合であれ、営業所その他の部門にいる場合であれ、また、大量の部品を購入する場合でも、少量の部品を購入する場合でも、あるいは小規模な修理の契約やその他の業務を委託する場合であれ、同様な手順を踏んで公平に選定をしなければなりません。

取引先の評価や選定に関する意思決定に、立場上影響力を持っているかどうかにかかわりなく、あなたは、特定の取引先に「特別な待遇」を与えるよう影響力を行使したり、行使しようとしてはいけません。たとえ外観上そう見えるだけでも、IBMの購買手続きの公正性を傷つけるおそれがあります。IBMは、競合評価の手続きに従って、最適な取引先を選定しています。取引先から提出された価格その他の情報およびそれらの情報についてのIBMの評価結果は、IBMの機密情報として取扱います。社員および元IBM社員は、マネジメントから許可を得ない限り、このような情報をIBM外で使用することはできません。重要なことは、IBMから受注しようと競争している取引先の間で、IBMは、公正に選定手続きを運用していると信頼されることです。

4.2.1 互恵取引を避けること


互恵取引は、IBMポリシーに反するものであり、また同時に、法律違反になることもあります。取引先の物品またはサービスの購入を決定するにあたって、IBMの物品またはサービスを取引先も購入することが条件であると言ってはいけません。

このことは、IBMのお客様は、IBMの購買取引先にはなれないとか、あるいはIBMは、購買取引先の選定評価を行っているときは、その相手方との他の取引は一切考慮できないということではありません。単純にいうと、IBMがある購買取引先から物品やサービスの購入をするかどうかは、その購買取引先がIBM製品やサービスを購入するかどうかの決定と切り離して、別々に決定しなければならないということです。

4.3 市場における競争

IBMは、積極的に市場競争に参加します。状況により価格やサービスの条件を変える必要が生じたとき、あなたは、変更につき、適切なレベルのマネジメントから特別に承認を得なければなりません。事前に承認を得ない限り、どのようなお客様に対しても、サービスや契約の条件を変更してはいけません。

社員が、販売やサービス活動に携わるときは、積極的かつ効果的に競争することをIBMは求めますが、同時に、倫理と法律に従って競争することも求めています。

4.3.1 競争会社について虚偽または誤解を招く表現を避けること


IBMは、製品やサービスは、それ自身の長所により販売し、提供することをポリシーとしています。競争会社やその製品・サービスについて、虚偽のことや誤解を招くことを口にしたり、当てこすりをすることは、正しくありません。そのような行為は、お客様からは軽蔑され、競争会社からは苦情を招くだけです。

競争会社やその製品・サービスと比較をする場合は、事実により裏付けられていること、また、比較した時点において、完全で、正確で、しかも誤解を招くものでないことを確認してください。国によっては、比較広告を禁止しています。この問題については、IBMの弁護士に相談してください。

4.3.2 競争会社の受注と競合する販売活動


競争会社が、すでに確定注文 (法律上履行を強制できる契約) を、その製品やサービスについてお客様から得ている場合、競争会社の製品が導入されるまで、あるいはサービスが提供されるまで、または確定注文が取り消しにならない限り、競合するIBM製品やサービスの販売活動をしないことをIBMのプラクティスとしています。

「確定注文」とは何でしょうか。レター・オブ・インテント、無料試用、条件付き合意その他これに類する取り決めは、通常確定注文とはみなされません。無条件で成立している契約は、確定注文です。一般的にいって、確定注文がない場合は、そのお客様に販売活動を行うことができます。しかし、この問題は、複雑であるため、確定注文が実際にあるのかないのか、その見極めが難しいことがよくあります。状況がはっきりしないときは、IBMの弁護士に相談してください。

