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イノベーションで守る地球環境

廃棄物への新たな視点

ごみ廃棄場は宝の山?環境コストを成長に変えるイノベーションとは

組み立てではなく、分解から考える製品設計、、新たな視点が切り拓く可能性。。。
環境に関する緊急課題の 1 つは、世界中で続々と発生し、増え続けている廃棄製品の山をどうするかということです。その大半は電子廃棄物、すなわち古いコンピューター部品や携帯電話です。中国、インド、ブラジルといった国々がグローバル経済に加わり、何十億人という新しい中流階級の消費者が現れたことにより、この状況が悪化の一途をたどることは明らかです。廃棄製品の増加を食い止めるには、大胆な新しいアイデアが必要です。

国連では、世界では毎年2,000万トンから5,000万トンの電気・電子廃棄物が発生していると推定しています。米国では毎年5,000万台のコンピューターが廃棄されています。日本が2010年までに廃棄する携帯電話の数は6億1,000万台に上ります。出展:国連環境計画(UNEP)、米国環境保護庁(EPA)

製品設計を再設計する
これまで、研究開発の時間、資金、労力の大半は製品のライフ・サイクルにおけるスタート地点、すなわちその組み立てに向けられていました。しかし、製品ライフ・サイクルの最終地点、すなわち製品の分解を念頭において設計することで、製造業者は従来には考えられなかった画期的な新しい材料やプロセスを模索するようになりました。トウモロコシを原料にしたバイオプラスチック製の携帯電話 (NTTドコモおよび NEC) から水のいらない洗濯機 (サンヨー)、省電力型の電子ペーパー (富士ゼロックス) など環境に配慮した製品が既に登場してきています。

専門家は、下流工程に合わせた設計を行うと、製造業者は自分たちの製造する製品をよりモジュール化してとらえると同時に、本当に改良の必要な部品に力を注ぐようになり、続々と登場する新製品の無駄を軽減できると指摘しています。例えばデジタル・カメラのモデル・チェンジの際に大半の部品を継続して使用するようにすれば、変更のある少数の部品だけを取り出して、そこに新しいコンポーネントや機能を簡単に組み込むように設計できます。このような方針なら、製品のイノベーションを推進する一方で、「計画的陳腐化」の最も忌むべき側面を排除できます。

サプライ・チェーンの逆転をさらに進める
今、「リバース・サプライ・チェーン」というコンセプトが注目を集めています。つまり、企業が今まで予想もしなかった新しい方法で古い部品を再利用して、コストを削減しているのです。例えばナイキでは、リサイクルした靴のゴム底を回収して、運動場などのスポーツ施設の表面材として再利用しています。コダックと富士フイルムはいずれも「レンズ付きフィルム」を製造しており、使用済みのフィルムを取り出して現像した後、本体を回収、分解・検査、再生産しています。

しかし、その考え方をさらに推し進めて、エコシステム内、あるいは複数のエコシステム間で新しい協働関係を結ぶことによって、廃棄物を大幅に削減することはできないでしょうか。企業が「リバース・サプライ・チェーン」をリンクして「リバース・サプライ・ネットワーク」を構築すれば、使用済みのコンポーネントや製造副産物を相互に融通し合えるのではないでしょうか。

専門家の話によると、中国の一部の企業では、処理済みの排水を石油の抽出に利用する構想が練られているようです。また、鉄鋼の製造工程で使用した、温度の上がった冷却水を醸造所に送って発酵処理に利用することも提案されています。

ごみ廃棄場を宝の山へ
専門家の推定によると、北米の埋め立て地に埋め立てられているアルミニウムの量は、全地球の地下に残されているアルミ鉱石の量よりも多いそうです。同じことはおそらく銅や金にも言えます。それでは、埋立地を地上の鉱山と考えることはできないでしょうか。

一部の専門家は、地表に集められた何百万トンもの廃棄物を掘り起こすことは、さほど荒唐無稽な話ではないと述べています。チリ銅公社コデルコ(Codelco) の フェルナンド・トレド(Fernando Toledo) 氏は、「我社では昔、そこに埋まっているわずか 2% の銅を掘り出すためにいくつもの山を掘りつぶしていました。埋立地を採掘すれば、2 パーセント以上の銅があることは確実です」と述べています。

埋立地を大規模に掘り起こすには、メタンの放出を始めとする課題は確かにあります。しかし、役に立たないと思われていた電化製品や電子機器の廃棄物が宝の山に変わる日はそう遠くないかもしれません。

掲載日:2007年10月15日

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