<ご参考資料>
2006年8月15日
ワールド・コミュニティー・グリッド上で
「がん撲滅支援」プロジェクトをスタート
コンピューターのアイドリング時間の寄付により、誰もが先進的ながん研究を支援可能に
[米国ニューヨーク州アーモンク 2006年7月20日(現地時間)発]
IBM®(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は、ニュージャージー医科歯科大学(University
of Medicine and Dentistry of New Jersey:UMDNJ)のロバート・ウッド・ジョンソン・メディカル・スクール(Robert
Wood Johnson Medical School)およびニュージャージーがん研究所(Cancer Institute of New Jersey)などの研究者の協力のもと、「ワールド・コミュニティー・グリッド」を活用したがん撲滅を支援する活動を新たにスタートしました。
「がん撲滅支援(Help Defeat Cancer)」プロジェクトは、世界最大規模の人道的活動「ワールド・コミュニティー・グリッド」が提供する、グリッド技術による仮想的なスーパーコンピューターを基盤に巨大な演算能力を活用する3番目のプロジェクトとなります。「がん撲滅支援」プロジェクトは、がんの基本メカニズムの解明を支援し、がん患者の治療法や療法計画を改善するための研究者支援につながることが期待されています。IBMは情報技術力を駆使し、少なくとも3カ月間ワールド・コミュニティー・グリッド上で「がん撲滅支援」プロジェクトを推進します。このプロジェクトにより、研究者は膨大な数のがん組織マイクロアレイ(tissue
microarray:TMA)の分析を同時に行えるようになり、複数の実験をこれまでより短時間で実施することが可能となります。
「『がん撲滅支援』プロジェクトのおかげで、ワールド・コミュニティー・グリッドが、従来のコンピューターでは完了までに約130年は要すると思われる数の標本分析を、1日で実行可能としてくれます。ワールド・コミュニティー・グリッドがなければ、普通のコンピューターで、TMAをがん組織ごとか或いは小さな単位でしか分析処理できませんでした。」と、UMDNJ−ロバート・ウッド・ジョンソン・メディカル・スクールの主席研究員で病理学教授、かつ生物医学イメージング・センター(Center
for Biomedical Imaging)所長でニュージャージーがん研究所の免疫組織化学共有資源プログラムの共同ディレクターを兼務するデビッド・J・フォラン(David
J. Foran)博士は語っています。
研究者は、ワールド・コミュニティー・グリッドのスピードと先進技術をいかすことで、測定可能なパラメーターの微妙な変化を検知・追跡することが可能となり、手作業の検査や従来の分析手法だけではつかめない予後の手掛かりを容易に発見できます。すでに研究者は、組織マイクロアレイの自動的な画像化、分析、アーカイブ保存、共有を目的とする、Webベースのロボット型プロトタイプまで開発しています。「がん撲滅支援」プロジェクトはまず、乳がんのTMA分析から着手し、その後頭部と首部のがん分析へと対象を拡大していく予定です。
ニュージャージーがん研究所所長で、腫瘍学プログラム副学部長(associated dean of Oncology programs)、UMDN−ロバート・ウッド・ジョンソン・メディカル・スクール薬学部教授を兼務するウィリアム・N・ヘイト(William
N. Hait)博士は、次のように語っています。「がん研究の実践法を文字通り変革できるようなプロジェクトに参加することは、まさにニュージャージーがん研究所で実施されている研究の質の高さを実証することにもなります。」
ワールド・コミュニティー・グリッドの Webサイト
http://www.worldcommunitygrid.org(英語)から、無償のソフトウェアをダウンロードして登録さえしていただけば、誰でもコンピューターのアイドリング時や空き時間のリソースを寄付することができます。現在、20万人以上のボランティアがワールド・コミュニティー・グリッドを通じ、迅速かつ容易に、安全かつ万全のセキュリティーの下で36万台以上のコンピューター資源を提供し、がん研究の推進に協力しています。Windows®、Linux®、MacをOSとして使用するコンピューターであれば、ワールド・コミュニティー・グリッドに参加することができます。
2004年11月にスタートしたワールド・コミュニティー・グリッドは、個人および企業のコンピューターの空き時間の演算能力を活用して、世界が抱える最も困難な社会的問題の解決を支援する世界規模の人道的活動です。現在、世界中では6億5,000万台以上のPCが使われているといわれ、そのどれもがワールド・コミュニティー・グリッドに参加することが可能なのです。グリッド・コンピューティングは、数千台規模、ときに数百万台規模で個人のコンピューターの処理能力を結集し、途方もない演算能力を備えた巨大な「仮想」システムを構築することができる、急成長を遂げる先進的な技術です。グリッド・テクノロジーにより、世界最大のスーパーコンピューターをはるかに凌駕する処理能力を提供することができるのです。