4.4 他の企業との取引関係

他の企業が、IBMと多面的な取引関係を持つことがしばしばあります。特約店が、エンド・ユーザーでもあり、競争会社であることもあります。他の企業が、IBMの購買取引先であると同時に、IBMのお客様であることもあります。購買取引先であり、競争会社であり、特約店であり、IBM製品のエンド・ユーザーでもある企業も、少数ですがあります。また、IBMは、この業界に次々と現れるその他さまざまな種類の企業とも取引関係があります。例えば、リース会社、ソフトウェア会社、銀行その他金融機関、OEM取引先、保守会社、システムズ・インテグレーター、独立系プログラマー、その他IBMと競合し、あるいは購買または販売面で関係する企業があります。取引関係がなんであれ、重要なことは、多面的な関係の各々の性質をよく理解し、それに応じて行動することです。

4.4.1 補完的第三者


IBMは、IBMビジネス・パートナーや協力会社のような補完的第三者とさまざまな取引関係を結び、その協力を得てIBMのソリューションを販売し、導入しています。職務上このような第三者と接触する場合は、セールス、マーケティング、サービスの各ガイドラインに従い、取引関係に応じて、適切な行動をとらなければなりません。このような第三者の中には、補完的な製品・サービスを提供する以外に、IBMと競合する製品・サービスの販売活動もしている企業があります。そのような状況が生じた場合は、十分に注意し、競争会社との関係に適用されるガイドラインに従わなければなりません。

4.4.2 競争会社との業務上の接触


購買取引先またはお客様として接している会社が、IBMの競争会社でもある場合は、状況を見分けることが重要です。このような関係においては、特別の注意が必要です。社員が、時には競争会社と業界あるいは同業者団体の会議に出席し、話をすることは避けられません。このような接触の多くは、所定の手続きに従う限り、まったく問題ありません。問題のない接触の例としては、同業他社への売り込みや同業他社からの購入、マネジメントの承認を得て共同入札に参加すること、ビジネスショウや標準化委員会、業界団体への参加などが挙げられます。しかし、このような接触も慎重に行うべきです。疑問がある場合には、IBMの弁護士に相談してください。

4.4.3 禁止事項


競争会社と接触するすべての場合において、価格計画、契約条件、原価、在庫、営業・製品計画、市場調査・分析、生産計画・能力およびその他機密情報はもとより、専有情報については、一切話題にしてはいけません。

このような事項について競争会社と話し合ったり、協力することは、違法となる場合があります。もしも競争会社がこのような事項を話題にあげた場合は、たとえ軽い気持で、あるいは悪気がないように見える場合でも、即座に異議を唱え、会話を中止し、このような事項については一切議論するつもりがないことを、競争会社に告げなければなりません。また、必要ならば、退席すべきです。

一言で言えば、競争会社との間で違法となるおそれのある行為に、自分自身とIBMが巻き込まれるのを避けること、つまり話の内容を、明らかに合法的で、しかも適切なものに限ることです。最後に、禁止事項にふれる出来事はすべて、ただちにIBMの弁護士に報告してください。

4.5 情報の収集と利用

4.5.1 情報の利用


事業活動の過程で、競争会社のほか、多数の企業について情報を集めることは珍しくありません。これは正常な事業活動であり、そのこと自体は倫理に反することではありません。事実、IBMでも信用を供与する場合や購買取引先を評価する場合など、目的に応じ、正当な方法で情報を収集しています。また、競争会社についてもさまざまな情報源から合法的に情報を収集し、IBMの製品・サービスや販売方法との比較評価を行っています。このような情報収集活動は、競争社会においては当然であり、また必要でもあります。しかしながら、情報を収集し、利用する手段には限度があります。特に競争会社の情報についてはそうです。いかなる企業も、不正な手段を使って競争会社の営業秘密その他の機密情報を取得するべきではありません。侵入、押込み、盗聴、贈賄、窃盗などの不法行為は、あきらかに不正な手段です。競争会社の機密情報を入手しようと企て、その社員を引き抜くことも、同じく不正な手段です。競争会社の社員やIBMのお客様を不当にそそのかして機密資料を手に入れるような行為も誤りです。どんな形であれ、IBMは疑問のある情報収集活動は決して許しません。

他社についての情報は、注意して慎重に取り扱わなければなりません。そのような情報にはしばしば個人に関するものが含まれています。当然のことですが、他社にとって、自社の評判、社員のプライバシーは重大な関心事です。

