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ワークフォース・ダイバーシティー

人材の多様性の尊重と促進

ワークフォース・ダイバーシティーとは、人種や国籍、性別、年齢、障がいの有無など、さまざまな背景を持つ社員一人ひとりがその能力を発揮することで、組織の創造性向上や成長につなげようという考え方です。

ダイバーシティーの考え方

地球規模で経済が動いている現在、ダイバーシティーはIBMにとって大きな強みとなります。社員の個性や能力を生かすことで多様な視点で課題の解決に臨むことができるとともに、多様性を尊重し個々の活躍を支援する環境を整えることは優秀な人材を引きつけ、イノベーションを加速することにつながります。また、社員個人にとっても、グローバル化や顧客ニーズの多様化に対応し、新たな価値を生み出すためには、多様性への対応能力は不可欠です。

ダイバーシティーはIBMの重要な経営戦略の一つであり、かつIBMの価値であると言っても過言ではありません。

ワークスタイル・イノベーションに向けて

IBMは、世界170ヵ国でビジネスを展開する企業として成長を続けるためには、社員の構成や経営陣の構成についても多様な市場を反映させるべきだと考えています。機会均等への社会的責任だけでなく、管理職層の多様性の促進、女性や障がいのある人々およびGLBT(ゲイ、レズビアン、バイセクシャル〈両性愛者〉、トランスジェンダー〈性同一性障がい者〉)の活躍の促進、仕事と生活の両立などの課題に取り組んでいます。

日本IBMはグローバルの方針を受け、1998年に女性の活躍を促進するための諮問委員会「ジャパン・ウィメンズ・カウンシル(JWC)」を設置したのをはじめ、障がいを持つ社員やGLBTの社員に対する環境整備についても同様に取り組んできました。
さらにGIEの環境を見据え、「グローバルに活躍できる人材の育成」と「魅力ある職場づくり」という観点でダイバーシティーをとらえ直し、2008年2月、五つの分野から成るカウンシルを設けました。「女性」「障がい者」「ワークライフ」「GLBT」「マルチ・カルチャー(多文化)」のカウンシルが社員からの提言を積極的に取り入れ、社会の変化に先駆けた新しいワークスタイルのデザインに取り組んでいます。

それぞれの取り組みについて以下にご紹介します。

マルチ・カルチャー

文化の違いを価値として積極的にとらえて「外国籍」の社員の活躍を支援するとともに、日本人社員の意識向上の啓蒙・促進を行っています。
日本IBMには外国籍の社員が多数働いており、その国籍は韓国・中国・台湾をはじめ、25ヵ国にのぼります(2009年3月現在)。外国籍の社員の多くは非常に高い就業意識と優れた能力を持っています。その才能を存分に発揮できるように、働きやすい環境を整えることが必要です。そのため、外国籍社員に対する通信教育や通学教育サポートの実施、また社内試験や健康診断などの日英2ヵ国語表記など、環境づくりに取り組んでいます。

2008年には外国籍の社員を対象として、「外国籍社員同士のネットワークの作りにくさ」や「ロールモデルの不在」など、現状の課題について話し合う場を3回設けました。同年7月には、外国籍の日本IBM社員および日本に赴任している海外IBM社員合わせて200人が集まり、マルチ・カルチャー・フォーラムが開催されました。

外国籍の社員が抱えるネットワークづくりやロールモデル不在の問題は、かつて女性の登用が十分でなかった頃の問題点と共通しています。1990年代に女性社員の登用に際してIBMが行ってきた調査分析や施策が、現在、マルチ・カルチャー分野に活かされています。

女性の活躍の促進

日本IBMでは、前述のJWCなどの活動を通じて、女性がキャリアを継続していく上で直面する課題を検討し、働きやすい環境づくりに取り組んできました。2005年には、企業や団体の枠を超えた女性管理職のネットワークを支援する「Japan Women's Innovative Network(J-Win)」をお客様50社とともに設立しました。J-Winは2007年4月にNPO法人化され、企業におけるダイバーシティー・マネジメントの推進をサポートする各種活動を展開しています。

2008年には、さらなる女性活用を進めるため、女性社員に対する意識調査を実施し、施策やプログラムの見直しを行いました。また、エグゼクティブ中心で構成されていたJWCのメンバーに、現場でリーダーとして活躍している社員9名を加え、社内のコミュニケーションを強化しています。こうした取り組みの結果、女性社員数は1995年以降、13%から19%にまで拡大しました(2009年3月現在)。

また、テクノロジー・カンパニーであるIBMにとって、優秀な女性技術者の活躍を促すことも重要な課題です。女性技術者のコミュニティー「COSMOS」では、社員自身が課題の把握・分析・検討を行い、経営層に改善策を検討するなど、女性リーダーの育成・登用のための環境づくりを進めています。2008年には、メンタリングやラウンド・テーブルの実施のほか、IBMコーポレーションの役員とのディスカッションなども行いました。

