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無限大

No.120 2006年冬

イノベーションのジレンマ

「成功体験」からの脱却
大企業とベンチャーのWin-Winをどう創り上げていくか

大阪市立大学大学院創造都市研究科
アントレプレナーシップ研究分野教授  前田 昇
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日本の失われた10年は無駄ではなかった。大企業の一部の優秀なエリート・エンジニアたちが、このままでは日本は崩壊するとの危機感から大企業を飛び出し始めた。自分たちが描いていた技術利用の理想像を求めてリスク覚悟で起業という形で挑戦をし始めたのだ。この約10年で日本にもキラ星のごとく最新技術を取り入れたベンチャー企業が数十社立ち上がっている。
21世紀に入りその多くが短期間で株式上場を果たし、年商も500億円を超える企業が出始めた。博士の学位を持つ社長も数人いる。大企業の若いエンジニアや有名大学工学部の修士・博士の学生が自己実現を目指してこれら新興ベンチャーに就職し始めた。日本でも米国に遅れること30年で研究開発人材の流動化がやっと始まった。
これは単なる時代のノイズではなく、ドラッカーの名著『すでに起こった未来』で述べられている未来変革の前兆であると私は確信している。日本はビジネス社会においても変革への道を歩み出した。これら技術系ベンチャー企業と大企業の連携で、日本でもイノベーションのジレンマは避けることができそうである。

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