他社についての情報および個人情報を扱う際は、業務上知る必要のあるIBM社員に限定し、適切な目的・方法で取り扱わなければなりません。これらの情報を提供する場合でも、必要がない限り、社名や氏名など身分を明かすものは伏せるべきです。また、開示する必要がなければ、一般化した形か、その他の方法で情報を提供するべきです。

4.5.2 他人の個人情報の収集と利用


IBM社員、消費者、お客様やビジネス・パートナー、購買取引先の社員も、同様にそれぞれのプライバシーに注意をはらっています。IBMは他社の個人情報についてのプライバシーを守る姿勢を維持します。IBMではこれら個人情報の収集、利用、提供、取り扱いは、関係する法律、契約上のコミットメント、さらにIBMのe-mailガイドを含むIBMのプライバシーポリシーやガイドラインに基づいてのみおこなわれます。

業務上、IBM社員、消費者、お客様やビジネス・パートナー、購買取引先の社員の個人情報を入手する機会があるでしょう。そのような情報は、マネジメントの指示、またはIBMのポリシー、ガイドラインに沿って、業務を遂行する上に必要な範囲に使用をとどめるべきです。個人情報は不適切に使用や修正してはなりません。また、入手するための正式な許可を受けていない人に開示してはいけません。万が一、個人情報の紛失や盗難の可能性があるときは、直ちにセキュリティ事件・事故報告のガイドと手順に従って、セキュリティセンター経由で法務、チーフ・プライバシー・オフィサーに報告しなければなりません。

4.6 他人の所有する情報

IBMと同様に、他の企業も、また個人も、保護したい機密情報その他の知的財産を所有しています。これらの企業や個人が、一定の目的で、その専有情報を他人に開示し、使用を認めることがあります。他人の専有情報を受け取る場合は、IBMが情報を不正に流用した、あるいは乱用したという非難を受けないよう十分注意を払わなければなりません。

4.6.1 機密情報または使用制限付情報の受領


IBMが、他人の機密情報または使用制限付情報を不正に流用したとか、乱用したという非難を受ける危険を避けるためには、そのような情報を受け取る前に踏むべき手続きがあります。機密情報または使用制限付情報は、(口頭であれ、視覚的手段であれ、あるいは文書であれ)、まずIBMの弁護士の承認した契約書により、その使用条件について相手方と正式に合意しない限り、受領してはいけません。さらに、他人の機密情報または使用制限付情報を受領するにあたっては、権限委譲がされている場合を除き、担当部門の役員の承認も得なければなりません。他人の機密情報または使用制限付情報は、いったん手続きを踏んで正当に受領したならば、その利用、複製、配布または取り扱いは、契約書の条件に従って行う場合を除き、一切行ってはいけません。

いずれにしても、情報の性質を勝手に判断してはいけません。あなたの手元にある情報が、第三者の機密情報であるか、あるいは使用上の制限が付いていると考えた場合は、ただちにIBMの弁護士に相談してください。

4.6.2 ソフトウェアの取得


ソフトウェア、データ、コンテンツをIBMの業務上使用するワークステーションで適切に適正に使用・管理することは、すべてのIBM社員の責任です。ソフトウェアを取得する場合は、特に注意が必要です。知的財産の一つとして、ソフトウェアは、著作権により保護されており、さらに特許権または営業秘密に関する法律、その他の法律によっても保護されていることがあります。ソフトウェアには、「ベータ版」や完成版のコンピュータ・プログラム、データベース、関連のドキュメンテーションなどを含みます。ソフトウェアは、DVD、CD-ROMやディスケット等の固定媒体に入っている場合もあり、ネットワークを通じてアクセスできる電子掲示板やデータベース、Webサイトに入っている場合もあります。ライセンス契約の取引条件、例えばソフトウェアの複製や配布またはソフトウェアの取り込みは一台の機械に限るなどの条項、は厳重に守らなければなりません。どのような入手先からであれ、IBM支給のコンピュータ、またはIBM業務使用のコンピュータにソフトウェアを取り込む場合、IBM以外のネットワークからソフトウェアやデータを取り込む、IBM社内外にソフトウェアを配布する場合、またはライセンス契約に合意する場合は、所属するビジネスユニットか、IT企画(BT/IT)が定めるガイドに従わなくてはなりません。不明点があれば、所属長に確認し、場合によってはIBMの弁護士に相談してください。

