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5. 私的な活動とIBM社員としての立場

ビジネス・コンダクト・ガイドライン

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5.1 利益の衝突

社員の個人生活は、基本的に本人自身のものです。しかしながら、あなたは仕事中であるかないかにかかわらずIBMの社員であり、何らかの行為をする際に、利益相反、すなわち個人的な利益を得ようとした場合にはIBMの利益を害する事態が生じることもあります。会社に対する忠誠心が二分されるような事態を避けるのは、あなた次第です。 人によって状況はさまざまであり、自分の置かれている状況を判断する際、多くの要素を考慮に入れなければなりません。利益の衝突のうち、最も一般的なものをここにとりあげて、あなたが賢明な決断をする一助としたいと思います。

5.1.1 競争会社への協力


利益の衝突の明白なケースの一つに、現在あるいは将来のIBM製品・サービスと競合するものを販売する会社に協力することが挙げられます。 IBMの承諾がなければ、社員として、コンサルタントとして、あるいは役員としてなど どのような資格であれ、競争会社のために働いてはいけません。そのような行為は禁止しています。 何故なら、そのような行為により、社員のIBMに対する忠誠心と競争会社に対する忠誠心とが対立することになり得るからです。

5.1.2 IBMとの競争


今日では多くの社員が、IBMの企業活動に類する、パーソナル・コンピュータ、ソフトウェアその他の製品に関連した諸活動を、私生活上の時間を使っておこなっています。ほとんどの場合、そのような行為は利益の衝突を引き起こすことはありません。しかしながら、社員は、IBMのビジネス上の利益と衝突する行為を避けるように注意すべきです。

言うまでもなく、IBMの現在あるいは将来の製品・サービスと競合するものを、営利を目的として販売してはいけません。このような販売活動は、直接または間接になんらかの報酬を受け取った場合、「営利を目的とする」ものになります。マネジメントが承認したオープン ソース プロジェクトへの参加を通したような非営利の活動は、一般に問題を生じないでしょう。ただし、IBMの判断により、IBMの現在または将来のビジネスに影響を与える場合、あるいはそのおそれがある場合は、許されません。

IBMは、急速に事業活動を拡大するとともに、新しい事業分野に進出しているので、容認できる活動の範囲は絶えず変化します。容認される活動の範囲についての社員のさまざまな質問に対する明確な回答が、ガイドライン中に記載されているということは、ありえません。したがって、あなたの計画する行動が、IBMの現在あるいは将来のビジネスと競合するかどうかを、所属長あるいはIBMの弁護士と相談して、判断すべきです。相談をしないで、IBMと利益の衝突を生じるおそれのある活動をしてはいけません。

5.1.3 IBMとの取引


あらかじめ上級マネジメントとIBMの弁護士の承認を得ない限り、IBMの社員である間は、IBMの購買取引先になることも、IBMとの購買取引において取引先の代理人になることも、IBMの購買取引先の社員や役員になることもできません。また、IBMとの取引に関して、購買取引先に助言を与えたり、尽力した見返りとして、金銭その他どのような利益も受けてはいけません。

5.1.4 勤務時間とIBM資産の私的使用


IBMの施設内で、あるいは勤務時間中、IBMと関係ない仕事をしたり、IBMと関係ないビジネスの勧誘をしてはいけません。また、勤務時間中の私用のために特別に承認された時間を使って、他の仕事をすることも認められません。さらに、IBM外の仕事にIBM資産を使用することもできません。こうしたIBM資産には、機器、電話、資材、資源あるいは専有情報などがあります。

5.1.5 個人の財務上の利益


IBMと取引のある会社やIBMと競合する会社と、投資その他金銭上の関係を持つことが、IBMの利益と衝突を起こす場合、あるいはそのような外観を呈する場合は、そのような関係を持つべきではありません。そのような会社には、購買取引先、競争会社、お客様、特約店、提携会社などがあります。競争会社との金銭上の関係は、通常の場合、利益の衝突を生じます。

