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交通輸送イノベーション

移動手段はどのように変わりつつあるのでしょう

タブの始まり

過去10年で交通のIT化が一気に加速しました。自動車にはカー・ナビゲーション・システムやETC(自動料金支払いシステム)端末が搭載され、電車・バスでは電子マネー利用が拡大、空港でもICパスポートの導入やチケットレス化が始まっています。
IT化は、交通のボトルネック緩和にかなり効果を発揮しています。しかし、大都市圏の交通渋滞、深刻化する環境問題、高齢者の安全問題と、取り組むべき課題は少なくありません。
これからの交通輸送イノベーションはどのように進むのでしょうか。IBMでは、GIO (Global Innovation Outlook)の年次会議で、世界各国の専門家を集めて交通問題の革新的な解決策を議論してレポートをまとめました。
ここでは、高度化した自動車、機能的な道路、効率的な輸送システム、高速かつエネルギー効率の良い公共交通システムの4つを紹介します。さらに「日本の専門家に聞く」として、日本IBMの理事 自動車産業エグゼクティブの安井和彦さんと、ソフトウェア事業ラショナル事業部開発部部長の望木(もぎ)純一さんに、自動車を中心とした交通輸送イノベーションの最新動向を聞きました。

大都市のラッシュアワー時に運転した経験があれば、交通渋滞の大変さについては嫌というほど知っているでしょう。交通渋滞によってかなりの遅れが生じ、またイライラもさせられるものです。また、環境汚染の主要な原因でもあります。実際、渋滞問題を解決しなければ、その都市の人々もビジネスも周辺地区へと流れてしまうかもしれません。そうなれば、都市の税金基盤が痛手を受け、最も重要なサービスである公共交通機関などの質の高いサービスを提供するのがますます難しくなってしまいます。その結果さらに多くの人がその都市から去って行き、税収も失われます。つまり都市の衰退につながってしまうだけの悪循環が生まれてしまいます。

渋滞を解消する暫定策の多くは単に高速道路から市街道路へ、市の中心部から郊外へと問題を移動させているだけです。解決策とは、必ずしも道路を数多く建設することではありません。道路をもっと賢く利用することです。ここに 2 つの例があります。

有料道路
ロンドンやストックホルムなどの都市では、ピーク時の通行料金を高くする 道路課金システムを試行しています。カナダでは、トロント市が世界初の電子式高速道路課金システムを導入しています。高速道路が無料のカナダで、この有料道路を利用するドライバーにとっては費用がかかることになりますが、無料道路に比べて渋滞が少ないというメリットがあります。これらのように高速道路を課金式にすることで、交通量を制限することはできますが、これは完全なシステムとはいえません 。課金によって二重構造のシステムが生まれたという批判的な意見もあります。移動方法を変更することもできず、追加料金を払うこともできない労働者が痛手を負ってしまうからです。

ご存じですか? 1982 - 2001 年に、米国の人口はおよそ 20% 増加しましたが、アメリカ人が交通渋滞で費やした時間は、236% にも増加したのです。出典: U.S. News and World Report

リアルタイムの交通情報
マイクロテクノロジーによって、どこにでもセンサーを設置できるようになりました。たとえば、タイヤに埋め込まれたマイクロチップを通じて、道路に設置されたセンサーに情報を送ることで、交通状況をモニターしてコントロールできるでしょう。リアルタイムの交通情報を受け取ることが可能となり、渋滞を避けてルートを調整することができます。将来的には自動化された高速道路ができ、車は空いている経路へ誘導され交通流の適正化が図られるであろうと考える専門家もいます。

スマートな道路が交通渋滞削減の鍵を握っているかもしれませんが、人々や乗り物、貨物や商品が実際に都市を移動する多くの方法を私たちはまだ理解しきれていません。データを収集することが、最初の重要なステップです。そしてその次に、現在の交通問題を解消するためには、そのデータを適用する革新的方法が必要になるのです。

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