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無限大

No.120 2006年冬

中年よ、大私を抱け(12)

アリス、論語を愉しむ

宮垣 弘
……56


定年の日が近付いてくる。会社の枠組みからはずれ、独りぽつねんと佇んでいる自分の姿を想像して、漠然とした不安を抱く人は多い。
その時、こう思った男がいる。「これは昔読んだ『不思議の国のアリス』と一緒ではないか。アリスが飛び込んだウサギ穴は、今まで見たことも聞いたこともない異次元の国、ワンダーランドだった。いま、自分が立っているのはワンダーランドの入り口では…」
そこにはアリスが体験したような、わくわくするような冒険の世界が待っているかもしれない。これまで自分は仕事に追われ、やりたかった趣味も勉強も何だか中途半端だった。いい機会だ。そう自分に言い聞かせ、男はウサギ穴ならぬ「知のワンダーランド」に飛び込んで行った。

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