
Linuxとは
2011年8月、Linuxが誕生から20周年を迎えました。Linuxは1991年8月に、ヘルシンキ大学(フィンランド)に在学中だった20歳のリーナス・トーバルズが開発したオープンソースのオペレーティングシステム(OS)でした。
当初は、個人的な趣味の範囲での利用に限られていたLinuxですが、やがてパッケージとしてRed Hat Linux, SUSE Linuxなどの「Linux ディストリビューション」が提供されるようになり、開発者以外の一般のユーザーでもLinuxの導入、利用ができるようになりました。
1999年に、IBMは、「ミッションクリティカルな基幹業務でも利用できる、マルチプラットホーム対応の OS」として Linux を発展させることを宣言し、Linuxを含むオープンソースソフトウェアのコミュニティに対して、Linuxとオープンソースソフトウェア技術の発展に向けた甚大なリソースの提供を開始しました。翌年の2000年に、IBM が、x86 サーバー(System x / BladeCenter)に加えて、RISC サーバー(Power Systems)とメインフレーム(System z)を含む、全てのIBMプラットホームでのLinuxのサポートを実現しました。
以来、IBMは、エンタープライズLinuxのビジネスバリューを実現するための3つの基本方針に基づいて、Linuxを活用したソリューションをお客様にお届けし続けています。
- IBMの全プラットホームでの Linux の正式サポート
- IBMの全ソフトウェアブランド製品の Linux 対応
- Linuxのエンタープライズサポート
さらにIBMはLinux専門の営業組織を立ち上げ、マーケティング活動に力を入れるようになりました。当時のCEOであるルー・ガースナーは、IBMがLinuxに10億ドルの投資をすることを発表しました。また、Linuxを専門とする技術部隊・Linux Technology Center を設立し、コミュニティとの共同作業を開始しました。
そして誕生から20年を経た現在、LinuxはデスクトップPCやサーバー環境はもちろん、情報家電、組込機器、スーパーコンピューターなど、さまざまな分野で活用されています。企業システムにおけるLinuxも、当初はWebサーバーやメールサーバー、DNSサーバーなど、いわゆるインターネット環境のエッジサーバーとしての利用が中心でした。しかし、Linuxカーネルの強化とともに、その利用範囲も情報系システムから基幹系システムへと大きく拡大し、さらに現在では、仮想化やクラウド環境の基盤となる強力なプラットフォームとして、確固たる地位を築くまでに成長しています。

IBMと共に成長するエンタープライズ Linux
Linux開発の現状
オープンソースソフトウェアとは、「ソースコードが公開されているソフトウェア」という意味で誰でもそのソフトウェアを使用、改良、再配布が行えるものです。現在では、さまざまな企業、団体、ソフトウェアベンダーが独自のビジネスモデルに基づいてその開発に参加しています。Linux カーネルのソースコードは、Linus氏が所属し、IBMの技術部隊 Linux Technology Center のリーダーでもあるDan Fryeが Board Memerを務めるLinux Foundationで管理されており、Linuxディストリビューターを含む外部の企業の開発者も参加して、開発を進めています。
IBMは1999年にLinux Technology Center(LTC)を開設して以来、コミュニティと共にLinux/OSSの成長に力を入れて取り組んできました。Linux Foundation から2010年12月に発表されたLinuxカーネルの貢献者リストによると、IBMはLinuxへの取り組みを開始した当時から10年間変わることなく、Linuxの開発に関わる企業としてトップレベルの貢献を続けています。
またサーバー仮想化技術が注目を浴びるようになった近年、IBMはLinux標準の新しい仮想化技術KVM(Kernel-based Virtual Machine)の開発にも力を入れて取り組んでいます。
LinuxのメリットとIBMのオープンテクノロジー戦略
Linuxを含むオープンソースソフトウェアの活用は、お客様の選択肢とビジネス戦略の幅を広げる効果があります。
- サービス、保守ベンダーの選択の広がり
オープンソースソフトウェアは、複数のベンダーから、サービス、保守の購入が可能であり、ベンダーロックインの回避に効果があります。 - 導入コストとサポートレベルのバランスに関する選択の広がり
必要とするサポートのレベルに応じて、サービス、保守にかけるコストを選択することが可能であり、高度なサポートを必要としないエリアでは、コストをかけずに素早くビジネスを立ち上げることができます。また、ビジネスの拡大に応じて、サポートレベルを上げていくことも可能です。 - コミュニティの集合知によるITの活用方法の広がり
Web 2.0 (ソーシャルネットワーク、マッシュアップ開発など)に代表される、コミュニティモデルならではの新たなITの活用が可能になります。
IBMでは、Linuxとオープンソースソフトウェアのメリットを活かしながら、IBM独自の付加価値を実現するために、3つの「オープン」をキーワードとする取り組みを行っています。

IBMのオープンテクノロジー戦略
- オープンスタンダード(業界標準)
IBM は、相互接続性、相互互換性に関する多くの特許を、オープンソース・ソフトウェアでの利用に対して無償で開放しています。 - オープンソースソフトウェア
IBM 製品と オープンソース・ソフトウェア の親和性を向上し、ミッションクリティカル・システムで求められる信頼性、高性能を提供する IBM 製品と組み合わせての活用を可能にすることで、より高度な機能を必要とするお客様に独自の付加価値を提供します。 - オープンアーキテクチャー
全てのIBM プラットフォームとIBM ソフトウェア製品の Linux 対応により、プラットフォーム・ニュートラルなアプリケーション環境を実現しています。これにより、お客様の選択肢と自由度が広がります。これは、マルチプラットホーム環境の統合管理やエンタープライズ・クラウドコンピューティングを実現する基礎となります。
IBMではこのようなオープンテクノロジー戦略に基づいて、エンタープライズLinuxへの取り組みを行っています。
また、Linuxのみならず、OSSの活用範囲を広げ、お客様に新たなビジネス価値を提供することにも力を注いでいます。
サーバー仮想化技術のエリアでは、オープンな仮想化技術採用の促進を目的としたコンソーシアム「Open Virtualization Alliance」を賛同企業とともに設立しました。コンソーシアムは、OSSの仮想化技術であるKVMをベースとしたソリューションの推進、事例や情報の共有などを通じて、お客様のビジネスニーズにとって理想的な仮想化環境を提供する選択肢の1つとしてKVMの活用を促進します。
IBMは、Linux/OSSをはじめとするオープン・テクノロジーを活用し、環境、エネルギー、食の安全など、地球規模の課題をITの活用により解決し、地球をより賢く、よりスマートにしていく「Smarter Planet」の実現を目指します。
Linux は、Linus Torvalds の登録商標