4.7 商標の使用

IBMも、他社の多くも、文字、名称、記号、図形などの商標を所有し、自社の製品と他社の製品とを区別するために用いています。商標には、特許庁に登録しているものもあれば、登録していないものもあります。例えば、「IBM」というブロック文字と8本のストライプの入ったIBMロゴは、IBMコーポレーションの登録商標で、「R」により登録の表示をしています。登録していないIBMの商標もあります。例えば、MVSです。商標で未登録のものには、「TM」の表示を付しています。その他、商標の指定方法は、国により異なる場合があります。
すべての国において、IBMの商標はもとより、他社の商標も、正しく認識し、使用することが重要です。特に商標は、必ず文字を正しくつづり、商標権者が表記している方法通りに表記するよう注意してください。また、商標は、一般名称の一つとして使用してはいけません。使用する場合は、形容詞として使用してください。例えば、「WebSphere」ではなく「WebSphere ソフトウェア」が正しい言い方です。さらに出版物の中に商標を記述するときは、最初に記述する個所で、IBMの商標であるとの表示をしなければなりません。

商標の適切な使用について疑問がある場合は、知的財産担当に相談してください。

4.8 賄賂、贈物および接待

企業が提供する贈物は、千差万別です。通常社員が贈ることも、受け取ることも許されている安価な宣伝用品から、議論の余地なく許されない賄賂まで、その種類はさまざまです。

贈物には、物品ばかりでなく、サービスとか、プレミアム、割引などもあります。

贈物の授受やビジネス上の接待に関するIBMの一般的ガイドラインを以下に述べます。このガイドラインでは、上級管理職は法律や相手方の内規により禁じられていない限り、より高額の贈物の授受やビジネス上の接待についても承認することができます。

4.8.1 ビジネス上の接待


マネジメントの承認があれば、食事や接待といったビジネス上の慣習的儀礼を行ったり、受けたりすることができます。ただし、その費用が妥当なもので、しかも法律やお客様、ビジネス・パートナー、取引先の内規により禁止されていない場合に限ります。例えば、IBMも含めて、企業がお客様に研修の場を設けたり、お客様の役員向けに説明会を開いたりすることがよくあります。マネジメントの承認がある場合には、このような活動に関連して、送迎にIBMや購買取引先の手配した車を利用したり、食事や宿泊などのサービスを提供したり、受けたりすることは差し支えありません。

4.8.2 贈物を受ける場合


社員は、その家族も含め、IBMとの取引関係に影響する、あるいは影響すると見られるおそれのあるような立場にあるお客様、ビジネス・パートナー、取引先に金銭や贈物を求めたり、受け取ってはいけません。ただし、IBMが特に禁じない限り、運輸会社、ホテル、レンタカー会社、レストランなどの提供する販売促進のためのプレミアムや割引で、個人会員向けのボーナス・プログラムに基づくものや、一般に旅行者に提供されているものは、受け取っても差し支えありません。また、宣伝用品のように、安価な贈物で、お客様、ビジネス・パートナー、取引先から、IBMと同様の関係にある他の企業にも、慣例として提供されているものを受け取ることも差し支えありません。具体的な場合に疑問が生じたときは、所属長に相談してください。

贈物を提供された場合、その贈物が高価なものであったり、普通の関係では贈られないものである場合、あるいは金銭の場合は、家に届けられたものであれ、職場に届けられたものであれ、すぐ所属長に報告してください。所属長は、受け取った物を、返却または処分するなど、適宜な処置をとります。そして、贈物をした購買取引先やお客様に対しては、IBMの贈物に関するポリシーをあらためて説明します。

4.8.3 紹介料


IBMの承認を得れば、社員は、IBMが認定した再販業者や協力会社、あるいは独立系ソフトウェア会社、金融機関のような他社を、お客様に紹介することができます。ただし、IBM社員は、そのような場合、IBM以外から、謝礼、手数料その他の報酬を一切受けてはいけません。