ワーク/ライフ・インテグレーション

IBMでは、社員が柔軟な働き方を選択することにより、仕事と個人の生活を自律的に両立できるようにしています。
GIEの環境下では、社員にとって活躍の場が世界へと広がる一方、従来とは違った働き方が求められる場合も出てきます。IBMは「ワークライフ・バランス」というよりも、「ワークライフ・インテグレーション(統合)」が必要だという考えの下、社員自身が状況を判断して適切に自己管理をできるよう取り組みを進めています。

勤務する場所および勤務時間の柔軟性の推進、業務の効率化、IT環境の整備など、以下のような多岐にわたる施策を提供しています。

これらの制度に関する認知度が低かったり、「知っていても利用しづらい」という意識が存在していることに対して、社内での情報提供の充実や、各部門の上長を通じての制度の周知徹底などにも努めています。

障がいを持つ社員やGLBT社員の能力の最大化と環境整備

IBMでは、障がいのある人々やGLBTに対する理解を深め、雇用機会を拡大し、職場環境の整備やスキル開発支援にも取り組んでいます。

日本IBMでも、さまざまな職場で障がいのある社員が活躍していますが、継続的な採用や職場および研修環境の整備を進めています。また、障がいのない社員に対しても、「障がいのある人々の立場・視線で考えること」の促進などに努めています。

GLBTについても、IBMでは10年以上前からダイバーシティー・プログラムの一つに位置づけ、GLBTの社員が自由闊達に働くことのできる環境と周囲の理解促進に努めています。日本IBMでもコミュニティーの確立や、GLBTを受け入れる風土の醸成、イントラネットおよびメディアを通じた、社内外への情報発信などを行うよう計画しています。

【Voice】ダイバーシティー 1

文化の違いをバリューに

陳建和の顔写真私は台湾で生まれ育ち、大学卒業後、2年間の兵役義務を経て来日しました。日本の大学院を修了した後、1993年に日本IBMに入社しました。軍隊では約30名の部下を率いることを経験し、忍耐力、協調性、公平性などが培われたと思います。現在は金融系のお客様を中心にネットワークの提案・企画・構築業務に携わっています。一方、所属部門を代表してグローバルの組織に参加し、サービスプロダクトの開発、提案も行っています。日本で習得した技術や知識を台湾や中国に活用したい、という入社当初からの展望が、業務を通して現実に近づいていると思います。

日本IBMで仕事をする上で外国籍であるゆえの差別は全く感じていませんが、日本人特有の保守的なメンタリティーや日本語、特にお客様の「言わなくてもわかるでしょう」という言葉に出されない要望は、理解しにくく苦労する点です。また生活面でも、役所や銀行での煩雑な手続きや、支援を受けたい場合のノウハウの開示もまだ十分ではないと感じています。日本で働く外国籍社員の多くが共感することではないでしょうか。

私自身が乗り越え培ってきた経験が、新人、日本人、外国人関係なく、私と関わるさまざまな人々に「陳さんが出来るなら、自分にもできないわけはない!」という意欲や刺激になれば幸いです。

GTSインフラソリューション事業部
ICPシニア ITアーキテクト
陳建和(Kenwa Chin)

【Voice】ダイバーシティー 2

女性ももっとチャレンジを

麻生 かおりの顔写真システム・エンジニア、製造業のお客様担当の営業職を経て、現在はインサイド・セールスとして、メールやウェブを駆使を行う営業部を担当しています。二人の子どもを育てつつ仕事を続けてきましたが、これまで「女性だから」というハンディや壁を感じたこはありません。IBMにはもともとダイバーシティーを尊重する文化があり、周囲の理解と協力もあって、仕事もプライベートもとても充実しています。

管理職に就くことについて、若い女性社員の中には「ワークライフのバランスをとるのは大変そう」と躊躇する人もいますが、実際にやってみると楽しいものです。キャリアアップすることにより視野が広がり、違う世界が見えてきます。
今は多様な働き方を支える制度もありますし、JWCのような女性のキャリア継続の課題を検討する委員会もあります。私もそのメンバーの一員です。是非、会社の制度を活用して、もっと女性にもチャレンジしてほしいと願っています。私自身も、より高い目標にチャレンジしながら、これまでの自分の経験や得てきたことを後輩の皆さんに伝え、サポートしていきたいと思っています。

IBM Sales & Distribution, ibm.com事業
セクター事業部
インダストリアル営業部
麻生 かおり

社員意識調査「グローバル・パルス・サーベイ」

このサーベイは、社員の満足度や職場環境についての意識を把握するための調査で、年2回、全世界のIBM社員に対して実施されています。無作為で20%の社員が回答者に抽出され、全世界で共通の25問の設問に対して回答する形式をとっています。フリーコメントを記述する設定ではないのですが、所属する部門を回答することとなり、全世界あるいは各地域ごとにおける部門特性を確認することなどができます。この共通の25問の設問は、
Employee Satisfaction Index(ESI)
Challenge & Opportunity Index
Innovation Index
という三つの指標にまとめられ、それぞれの傾向を確認することで、現在の社員の意識動向を把握しています。特にESIはビジネスの先行指標として位置づけられており、社員満足度向上—お客様満足度向上—ビジネス向上のスキームを維持する上でもマネジメントにとって重要な指標です。