5.1.5.1 公開株式・証券


財務上の関係が不適切であるかどうかを確かめるために、次のような質問を自分自身にしてみてください。

もし、あなたの職務、投資額、投資する相手の会社が、--他人が客観的に見て--IBM社員としてのあなたの行動に影響を及ぼすと考えられるならば、そのような金銭上の関係は、妥当とはいえません。

相手が購買取引先か提携会社である場合で、IBMが相手の会社と取引をするかどうかの決定に直接または間接に関係しているときは、相手の会社と金銭上の関係は、一切持つべきではありません。

更にIBMの現購買取引先または、取引先となる可能性のある相手方、ビジネス・パートナーやお客様が、会社の株式公開に関連して選択した小グループ投資家に対し、ストックオプションやその他の株式取得を申出てくることがしばしばあります。もしあなたがIBMの社員であるということが申出の動機のすべてまたは一部である可能性がある場合、あるいは、その投資がIBMのほかのガイドラインに合わない場合は、申出を受けたり、株式を購入すべきではありません。

中間に人を介在させる方法で、ガイドラインを回避して、投資するようなことをしてはいけません。

5.1.5.2 非公開企業


非公開企業--非上場会社、パートナーシップあるいは個人企業--に対する投資は、上場企業に投資する場合と別の問題が生じます。というのは、ほとんどの非公開企業では、投資家と企業との関係が、より緊密だからです。例えば、一般的に言って、非上場会社の場合、出資者あるいは株主の数が比較的少ないため、各人の株主としての利害関係がより大きくなること、出資者が、会社の日常の経営に参加する機会が少なくないこと、出資者が、ほとんどその会社と同一視されることなどです。

このような緊密な関係があると、その非公開企業の競争会社の目には、その企業が、IBMから利益を受けているように見えることがあります。また、他のIBM社員から見れば、投資をしている社員が、その非公開企業のために勤務時間やIBMの施設、機密情報を利用しているように見られることもあります。このような理由から、非公開企業が、競争会社とか、購買取引先、あるいは特約店その他の再販業者のようなIBM製品を販売する会社である場合は、一切投資をしてはいけません。マネジメントが、IBMの弁護士の意見を聞いたうえで、特別に承認した場合を除き、例外は認められません。

5.2 内部情報の利用とインサイダー取引

IBMで働いている間に、IBMや他社の情報で、公開されていない情報を知ることがあります。 IBMや他企業に関する非公開の、または 「内部」 情報を、個人の金銭上その他の利益のために利用することは、倫理に反するばかりでなく、法律違反になる場合もあります。米国法および各国関連法律では、ある企業の 「重要な」非公開情報を知っている者が、その企業の株式その他の証券類(プット・オプション、コール・オプション、その他のデリバディブを含む)の取引をしたり、証券取引をする可能性のある人に情報を提供することを、違法と定めています。この法律に違反すると民事上の責任を問われたり、罰金、拘禁など刑事上の処罰を受けることもあります。IBMは内部情報の不正利用は、決して許しません。いずれの国においても、固く禁止します。

重要な内部情報とは、一般には公開されていない情報で、しかも一般の投資家が、株式その他の証券の売買や保有の決定をするにあたって考慮するような情報をいいます。重要な内部情報と考えられる情報のすべてを、前もって列挙することは不可能ですが、例えば、利益や配当処分などを含むIBMの財務成績、企業の取得その他の事業提携、事業分割、主要な新製品やサービスの発表、重要な研究の進展、その他IBMに重要な影響を及ぼす活動などについての未公開の情報があります。内部情報の不正利用をどうすれば避けることができるか、ここに具体的な例を挙げておきます。

