
企業は常にビジネスを改革し市場における競争力を獲得する方策を探し続けています。そして、ビジネス改革の実践に伴い、多くの場合はIT基盤の見直しやアプリケーション及びデータベースの移行が必要となってきます。あらゆる観点から検討され導き出された最適なシステム環境への移行プロジェクトが成功裏に完了すれば、実質的なビジネスの価値を産み出し企業の成長へ多大な貢献をもたらします。もし、お客様が既存システムが使えなくなるまでシステム移行を検討しないとお考えであれば、市場における競争力を失う可能性があります。「壊れていなければ直すことはない」という哲学は危険です。既存システム・ベンダーの高価格かつ低品質なサポートや信頼の損出などにより移行の必要性が切迫した時には、膨大な移行費用とワークロードが発生する可能性があるからです。IBMでは、豊富な経験と様々なツールを活用し、お客さまが幅広い選択肢を備えたIBM Systemsへ移行されるご支援をしています。
移行対象の選定
システムの移行にあたってまず検討しなければならないのは移行する対象を選定することですが、何を再構築し、何を新しいプラットフォームに移行したらよいのか?また、どんな順番にどのように移行したらよいのか?パフォーマンスなどの技術的な問題点はないのか?移行のための期間とコストはどの程度なのか?など様々な選定基準と選定優先度を明確にしなければなりません。
IBMではシステム移行に関する長年の経験と豊富な実績から、お客様のご要望とサーバー・タイプに応じた移行パターンを分類・整理し、適切な移行計画策定のお手伝いを実施させていただきます。
アプライアンス系サーバーの移行
メールサーバー、ファイルサーバー、DNS サーバーなどのアプライアンスサーバーについては、多くの場合、SolarisとLinuxで互換のオープンソースが利用されています。この様な場合は、Linuxベースでのシステム再構築が最も単純で安全な移行方法です。Solaris/Linux互換のオープンソースであれば、アプリケーションの設定ファイルなど比較的単純な修正で移行が可能だからです。
ただし、LDAPはスキーマが違うものもあり再設計が必要な場合がありますし、NIS+を利用する場合も再設計が必要な場合がありますのでご注意ください。
C言語アプリケーション・プログラムの移行
SUN/SolarisのForte C/Workshop CからLinux gccへの移行では、C言語ライブラリーの相違により再コンパイルが必要となりますが、関数やコンパイラー・オプションも異なるためプログラムの修正が必要となります。
IBMではこれらの相違点と対応方法を「S2L C言語アプリケーション移行ガイド」としてまとめております。また、Migration Kit for Solaris OS to Linuxというツールも用意しており、修正が必要となるコードの洗い出しや修正ワークロードの算定を支援いたします。
Solaris Forte CとLinux gccで異なる関数の例
thr_create、thr_continue、thr_exit、thr_getconcurrency、thr_getprio、thr_getspecific、thr_join、thr_keycreate、thr_kill、thr_main など
SUN/SolafrisとLinuxではCPUアーキテクチャーの相違により以下のような修正も必要となります。
- エンディアン:
Solaris/SPARCは、ビッグ・エンディアン方式のため、intel系のリトル・エンディアン方式との移植はデータ及びプログラムの移植時に考慮が必要です。 - 32⇔64bit CPU:
メモリ空間の利用方式が異なるため32⇔64bitの変更を行う場合は、プログラム・ソースを修正する必要があります。ただし、EM64、Opteron などのx86互換64bitプロセッサーでは、32bitアプリケーションも動作可能です。
データベースの移行
Solaris上で稼働しているミドルウェア製品であるデータベースをLinux環境に移行する必要があります。データベース管理者のスキルは、認証・認可がOSと統合されていたり、データ領域のファイル・システムへの物理配置など多くの部分でOSとの関連があり、システム管理面でも充分に検討する必要です。また、SolarisからLinuxへの移行で、RDBMSのアップグレードが必要であったり、ライセンスに互換性がない場合がありますのでご注意ください。
データベース以外のミドルウェアやISV製品についてもLinux環境での互換性や対応状況をご確認ください。
日本語環境特有の注意事項
日本語を取り扱うアプリケーションでは、ポーティングに際して、文字コードに注意する必要があります。SolarisからLinux環境への移行の際に実行環境の文字コードが変わっている可能性があります。(RHEL4、SLES 10ともに、デフォルトの文字コードはutf-8を採用しています)また、アプリケーションがeuc-jp環境で作られていた場合は、実行環境をeuc-jpにするか、アプリケーションそのものをutf-8にコンバージョンするかを検討する必要があります。
IBMではSolarisからの移行における長年の経験をベースにお客様の移行プロジェクトを支援するサービスを提供しておりますので、IBMサービスのご採用をお願い申し上げます。
Linux は、Linus Torvalds の登録商標
