社長の橋本を囲む、CSCの第1期および第2期のメンバーたち
グローバルな時代に活躍するリーダーとなる人材を育成すると同時に、新興諸国の社会経済的な発展に貢献することを目的としたIBMの新しいプログラム「Corporate Service Corps(IBM海外支援チーム)」が2008年から始まりました。
さまざまな地域から選抜されたスキルやノウハウを有したIBM社員で構成されるチームを新興国に派遣し、NGOと連携して現地の企業や非営利組織などを支援する取り組みで、2010年までの3年間で総勢1,200名が参加します。
全世界で一つの組織となり、提供価値を最大化するために
フラット化が進む21世紀の世界において、IBMは競争力向上と経営効率化に向けて、グローバルに統合された企業(Globally Integrated Enterprise: GIE)への変革に取り組んでいます。従来型の多国籍企業のような子会社の集合体ではなく、世界で一つの組織として経営資源を地球規模で最適化し、お客様そして社会に提供できる 価値を最大化することを目指しています。
GIEへ進化していくためには、国や部門の枠を超えてコラボレーションを行い、新たな価値を生み出せるリーダーとなる人材の育成が不可欠です。IBMは2007年、「Global Citizen's Portfolio(地球市民のポートフォリオ)」を発表し、社員がグローバルなリーダーとして、専門家として、そして良き地球市民として活躍するためのスキルや専門知識の強化を進めています。
三つのメリットを併せ持つユニークなプログラム
Corporate Service Corps(以下、CSC)は、そうした人材育成のための施策の一つです。アジア、東ヨーロッパ、アフリカ、南米の新興国に社員を派遣し、NGO(非政府組織)と連携して現地の経済や環境、教育分野の基盤構築などの支援を行うプログラムです。社員が有するスキルやノウハウを社会貢献活動に役立てると同時に、参加する社員自身の成長を促し、さらにはIBMとしても社員のグローバルなリーダーシップを育成することにもつながる、三つのメリットを併せ持っています。
選抜された社員は出身国や事業部門が異なる約8~12名で1チームを構成し、1ヵ月間、現地で活動を行います。各自が支援先企業・団体とコミュニケーションをとりつつ、限られた時間の中でどのような貢献ができるかを見定め、解決策を探り、成果を残すことが求められます。
このプログラムで特に重視される点は、全世界の優れた実績を持つ社員同士がネットワークを築く機会を提供することです。日々起こるさまざまな課題にメンバーが互いに助け合い対処していく中で、コミュニケーションや問題解決能力が育まれます。また、異なる文化的背景や伝統を持つ人々との相互理解を深め、さらには世界の動きを感じ取る力を養うことにもつながります。
活動を通じて得られる新たな発見と自信


現地での活動の様子2008年、CSC第1期として33ヵ国100名のメンバーが選抜され、ルーマニア、トルコ、ベトナム、フィリピン、ガーナ、タンザニアに派遣されました。日本からは5名が参加し、同年7月からルーマニアとタンザニアで活動を行いました。(そのうち2人の活動内容を下に紹介)
現地では、高い成長性を持つ起業家に対するビジネス・トレーニングの提供や人脈づくりの支援、国際的マイクロファイナンス(低所得者向け小規模金融)機関に対する支援などを実施しました。タンザニア・ツアー・オペレーター協会のウェブ・サイトを刷新し、ツアー・オペレーターのインターネット活用をサポートするなど、さまざまな成果が上がっています。
第1期のメンバーは皆、支援先企業・団体に対する貢献活動とチーム内のコミュニケーションから多くのことを学んだと語ります。見知らぬ土地で、限られた時間の中で、自身の決断によって道を切りひらくことの重要性や、メンバーとの交流から解決策が生まれること、さらにはメンバーの背後にあるグローバルIBMとのつながりなどを強く感じたようです。活動後の感想からは、「海外とのやりとりに対するハードルが低くなった」、「従来は大きな境界を感じていた国や組織という枠を超え、ダイレクトに世界のIBMにつながっていると実感した」など、新たに得られた発見と自信が伝わってきます。
未来を形づくる原動力に
今後、ビジネスのグローバル化はさらに進みます。CSCで手応えをつかんだメンバーたちは、今度は職場で自らが中核となってグローバルなプロジェクトを動かしていくことが期待されます。
第1期のメンバーは、活動内容の社内へのフィードバックを終え、その成果や思いは第2期のメンバーに引き継がれました。2009年の第2期、日本からの参加メンバーは9名に増え、派遣先もガーナやブラジル、南アフリカへと広がります。
未来を形づくるGIE時代のリーダーたちが今、着実に育っています。
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堀川 博史(GBS. 金融デリバリー. 第二開発部)
【派遣先】ルーマニア プロイェシュティ
【メンバー構成】 アメリカ、カナダ、インド、台湾、オーストラリア、南アフリカ、エクアドル、ベネズエラ、日本
【活動内容】ICERPという石油化学製品の製造・販売会社に対し、REACH(新化学物質規制)に従った化学物質の申請登録を目標とする、プロジェクト管理計画の立案と管理方法のレクチャー等を実施。
【感想】
- 予期せぬ変更が続いたり、プロジェクト管理の重要性や効果を理解していただく点で苦労しました。しかし時間をかけてスコープを定義し、随時丁寧に説明を重ねることで、信頼が深まっていくことを実感しました。
- メンバーとは、1ヵ月間で想像以上に交流が深まりました。皆が各国に戻った後でも、いつでもつながっているようで、以前よりも「世界が小さくなった」ように感じます。加えて、多国籍チームで活動する際には、日本人の強みをアピールすることの重要性も感じました。
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師子堂 洋司(ITデリバリー. FSS. サービスマネージメント. 銀行第二システム)
【派遣先】タンザニア アルーシャ
【メンバー構成】アメリカ、イタリア、ニュージーランド、ドイツ、コスタリカ、日本
【活動内容】KickStartという足踏み式ポンプの開発販売を行うNGOに対する、システム(コールセンター、在庫管理、営業支援システム)に関する提案。週末にはメンバーと協力して、現地の小学校での特別授業なども実施。
【感想】
- タンザニアでは海外の支援団体も援助を行っていますが、一旦援助がとぎれると、すぐ元に戻ってしまい、インフラや教育への援助の効果がなかなか根付かないようです。優秀な人は国外に出てしまい、自国の発展や自立に寄与していないところなど、非常に考えさせられました。
- グローバルな活動体験とボランティアの両方を経験できました。メンバーとは対等なコミュニケーションができ、国や所属部門にかかわらず、互いの得意分野を出し合ってプロジェクトに貢献できると実感しました。