この問題について、何が許されて、何が許されないか疑問のあるときは、IBMの弁護士に相談してください。

5.3 公共活動

IBMは、社員が、各自の地域社会において、市民として積極的に公共活動に参加することを奨励しています。しかし、そのような活動において、IBMとの利益の衝突を来すような立場におかれることが、時にあります。例えば、ある委員会の一員として、IBMにも関連する決定をする事態に直面する場合があります。 IBMの機械やサービスの購入を決定する場合もあれば、課税評価委員会や土地区画委員会で、IBM資産に影響を及ぼすような決定をする場合などがこれにあたります。そのような場合、IBMに対する義務と市民団体に対する義務が、あなたを矛盾する立場に置くことがあります。

IBM社員としての立場のため、また、その決定から個人的に利益を得るような立場にいるため、法律上棄権しなければならない場合があります。反対に、場合によっては、法律により、棄権が許されないこともあります。あなたが決断者として、または決断に対する責任をとり得る最適の地位にあるとしても、自分で判断を下す前に、市民団体の法律顧問とIBMの弁護士に意見を求めてください。IBMを困惑やその他の事態から守るため、最終的に棄権するかどうかにかかわらず、自分がIBM社員であることを明らかにし、IBMとの関係を隠そうとしているといった非難を一切受けることのないようにしてください。また、棄権するときめた場合は、棄権しなければ利益の衝突が生じるためとか、あるいはそう見られるおそれがあるためとか、棄権の理由をはっきり述べてください。

5.4 政治活動への参加

IBMは政党や候補者に対して、直接間接を問わず、寄附とみなされる献金や支払いまたは、支援の表明などはどのようなものでもいたしません。これは政治活動委員会や基金、または顧客や業界団体などの仲介機関を通して行われる場合も同じです。例えば、IBMは選挙資金としてその一部が運用されるような会合に社員やその他の者が出席するための参加券を購入したり、社員やその他の者に参加費用を支払うことはありません。 IBMは、たとえ政治献金が合法とされる国においても、そのような援助活動は一切しません。また、寄附とみなされるような支援は、どのような形であれしません。

社員は、IBMを代表して政治献金をすることはいかなるものであれすべきではありません。社員が個人的にした献金について会社への請求はできないし、会社も支払いません。

さらに、社員の勤務時間やIBM資産の使用は、そのような献金と同等とみなされることを認識してください。したがって、自ら公職に立候補することや、当選して公務につくこと、あるいは公職の立候補者のために選挙運動をすることに社員が使う時間に対しては、法律により要求される場合を除いて、IBMは給与を支払いません。ただし、IBMでの職務に支障がなく、かつ所属長の承認を受けた場合は、そのような活動のために、妥当な範囲で無給休暇を取ることができます。また休日を政治活動にあてることはできます。政府機関の役職を受けたり、地方自治体等の運営にかかわる場合は、必ず事前に政策渉外に相談してください。

5.4.1 意見の表明


公的な問題について意見を述べるときは、常に、個人として意見を述べてください。 IBMを代表して意見を述べているとか、IBMのために行動しているように見せてはいけません。

5.5 近親者が同業他社で働いている場合

共働き家族の増加や業界の拡大にともなって、社員の配偶者や家族の一員その他の近親者が、IBMの競争会社や購買取引先の経営者であったり、その社員であったりする場合があります。すべての人は、職業の選択と労働の自由を権利として与えられています。 ただし、このような場合は、セキュリティ、機密保持、利益の衝突に、特に注意を払う必要があります。関係が親しいことから、ついうっかりしてIBMの利益を害する結果をもたらすことがあるからです。

このような状況を見分けるためには、考慮すべき点がいくつかあります。 例えば、IBMとその会社との関係、IBM社員の職務とIBM社員の近親者の職務の性質、当事者が各自の会社の機密情報にアクセスする機会の程度などです。

あなたの置かれている状況についてなにか質問点があれば、所属長に話し、問題の性質や程度、またその解決方法について検討してください。多くの場合、IBMの利益を損なう危険性がほとんどないので、所属長は、機密情報をうっかりして漏らすことのないよう注意する程度ですみます。しかしながら、場合によっては、関係者の職責を変更する必要が生じることもあります。