4.8.4 贈物をする場合


社員は、相手方とIBMとの取引関係に影響する、あるいは影響すると見られるおそれのあるような立場にある、お客様、ビジネス・パートナー、取引先、その他いかなる組織体であろうとその役員、職員、社員に、金銭や贈物を贈ってはいけません。ただし、IBM宣伝用品のような安価な贈物は、法律あるいはお客様の内規により禁じられていない限り、贈っても差し支えありません。

4.8.5 官公庁の職員との関係


民間企業の間では一般的に認められている慣行、例えば、教育、送迎、飲食、接待その他金銭的価値のあるものの提供などは、官公庁の職員や官公庁の代理人として行動する人達との取引関係においてはまったく認められません。しかも、自国や外国の法令に違反する場合すらあります。社員は、ビジネスを行うすべての国で官公庁職員とお客様、調達先との取引に関連する法規をよく承知し、遵守しなければなりません。日本IBMでは、国家公務員倫理法および同規定の施行(2000年4月)に伴い、更により高次元の倫理規定として、すべての国家公務員及び国家公務員に準ずる方を対象にしたIBM社員の対応について定めていますので、これを遵守してください。詳しくは、『国家公務員倫理法施行にともなう日本アイ・ビー・エム社員の行動規範』に記載されています。判断に迷うときは、渉外またはIBMの弁護士に相談してください。

官公庁の役職員に贈物をすることが、IBMとの取引に関連があると解釈されるような場合は、金品を贈ってはいけません。そのような行為は、多くの国で、法律により禁じられています。例えば、米国の外国腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act、FCPA) では、金銭あるいは金銭的価値のあるものを外国政府の役職員に贈って、自社や関係会社と政府との取引を援助してもらう行為は、直接会社が行った場合であれ、会社を代理する仲介者を通して間接的に行った場合であれ、犯罪とみなしています。外国の公務員、政党、または公職の候補者に金銭や物を提供する場合は、たとえそのような提供がその国において普通におこなわれている場合でもIBMの弁護士の事前承認を受けなければなりません。外国の公務員には、政府が所有する企業、大学、その他の組織の役職員が含まれるとFCPAが定めていることにも留意してください。政府の組織であるか否かについて迷ったときは、IBMの弁護士に照会してください。

国によっては特別の場合に、お客様その他の人に贈物をする慣習があります。そのような場合は、事前にマネジメントの承認を得れば、贈物をしても差し支えありません。贈物といっても、法に触れないもので、その場にふさわしく、しかも高価でないものです。ただし、特別な取扱いを求めていると第三者から解釈されない場合に限ります。判断に迷う場合はIBMの弁護士に相談してください。

さらに、官公庁の現役もしくは元職員またはその家族をIBMが雇用するに際しては、法的、倫理的規制が課せられていることがあります。そのような人を雇用しようとする場合は、その話がでただけの段階であっても、事前にIBMマネジメントおよびIBMの弁護士に相談してください。

4.8.6 公務員によるキャンペーン訪問、 講演と謝礼


公務員が政治目的ではなく、IBMの製品、プログラム、公的問題に対する姿勢などをより良く理解することを目的にIBMを訪問することは歓迎されます。しかし、その公務員が候補者となっている選挙期間中は訪問を許可すべきではありません。IBM施設内での政治活動は許されていません。例外事項はすべて政策渉外の承認が必要です。

同様に、公務員や候補者、著名な元公務員からIBMの行事での講演を希望してきたり、あるいは彼らを講演に招くことがあります。IBMは通常講演料や交通費をお支払いしません。なぜなら、いろいろな面でそのような支払いが違法となることがあるからです。講演を依頼する前に政策渉外とIBMの弁護士の承認を得なければなりません。

4.9 法の遵守

IBMは、その事業活動に適用される法律と規則はすべて遵守することをポリシーとしています。IBMのビジネスを行ううえで、さまざまな法律上の問題に出会うことがあります。次に述べる法律を守ることはもちろんとして、法律や規則について不明な点があれば、IBMの弁護士に問い合わせてください。

