2003年9月25日
金融市場向けの新ソリューション提供など、グリッド事業を拡大
‐ニッセイ基礎研と日本初の本格的金融グリッド開発、主要ソフトのグリッド対応を推進‐
日本IBM(社長:大歳卓麻)は、世界中に存在するサーバーやストレージ、ソウトウェア、データ資源を、ネットワークを介し共有し有効に活用することにより、仮想的なコン
ピューター・システムを必要に合わせて作り出す次世代のコンピューター技術「グリッド・コンピューティング」の新たな金融市場向けの新ソリューションの提供を順次、開始し
ます。また、日本や世界で、商用分野や公共分野におけるグリッド活用事例を発表しました。このほか、商用化に向けビジネス・インテリジェンス・ソリューション・プロバイ
ダーのSAS Institute Japan株式会社などの日本のパートナー企業との協業を発表しました。
グリッド・コンピューティングは、世界の製造業、研究機関、金融サービス、電気通信、教育などのさまざまな産業のお客様が、基幹業務のビジネス課題に取り組むために活用し
始めています。IT資産の使用率、即応性、およびコストを改善に役立つ技術として、グリッド・コンピューティングが実用的な選択肢として急速に浸透してきています。
また、日本IBMは、お客様の基幹業務におけるグリッド・コンピューティングの活用を推進するため、主要ソフトウェア製品のグリッド対応を最近相次いで発表しました。種類
の異なる複数のデータベース(DB)をあたかも一つのDBとして利用できるデータ・グリッド機能を搭載したDB2(R) Information Integrator をはじめ、適切なコンピューティング・リソースを、適切なタイミング
とプロセスで自動的に割り当てるというグリッド機能を実装したアプリケーション・サーバー・ソフトWebSphere(R)(ウェブスフィア)を提供しており、Tivoli(R)(チボリ)のオートノミック・コンピューティング(自律型コンピューティング)機能により仮想化されたグリッド環境下の
資源管理を実現します。これらのミドルウェアでオンデマンド・オペレーテイング環境でのグリッド・コンピューティングを推進しています。
(1) 新たに金融市場向けのソリューションを提供
新しい金融サービス業界向けソリューションとして次のグリッド・オファリングを発表しました。
高速解析向けグリッド・オファリング「銀行業におけるカスタマー・インサイト」
日本IBMとSAS(R) Institute Japanは、銀行業における顧客分析のための新グ
リッド・オファリングでの協業を予定しています。SASが提供する金融業界向けインテリジェンス・ソリューション、SAS
Banking Intelligence Solutionsの一部である SAS Credit Scoringを利用されるお客様は、プログラムを書き換えることな
くすぐにシステムをグリッド化できます。このオファリングは、カスタマー・インサイト・アプリケーションの高速化、統計モデル実行のサイクル・タイムの短縮、および顧客の
獲得と維持についてのより高度で高精度な分析を実現することで、銀行の競争力を強化します。さらにこのオファリングは、コンプライアンス、不正検出、およびその他のリス
ク・マネジメント機能として使用できます。
(2) 世界の先進事例
ニッセイ基礎研 -- グリッド技術を活用して金融リスク管理計算を高速化
ニッセイ基礎研究所では、グリッド技術が金融リスク計算の高速化に役立つと判断し、日本IBMの東京基礎研究所と共同研究を開始しました。現在までの実験では、
Linuxを搭載した8台のパソコンを接続してグリッド化することで、これまで約10時間かかっていた計算処理が約49分に短縮され、約12倍もの高速化に成功していま
す。同社の主席研究員である田中周二氏は次のように語っています。「グリッド技術を利用することで、複雑な金融デリバティブのリスク管理計算の高速化が実現できるほか、さ
まざまな角度での分析や、リスクを考慮した新たな金融ビジネスの展開も期待できます」。今後両社は、セキュリティー技術やスケジューリング機能などを含む金融グリッド・ミ
ドルウェアの開発を進めていきます。
モルガン・スタンレー -- 財務分析アプリケーションをグリッド化し、処理時間を短縮
IBM(R)は、モルガン・スタンレーと協力し、同社のバッチ処理計算の大半を分散することによって処
