過去10年で交通のIT化が一気に加速しました。自動車にはカー・ナビゲーション・システムやETC(自動料金支払いシステム)端末が搭載され、電車・バスでは電子マネー利用が拡大、空港でもICパスポートの導入やチケットレス化が始まっています。
IT化は、交通のボトルネック緩和にかなり効果を発揮しています。しかし、大都市圏の交通渋滞、深刻化する環境問題、高齢者の安全問題と、取り組むべき課題は少なくありません。
これからの交通輸送イノベーションはどのように進むのでしょうか。IBMでは、GIO (Global Innovation Outlook)の年次会議で、世界各国の専門家を集めて交通問題の革新的な解決策を議論してレポートをまとめました。
ここでは、高度化した自動車、機能的な道路、効率的な輸送システム、高速かつエネルギー効率の良い公共交通システムの4つを紹介します。さらに「日本の専門家に聞く」として、日本IBMの理事 自動車産業エグゼクティブの安井和彦さんと、ソフトウェア事業ラショナル事業部開発部部長の望木(もぎ)純一さんに、自動車を中心とした交通輸送イノベーションの最新動向を聞きました。
次に来る通勤電車や地下鉄にどのくらい空席があるか携帯電話を使ってチェックできるような交通システムを想像してみてください。あるいは、人々のモバイル機器から情報収集し、必要な場所にバスをリアルタイムで配車するシステムを想像してみてください。それらは予想より早く実現するかもしれません。.
サービスと情報の融合は、公共交通の将来にとって鍵となります。たとえば、需要と供給を一致させるために、将来の交通システムではどこに乗客がいるかを把握し、乗り物をそこへ向かわせます。多くの交通プランナーがさらに夢見ているのは、単一のシステムを超えて統合を進め、異なる交通手段、都市、さらには国々に渡り料金やサービスを統合することです。
1 枚のカードで全部乗れます: 交通の統合
上海、シンガポール、香港などの都市では、現在バス、電車、フェリーで同じスマート・カードを使用できます。これらのカードの中には、タクシーや駐車場でも使用できるものもあります。しかし米国や ヨーロッパでは、プライバシーへの懸念が電子交通パス導入への大きな障害となっていました。政府が人々の移動を追跡できることを、多くの人が快く思わなかったためです。乗客はまず交通システムを信頼し、自分たちの情報が保護されていると知る必要があります。また、見返りとして使いやすさと利便性などを得られるのだと感じることが必要です。

情報を得る: リアルタイムでアクセスできる交通情報
現在テキスト、音声、画像、ハンドセットの振動などのさまざまな形態で、乗客に注意や最新情報を送信する技術があります。障害者も含め利用者はこの情報を好みの形態に変換して自動的に受け取ることができます。
将来、利用者が PDA から交通システム宛てに、行き先と好みの交通手段の情報を送信することができるようになる日が来るかもしれません。そして統合された交通システムから、最も速く、または最も安い方法を知らせるメッセージが返信されるのです。
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