4.9.1 競争


IBMが事業活動を行っているほとんどの先進工業国には、競争に関する法律があります。競争法は、反トラスト法とか、独占禁止法、不正競争防止法、反カルテル法と呼ばれていますが、市場の競争機能が阻害されることを防止することを目的としています。この法律の目的は、主として経済的なものですが、その効果は、消費者の利益にとどまらず、しばしば個人の自由を含め、その他の社会的価値を保護することにまで及んでいます。

これらの法律によれば、他社とは、他社の特約店や再販業者も含め、たとえ非公式なものであっても、価格協定、顧客割当協定、販売地域分割協定などのように競争制度の機能を不当に害するような合意をすることはできません。

他社と協定を結ばなくとも、競争法違反になる場合があります。例えば、市場を不法に独占したり、あるいは独占しようと試みたり、優越的地位を違法に乱用したりする場合です。

IBMは、世界中すべての国において、競争法を完全に遵守することをポリシーとしています。「ビジネス・コンダクト・ガイドライン」 を守り、競争法に関する法的問題に関心を持ち、問題があれば法務・知的財産担当に相談することにより、競争法の遵守が徹底されるよう、あなたの協力をお願いします。

4.9.2 輸出


IBMは世界のほとんどの国と関係ある真のグローバル企業です。すべてのIBM製品、およびこれらの設計、製造・使用に関連する技術データ、さらには製品やサービスの使用にいたるIBMのテクノロジーは、日本米国その他の国の輸出関連法規の規制を受けています。IBMが製品や技術資料を米国または各国から輸出、再輸出、あるいは船積みする場合には事前に、日本政府、米国政府その他関係国の許認可を得なければなりません。

あなたの行為が輸出とみなされる場合があり得るので注意が必要です。輸出法はすべての国際的な取引に適用され、これには各国IBM間の取引、自国内の他国籍者への提供、お客様、購買取引先、OEM取引先との国内取引、またビジネス・パートナー、関連企業、代理店を通じて出荷やサービスの提供をする場合も含まれます。すなわち、IBMが関与するハードウェア、部品、ソフトウェア、技術データや技術支援を米国または各国から輸出、再輸出、提供する行為はすべて適用を受けます。

輸出法は、物理的な出荷行為に限られたものではありません。技術データ、ソフトウェア、技術の電子媒体による移転、若しくはインターネット、エクストラネット・イントラネットによるサービスの提供、アプリケーションの開発・提供、e-businessやe-serviceの展開、IBM製品や技術を携帯しての国外の旅行、国外の供給元からの購入のために技術使用や要求される性能データの提供、個人の知識(技術支援)の海外での提供、これらすべてが日本、米国その他の国の輸出法の対象行為です。

必要な許認可なしに輸出行為に係わることはもとより、IBMのテクノロジーの不法移転を助長することも法律に違反します。輸出法違反の罰則はきびしく、罰金を科され、輸出特権をうしない、懲役を科せられます。輸出管理に関連する質問がある場合は、所属長、輸出法管理担当あるいは直接CHQ輸出法管理室に問い合わせてください。

4.9.3 ボイコットの禁止


IBMおよび子会社、関連会社やその代理店は、米国と友好関係にある国に対するボイコットに応ずることも、ボイコットを支援することも米国法により禁じられています。さらに、IBMは、ボイコットを支援するよう要請された場合、あるいはボイコットに関する情報を提供するよう求められた場合は、ただちに米国政府に報告する義務を負っています。米国以外の国またはそれらの国の政府と関係する組織が、入札参加依頼、注文書または契約書、信用状において、または取引に関連して口頭で、あるいはその他さまざまな手段でボイコットへの協力を要請することがあります。不正なボイコット要請の例としては、ボイコットされている国やその国民との取引拒否の要請、ボイコットされている国と取引のあるいわゆるブラックリストにのっている企業との取引拒否の要請、ボイコットされている国での活動情報の要請や、ボイコット条件を付記した信用状の開設の要請などがあります。あなたが、ボイコットの話を聞いたとき、ボイコット支援の要請を受けたとき、またはボイコットに関する情報の提供依頼を受けたときは、所属長、IBMの弁護士または輸出法管理担当に連絡しなければなりません。

