<ご参考資料>
2004年2月16日
低電力・高性能のマイクロプロセッサー製造に関する新技術を発表
−業界で初めてSOIとストレインド・シリコン、銅配線の3技術を統合−
[米国ニューヨーク州イーストフィッシュキル 2004年2月13日(現地時間)発]
IBM(R)(本社:米国ニューヨーク州、会長兼CEO:サミュエル・J・パルミサーノ)は、シリコ
ン・オン・インシュレーター(SOI)とストレインド・シリコン、銅配線の3つの技術を業界で初めて組み合わせ、低電力で高性能のマイクロプロセッサーを製造できる新技術
を開発したと発表しました。
IBMは、新技術を自社の300mmウエハー生産拠点において90ナノメートル(nm)の微細プロセスを使用した半導体の大量生産に、ただちに応用します。64ビットのマ
イクロプロセッサー「PowerPC 970FX」は、IBMの3種類の革新的技術を駆使した最初のチップです。同チップは、Microprocessor
Report誌の「ベスト・デスクトップ・プロセッサー部門」で「アナリスト・チョイス・アワード」を受賞したことが、2月5日に発表されています。
SOIとは、絶縁膜上に形成した単結晶シリコンを基板とした半導体技術で、プロセッサー基板上のトランジスター層から絶縁層を超えて流れ出る電荷の停留を減らすことができ
ます。ストレインド・シリコンは、歪応力の下では電子の移動度が大きくなることを利用して、半導体上の電流のオンとオフの切り替えを高速化し、性能を向上させる技術です。
また、従来チップ配線に使用されていたアルミニウムを銅に移行すると、伝導抵抗が少なく高速で駆動するチップを製造できます。
3つの技術を組み合わせた新技術で製造された最初のPowerPC 970FXチップは、同等のプロセッサーと同クロック以上で動作しながら、大幅な省電力を実現します。
IBMでは、新プロセス技術を利用したチップを増産するに従い、プロセッサー効率はさらに改善できると期待しています。
チップ設計者やメーカーは現在、処理速度の高速化とさらなる省電力化という、相反する目標を追求しています。2つの目標のいずれかを達成するためには、一般的に半導体メー
カーは、性能のために電力を犠牲、あるいは大幅に劣化させるか、逆に電力を優先するかを選択する必要があります。IBMは、「ストレインド・シリコンとSOIを同じ製造プ
ロセスに統合する」という技術革新を行い、この難問を解決しました。これによりトランジスターを通過する電子の流れが高速化されて性能が向上するとともに、電力消費を低減
するためにトランジスターを絶縁するシリコン内の絶縁層が提供されます。
■PowerPCのパワー・チューニング
IBMの新型マイクロプロセッサーPowerPC 970FXは、デスクトップからサーバー、ストレージ、通信機器まで、64ビット処理と低消費電力が必要な業務に幅広く
応用できるよう設計された製品です。アップル・コンピュータは、PowerPC 970FXをApple Xserve G5 1Uラック搭載型サーバーに採用する計画を
発表しています。
PowerPC 970FXは、上記の新技術以外にも、新たにIBMが改良したプロセッサーの省電力技術「パワー・チューニング」を活用しており、周波数と電圧に対して高
度でシステム全体を通じたチューニングと制御が可能となっています。「パワー・チューニング」については、2月16日(現地時間)にサンフランシスコの国際固体回路学会
(ISSCC)で詳細が発表されています。
IBMのPowerPC 970FXは、デュアルコアのサーバー用マイクロプロセッサー「POWER4TM」の技術をベースに開発されています。PowerPC 970FXで稼動する最新のアプリケーションは、64ビットで稼動
できるため、18エクサバイト(約180億×10億バイト)という大規模メモリーに、バーチャル・アドレスを指定できるようになります。その一方、32ビット・アプリケー
ションもネイティブで実行できるため、ユーザーは64ビット・アプリケーションに移行した後も既存のソフトウェアを継続して使用できます。970FXの設計では対称型マル
チプロセッシング(SMP)もサポートするので、さらに高速処理が必要な場合は、複数プロセッサーを連携させて動作させるシステムも構築できます。
■Bernard S. Meyerson(IBMフェロー兼IBMシステムズ・アンド・テクノロジー・グループ チーフ・テクノロジスト)のコメント
「IBMはSOIやストレインド・シリコンをはじめとする技術革新の追求と早期の実用化をめざして、数十年間全力で取り組んできました。この努力によって新世代の省電力
チップへの道が開かれたのです。IBMが先がけて取り組んだ技術を融合したことで、お客様からの要望が高まっている省電力を達成するために、性能を犠牲にする必要はもはや
なくなりました。」
以 上
IBM、POWER4、は、IBM Corporationの商標。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
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日本IBMトップページ:http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース:http://www.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/press