理時間を大幅に短縮しました。モルガン・スタンレーは次のように語っています。「IBMは、Intel(R)プロセッサーベースのマシン数百台からなるグリッドで実行される財務分析アプリケーションで、パフォーマンスの大幅な改
善を実現してくれました。モルガン・スタンレーでは、コンピューティング資産の柔軟性および使用率のさらなる改善に向けた戦略の一環として、引き続き先進の分散コンピュー
ティング・モデルを追求していきます。」
ヒューイット・アソシエーツ -- グリッド技術を年金モデリング・アプリに適用し、処理コストを9割削減
IBMは、グローバル・アウトソーシング/人事コンサルティング会社のヒューイット・アソシエーツと協力して、グリッド、Linux、およびWebSphereを活用し
た、同社の年金モデリング・アプリケーションのソリューションを構築しました。このソリューションは、IBMのメインフレーム「IBM
zSeries(R)」とブレード・サーバー「IBM
BladeCenterTM」、および、DataSynapse社のGridServerソフトウェアを活用しています。このグリッド技術により、
ヒューイット社は、アプリケーションを書き直すことなく、計算処理コストを約9割に削減しました。
この他、IBMは世界で多くのグリッド・コンピューティング事例で成功を収めています。
- ニー・アン・ポリテクニック(Ngee Ann Polytechnic)・・・シンガポールの技術教育機関として初めてグリッド・コンピュー ティングを導入し、データや処理能力を職員や学生が共有しています。
- T-システムズ(ドイツ・テレコムの一部門)・・・フランクフルトにあるT-システムズ・ハイ・セキュリティ・データセンターでグリッド・デモ ンストレーション・センターを開発し、商用グリッド・コンピューティングを実現しています。
- 「IN2P3(国立核物理素粒子物理研究機関)」・・・フランスおよびヨーロッパの高エネルギー物理学コミュニティーのコンピューティング・セ ンター「IN2P3」では、18の原子力研究所を接続するデータ・グリッドを構築しています。
(3) 主要ソフトウェア製品のグリッド対応を推進
- DB2 Information Integrator ・・・異種分散環境での仮想化を実現するデータベースとして、企業内の部門や企業の壁を越えたデータ ベースやスプレッド・シート、XML文書など、多様な形式で保存されている分散データに透過的にアクセスできるデータ・グリッド機能を提供しています。本年6月から出荷さ れ、リレーショナル・データベースのデータ・グリッド製品としては業界最初の製品です。
- WebSphere Application Server (WAS) ・・・WAS 5.0.2はクラスター内の個々のサーバーの負荷を監視し、自動的に 最もワークロードの軽いサーバーにアプリケーションを割り振るというグリッド機能を提供しています。これにより、動的に資源を融通する柔軟なWebサービス・アプリケー ションが実現されます。WAS5.02は8月から出荷され、Webアプリケーション・サーバーでは業界で最初のグリッド機能を提供します。
- Tivoli ・・・IBMが本年5月に買収したカナダのThink Dynamics社が持つ、システム需要の一時的な増大に合わせて、適切なコンピュー ティング資源を割り当てる技術を取り込み、グリッド・コンピューティングの異機種分散環境の管理を動的に実現できる機能の提供を予定しています。
IBMではこれら主要ソフトウェア製品のグリッド機能を今後も強化しつつ、グリッドのオープン・スタンダードであるOGSA (Open Grid Service Architecture)に対応していく開発意向表明をしています。
以上
IBM、BladeCenter、DB2、e-businessロゴ、
、Tivoli、WebSphere、zSeriesは、IBM Corporationの
商標。
Intelは Intel Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
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日本IBMトップページ:http://www.ibm.com/jp/
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