4.9.4 輸入


IBMは世界中で主要な輸入者でもあるため、国際貿易ではすべての輸入法や関連法規に従わなければなりません。IBMビジネスの継続的なグローバリゼーションのため、あなたの仕事がほんのわずかではあってもかなりの部分で、輸入と係わっている場合があります。例えば、部品や製品の輸入にたずさわるというはっきりしたケース以外にも、輸入と関連するその他の行為があります。国外からの調達が必要な開発活動、物品の出荷を伴う販売活動、営業用見本の輸出入、IBM関連会社間取引のための価格計算などがあります。さらには、開発サイクルの早い時期に、原産国などの正確な製品関連情報の維持など、輸入にとって重要な遵守事項の認識が国際間の物流の円滑化に役立っています。輸入業務に関与している場合は特に輸入法や関連法規を理解していなければなりません。輸入法および関連法規の違反は罰金を科され、懲役を科せられ、輸入特権を失います。輸入管理に関して質問がある場合は、所属長、部門輸入要件担当者(IRC)、または物流担当に問い合わせてください。

4.9.5 環境


IBMは、環境保護に関し、世界的な先進企業であり続けたいと考えています。環境に関する法律はすべて遵守することはもとより、国により環境に関する法律が制定されていない場合、あるいは法律が制定されていても、環境保護に不十分である場合は、自ら厳しい基準を設け、これに従うことにしています。社員一人ひとりは、環境に関する法律とIBMポリシーを遵守しなければなりません。

環境に影響を及ぼす一連の処理に関係する場合、例えば、外界への廃棄物や放出物に関する測定、記録、報告をする場合、あるいは有害廃棄物を取り扱う場合は、必ず環境に関する規則や許可の条件に従わなければなりません。さらにIBMの基準を守り、かつ報告書は、必ず正確で完全なものにしなければなりません。

社員の一人ひとりが、環境保護のために果たすべき役割を負っています。環境に関する法律の違反は、どんなものであれ、また、違反を隠すと見られる行為も、気づき次第、その事態を所属長またはIBMの弁護士に報告してください。

4.9.6 官公庁の調達


官公庁の調達に関する法令の目的は、政府や地方自治体等の官公庁関係のお客様が公正で適正な価格で、必要とする物品やサービスを得るのを助けることです。 これらの法令は非常に広範で、中には複雑なものもあるため、会社は官公庁の調達に際しそれらの法令を完全に遵守するよう注意しなければなりません。官公庁の調達が進行中は、社員はお客様の決定に不正に影響を与えるようなことや、調達に関する限定情報を得ようと試みたりしてはいけません。

次に社員が官公庁の調達に際して留意すべき特記事項の例をあげます。調達法では競争入札が要求され、特別な場合を除いては単独調達は許されていません。社員は、他の入札者にも公開されている場合のみ入札要綱の事前コピーを見ることができます。 要請を受けたとしても、官公庁のお客様の代行として入札要綱を準備することはできません。

また、白書のような匿名資料をお客様に提供したり、IBMに決定する前に契約書にサインするようお客様を促すこともできません。調達活動に際しては、官公庁の調達部門担当員に個人的利益を与えるようなビジネスや雇用機会について話すべきではないし、謝礼を申し入れたり提供すべきではありません。官公庁の調達に際しコンサルタントに委任する場合、購買担当またはIBMの弁護士の同意のもと、上位管理者の承認なしにコンサルタントを利用することはできません。コンサルタントの利用はBCGにより規制されていることを再認識してください。また、契約することで利害対立の生じるコンサルタントとの契約も禁止されています。

IBMは法を遵守することで公的信用にかなうことが約束されるのですから、適用を受けるすべての官公庁調達に関する法令、規則を理解し、それらに従わなければなりません。 更に、官公庁の調達に関する法令違反が明らかな場合や可能性のある場合は、どのようなものであれ直ちにIBMに報告すべきです。報告は所属長またはIBMの弁護士、「コンフィデンシャリィ・スピーキング」プログラムを通して、あるいはその他のコミュニケーション手段を通して行うことができます。