ワールド・コミュニティー・グリッドのパートナーであるランス・アームストロング財団の理事長兼CEO、ミッチ・ストーラー(Mitch Stoller)氏は次のように語っています。「グリッド技術は、がん研究の突破口へとつながる計り知れない可能性を提供するだけでなく、『がん撲滅支援』プロジェクトによって、個人が容易にがんとの闘いに協力できる方法も提供してくれる素晴らしいわくわくさせる技術です。ワールド・コミュニティー・グリッドはランス・アームストロング財団の活動に最適であり、また『団結は力なり(Unity
is strength)』という私たちの信念にまさにふさわしいプロジェクトです。私たちは、財団の全コンピューターにこのソフトウェアを導入することによって当イニシアティブを支援するとともに、この重要な活動をコンピューターを持つすべての人々に同じように支援していただけるよう働きかけていきたいと思います。私たちは一致団結することにより、がんに苦しむ人々に多大な貢献を果たすことができるのです。」
「ワールド・コミュニティー・グリッドは『世界にとって価値あるイノベーション(innovation that matters for the world)』を本当の意味で体現する社会貢献の活動です。コンピューターを持っていれば、誰でも、世界のどこにいても、がんとの闘いに参加することできるのです。」と、IBM国際財団(IBM
International Foundation)理事長兼IBMコーポレート・コミュニティー・リレーションズ担当バイス・プレジデント、スタンリー・S・リトウ(Stanley
S. Litow)氏は語っています。
「がん撲滅支援」プロジェクトは、フォラン博士が指揮する国立衛生研究所が資金を提供する他の2つのプロジェクトの延長線上にあるものです。3つのプロジェクトはすべて、ニュージャージーがん研究所、UMDNJ−ロバート・ウッド・ジョンソン・メディカル・スクール、ラトガーズ大学、ペンシルバニア大学の研究者による共同プロジェクトです。
ニュージャージーがん研究所について
ニュージャージーがん研究所(Cancer Institute of New Jersey:CINJ)はニュージャージー唯一の国立がん研究所が指定する総合がんセンターで、がんの予防および発見、がん患者の治療および看護の改善に取り組んでいます。CINJの医師を兼ねる研究者たちは、研究室での発見を臨床段階で有効な手段へと発展させる(文字通り研究と生命を結びつける)応用研究に従事しています。ニュージャージーがん研究所のネットワークは、ニュージャージー全域17カ所の病院で構成され、重要な発見をいち早く地域医療に反映させるメカニズムを支えています。ニュージャージーがん研究所はUMDNJ‐ロバート・ウッド・ジョンソンメディカル・スクール校におけるセンター・オブ・エクセレンス(Center
of Excellence)に指定されています。CINJへの支援についてはニュージャージーがん研究所財団にお問い合わせください(732-235-8614)。詳細については、下記同研究所のWebサイトをご覧ください。
http://www.cinj.org/(英語)
UMDNJについて
ニュージャージー医科歯科大学(University of Medicine & Dentistry of New Jersey:UMDNJ)は、米国内最大の独立経営の公衆衛生科学大学で、学生数は5,500人以上、州内各所の5つのキャンパスに3つの医学部、同州唯一の歯学部、生物医科学の大学院、医療従事者養成学校、看護学校、公衆衛生専門学校を擁しています。毎年200万人以上の患者がニューアーク、ニューブランズウィック/ピスカタウェイ、スコッチプレーンズ、カムデン、ストラットフォードのキャンパス内にあるUMDNJの医療施設を訪れています。UMDNJは大学病院のほか、ニューアークにレベル1外傷治療センター(Level
I Trauma Center)、そしてメンタル・ヘルスおよび依存症治療のサービス・ネットワークである大学行動医学ヘルスケア(University
Behavioral HealthCare)を運営しています。
ランス・アームストロング財団について
ランス・アームストロング財団(Lance Armstrong Foundation:LAF)は、がんに苦しむ人々を励まし、闘病の支援策を提供しています。財団の活動では、生活面に重点をおいてがん患者を支援しています。団結は力であり、知識は武器となり、生きる姿勢がすべてであると確信しています。がんと診断された瞬間から、LAFは、自分自身で納得の行く生活を送るために必要な実践的な情報およびツールを提供します。LAFは提唱、公衆衛生、研究を通じてその使命に取り組んでいます。テキサス州オースティンに本部を置くLAFは、がんを克服した自転車競技のチャンピオン、ランス・アームストロングによって1997年に設立されました。詳細については下記同財団のWebサイトをご覧ください。
http://www.livestrong.org/(英語)
以 上
IBMは、IBM Corporationの商標。
Windowsは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標。
Linuxは、Linus Torvalds氏の米国またはその他の国、あるいはその両方における商標。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
<ホームページ>
日本IBMトップページ:http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース:http://www.ibm.com/press/jp/
