
Linuxとは
1991年、当時ヘルシンキ大学の学生であったLinus B. Torvalds氏は、x86アーキテクチャで稼働するUnixライクなOSを目指して、Linuxカーネルの開発を始めました。Linus氏が、Linuxカーネルのソースコードをオープンソースソフトウェアとして、インターネットで公開すると、世界中のプログラマーが開発に参加しました。やがて、Linuxカーネルと、その上で利用可能な1000種類を超えるオープンソースソフトウェアのツールを組み合わせたパッケージとして、Red Hat Linux, SUSE Linuxなどの「Linux ディストリビューション」が提供されるようになり、開発者以外の一般のユーザーでもLinuxの導入、利用ができるようになりました。
その後、インターネットシステムや科学技術計算の分野でLinuxの活用が広がる中、1999年に、IBMは、「ミッションクリティカルな基幹業務でも利用できる、マルチプラットホーム対応の OS」として Linux を発展させることを宣言し、Linuxを含むオープンソースソフトウェアのコミュニティに対して、Linuxとオープンソースソフトウェア技術の発展に向けた甚大なリソースの提供を開始しました。翌年の2000年に、IBM が、x86 サーバー(System x / BladeCenter)に加えて、RISC サーバー(Power Systems)とメインフレーム(System z)を含む、全てのIBMプラットホームでのLinuxのサポートを実現した際には、Linus氏も驚きを隠せませんでした。
以来、IBMは、エンタープライズLinuxのビジネスバリューを実現するための3つの基本方針に基づいて、Linuxを活用したソリューションをお客様にお届けし続けています。
- IBMの全プラットホームでの Linux の正式サポート
- IBMの全ソフトウェアブランド製品の Linux 対応
- Linuxのエンタープライズサポート
日本IBMにおいては、1999年にLinuxサポートセンターを設立し、さまざまな業種、さまざまな規模のお客様でのLinux導入実績を積み重ねており、日本の大手企業様での世界最大級のミッションクリティカル構築実績を誇ります。近年では、日本の金融機関様の基幹系システムや、USでは、次世代の軍艦の管理システムでもIBMプラットホームのLinuxが採用されています。とりわけ、Linuxを活用した、マルチプラットホーム環境の統合管理による運用コスト削減が、IBMのLinuxソリューションの優位性の1つとして上げられますが、クラウドコンピューティングのようなプラットホームを意識しないITの活用でも、IBMが持つLinuxのマルチプラットホーム対応技術が優位性を発揮していきます。

IBMと共に成長するエンタープライズ Linux
Linux開発の現状
オープンソースソフトウェアとは、「ソースコードが公開されているソフトウェア」という意味ですが、現在では、さまざまな企業、団体、ソフトウェアベンダーが独自のビジネスモデルに基づいてその開発に参加しています。Linuxカーネルのソースコードは、Linus氏が所属し、IBMの開発者でもあるTed
Ts'oが Chief Technology Officerを務めるNPO法人Linux Foundationで管理されており、Linuxディストリビューターを含む外部の企業の開発者も参加して、開発を進めています。
IBMは、世界各国に拠点を持つ Linux Technology Center(LTC)に所属する専任の開発者を中心として、ビジネスクリティカルなワークロードを支える OS に求められる、スケーラビリティ、安定性、セキュリティ、システム管理、グリーン対応などの側面での貢献を継続しています。Linuxの開発状況を追跡するWebサイトLWN.netで2007年に発表された資料によると、バージョン2.6.23のLinuxカーネルでは、8%以上の修正パッチがIBMの開発者から提供されており、IBMより上位の企業は、12%を提供するRed Hat社のみとなっています。
さらには、ミリ秒単位での応答性能が要求される証券取引システムでの Realtime Linux の利用や、高度な数値演算や画像処理に驚異的な性能を発揮し、金融リスク分析や医療機器での活用が期待されるCell B/E プロセッサーのアプリケーション開発基盤など、IBMでは、従来の商用OSでは実現できなかった領域でのエンタープライズLinuxの活用もリードしています。
LinuxのメリットとIBMのオープンテクノロジー戦略
Linuxを含むオープンソースソフトウェアの活用は、お客様の選択肢とビジネス戦略の幅を広げる効果があります。
- サービス、保守ベンダーの選択の広がり
オープンソースソフトウェアは、複数のベンダーから、サービス、保守の購入が可能であり、ベンダーロックインの回避に効果があります。 - 導入コストとサポートレベルのバランスに関する選択の広がり
必要とするサポートのレベルに応じて、サービス、保守にかけるコストを選択することが可能であり、高度なサポートを必要としないエリアでは、コストをかけずに素早くビジネスを立ち上げることができます。また、ビジネスの拡大に応じて、サポートレベルを上げていくことも可能です。 - コミュニティの集合知によるITの活用方法の広がり
Web 2.0 (ソーシャルネットワーク、マッシュアップ開発など)に代表される、コミュニティモデルならではの新たなITの活用が可能になります。
IBMでは、Linuxとオープンソースソフトウェアのメリットを活かしながら、IBM独自の付加価値を実現するために、3つの「オープン」をキーワードとする取り組みを行っています。

IBMのオープンテクノロジー戦略
- オープンスタンダード(業界標準)
IBMは、オープンスタンダードへの取り組みにより、相互接続性(異なるシステム間のスムーズな接続)、相互互換性(異なるソフトウェア間でのデータの受け渡し)を向上し、お客様のIT投資を保護します。これまでに、IBMが保有する、相互接続性、相互互換性に関する多数の特許が、オープンソースソフトウェアでの利用に対して、無償で開放されています。 - オープンソースソフトウェア
IBMは、さまざまなオープンソースソフトウェアのコミュニティに参画し、コード提供者として貢献しています。現在も、90 以上のオープンソースプロジェクトをリードしています。また、IBM のソフトウェア技術をコミュニティに公開すると同時に、コミュニティの成果を IBM ソフトウェアに取り込む事で、IBM ソフトウェアとオープンソースソフトウェアとの親和性を向上し、より高度な機能を必要とするお客様に独自の付加価値を提供します。 - オープンアーキテクチャー
IBMが提供するミドルウェアは、多数のハードウェアアーキテクチャーとOSをサポートしています。全てのIBMプラットホームで互換性のあるLinuxに加え、プラットホームニュートラルなアプリケーション環境と言った、オープンスタンダード技術を活用することで、お客様の選択肢と自由度が広がります。これは、マルチプラットホーム環境の統合管理やエンタープライズ・クラウドコンピューティングを実現する基礎となります。
前述のIBMのエンタープライズLinuxへの取り組み方針では、このようなオープンテクノロジー戦略に基づいて、IBM独自のLinuxのメリットを実現しています。
Linux は、Linus Torvalds の登録商標