IBMはこのような違反の報告をした社員に対する報復を決して許しません。すべての正当な業務上または法律上の要求事項に従い、IBMは報告をした社員の匿名性を保護します。

4.9.7 ロビー活動


立法または規則の制定に影響を及ぼす目的で官公庁職員と接触する行為(取引あるいは調達に関連してなされる行為も含みます)は、ロビー活動とみなされます。法によっては、ロビー活動を通常のマーケティング活動をも含むものとして、広げて定義している場合もあります。関連するロビー活動の規制法、及び、適用される場合には関連する贈賄の規制法全てについて、それらを理解し、遵守し、全ての報告義務を履行する責任があります。

IBMのために、ロビー活動を行い、またはコンサルタント、代理人、ビジネス・パートナー等の第三者にロビー活動を行う権限を付与するような場合は、政策渉外の事前承認を得なければなりません。そのロビー活動が、通常のマーケティングに関するもののみで、立法や規則の制定に影響を与えるものでない場合も含まれます。

4.9.8 会計・財務報告に関する法律


一民間企業として、IBMには厳しい会計基準、財務報告の正確性と完全性、法律に則した会計・財務報告を確保するための、適正な社内管理体制・手続きが要求されています。IBMでは一人ひとりの社員がこれらの要求に応じなければなりません。また、IBMが会社としてこれらの要求を満たせるように必要なことをしなければなりません。

会計・財務報告に関する規則は収益・コスト・経費・その他の資産・負債の適正な記録・報告を要求しています。もし社員がこの分野に責任ある立場にいるか関係がある場合、社員はこれらの規則を理解し守らなければなりません。また、これらの規則はいかなる社員も、ほかの人が不正な会計処理をし、あるいは虚偽または誤解を与える会計報告をする手助けをすることを禁止しています。すなわち、社員はすべての情報について正確で完全な記録・報告をすべきであり、ほかの人が不正確なまたは誤解されるおそれのある情報の記録や報告をする手助けをすべきではありません。さらに、社員はIBM以外のいかなるお客様、サプライヤー、ビジネス・パートナーに対しても、彼らの収益・コスト・経費・その他の資産・負債の記録・報告について決して助言してはなりません。

会計・財務報告に関する法律に違反すると、罰金、刑罰、懲役を科せられることがあり、また、会社に対する公的信頼を失うことに通じます。会計または財務報告に関する行為が不適である可能性があると信じるなら、あなたはすぐにIBMに伝えるべきです。このことは所属長、IBMの弁護士、内部監査を経由して、あるいはIBMのその他のコミュニケーション手段を用いて管理職に伝えることができます。もし匿名にしたければ、「コンフィデンシャリィ・スピーキング」プログラムを利用できます。質問がある場合はIBMの弁護士、内部監査にご確認ください。

4.9.9 個人情報保護に関する法律


個人情報の取り扱いに関しては、多くの国でその国に適した法律で定められています。国民の信頼と最良の慣行を兼ね備え、情報は適切に収集され、利用され、提供され、保管されることを要求されています。
IBMはどのビジネス分野においても、個人情報取り扱いについての要求と期待に応える基準を設けています。IBMは、個人情報を公平に適切に取り扱い、不適切な使用のリスクを軽減するために、収集、利用、提供、保管、アクセス、転送、またその他個人情報の取り扱いにおける一元化された規則を設けています。

あなたは、個人情報保護に関する法律の規定・要件を認識し、従う必要があります。個人情報に関わるコンプライアンスの不履行や不注意は、IBMのブランドや評判を傷つける他、IBMが法律の不遵守や第三者や、一部の国々での契約の不履行に陥った場合にIBMのオペレーションに制限をかけられる可能性や、IBMや従業員に政府による罰金や刑事罰を科される可能性があります。もし、個人情報保護に関する法律に関わる問題について質問がある場合はチーフ・プライバシー・オフィサーまたはIBMの弁護士に相談してください。