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代表取締役社長 片岡 久
IBMは「スマーター・プラネット」という考え方を提唱しています。
人と人をつなぐインターネットはすでに30億人の人々のネットワークになっていますが、いまや人だけでなく、車や荷物や道路に埋め込まれたさまざまなセンサーが情報の受発信の主体となって接続されています。日々、膨大な情報がインターネット上を流れているわけですが、それらをさまざまな視点で解析し、パターンを見つけることで、今まで見えていなかった因果関係が見えてきたり、近未来の予測が可能になったりすると考えられています。
世界を情報とネットワークによって相互につながった巨大なシステムとしてとらえていくことが、これからのビジネス機会を創造していく上で重要になってきました。またそのようなビジネスをリードする人材として、グローバルでシステマティックな思考のできる人が求められています。
複雑な世界をシステムとしてとらえ、膨大な情報の海に潜むニーズを発見
経営者の間に、世界がさらに複雑化していくという認識が広まってきています。今年発表された、IBMのCEOスタディというサーベイによると、CEOの方々は、世界が今後さらに複雑さを増してくると考えています。
そして、その不確実な世界、変化の振幅が激しい複雑な世界が、これからますます拡がってくることを前提として、成長し続ける企業は複雑さを避けて通るのではなく、ビジネスの機会を見つけるために、「複雑性を武器にする」ことに挑戦しています。
複雑な世界はわかりにくく危険が大きい世界ですから、それを回避するのが従来の考えでした。ところが今回の調査結果では、これからは複雑さの度合いが増してくる世界にこそビジネス・チャンスがあるという方向性を打ち出しています。
たとえば科学の世界におけるさまざまな解析は、ランダムに発生している事象や偶然起きていると思われることの背後に、ある種の繰り返し起きるパターンを発見したり、表面的には確認できなかった法則性を浮き彫りにしたりしてきました。このようなシステム・アプローチを世界で起きているさまざまな事象やビジネスの世界にも適用することで、新たなビジネス・モデルの創造や、世界中の希少な資源の有効利用、さらにさまざまな組織の活動が効率よくできるようになることが期待されています。
複雑な世界で敏感に変化をとらえ、創造的に対応できる人材を育成
人材育成の観点から見ますと、新しいリーダーには曖昧でビジネスになるかどうかわからない分野に果敢に挑戦し、あたらしいビジネス・モデルを作り出すことで世界中に新しい価値を付け加えることが期待されるでしょう。その人材は世界をシステムとしてとらえるという発想を持った人たちであり、この世界に新しい関係性を作り出したり、従来の関係を再構築したりすることで新たな価値を生むことをデザインできる、創造性のリーダーシップを発揮する人たちです。
創造性のリーダーシップ
創造性のリーダーシップという言葉は、トップマネジメントが創造性を発揮すべきであるという意味ではありません。組織全体が創造力を持ち、組織のすべてのメンバーが創造性を発揮することができるようにするためのリーダーシップです。組織全体が創造性を発揮できる環境をつくっていくというリーダーシップです。
この創造力を発揮する組織というのは、どんな組織なのでしょうか。ただ指示を受けてきめられたルールにのっとって行動する組織では、創造力を発揮できません。世の中が複雑化し、変化がより激しくなっていく中で、組織のなかの一人一人が変化を自分のものとしてとらえて、変化に適応していくために従来のやり方を変えたり廃止したりして、新しい方法を作っていくことができる組織が、創造性を発揮する組織といえるでしょう。 一人ひとりが、自立して行動することができるようにする。自立していながら連携して行動ができるような環境をつくっていく、ということがポイントになります。
このように創造力を組織全体で開花させていくためのセッション、あるいはその場のエネルギーを高めていくワークショップ、そういった研修の場もIHCSではご提供しています。
組織変革にむけて
組織全体が創造性を発揮するような環境作りをご支援するために、ただ単にリーダーシップに関する研修を行うだけではなく、組織全体の風土変革のサポートをさせていただきます。お客様の現状を深く理解し、課題の抽出とその原因の把握を行います。
創造性を発揮する組織を作るためのさまざまなアプローチをご一緒に検討し、その作業を通じてより緊密な関係を構築させていただき、自立した個人の集合として変化に適応することができる組織の実現をご支援いたします。
プロジェクト型組織へ
世界中が複雑になってくる中で、オペレーションをいかにシンプルにするかということが、重要になってきます。これは複雑なものを単純にする、簡潔にすることによって変化に敏感に対応できるようにするための取り組みです。
たとえば以前IBMには100人を越えるCIOがいました。それぞれの国、それぞれの事業部単位でCIOがおり、各国や事業に合わせたプロセスがあり、独自のシステムを使っていました。それが今現在、CIOは一人です。あるプロセスに使われるシステムは世界中で一つです。そうやってシンプルにすることそのものが、グローバルな経営をしていく上で非常に大きな価値を生んでいます。
業務プロセスを簡素化していくためのプロジェクトの進め方や、お客様からの複雑なご要望にお応えしていくためにさまざまな部門にまたがるチームを組織して運営するプロジェクト型組織の運用方法など、IHCSの研修の内容をお使いいただけるのではないでしょうか。
個性を持った人たちの集まりで組織力を高める
IBMグループが約20年にわたり取り組んでいるのは、個性を持った人たちの集まりで組織力を高めること、そして、社員一人一人がグローバルに標準化された様々なツールやプロセスを使いながら、それぞれの個性を活かし、自主的な取り組みによって豊かなコミュニケーションを持ったチームワークを築いていくことです。
従来、日本企業の強みであった同質化したチームによる阿吽の呼吸による組織力は、終身雇用制度の終焉や成果主義の導入など、個人に焦点をあてた人事施策の展開によってもはや望むことはできません。これからの日本企業が複雑化と変化の時代を生き抜いていくためには、自立した個人が創造性を発揮する組織作りを進めていくことが求められています。さらなるグローバル化に向けて、IBMがこれまで行ってきたさまざまな施策とノウハウを基礎としながら、皆様のグローバル人材の育成に貢献させていただきたいと考えております。
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