2007年12月14日
世界のCFOが直面している課題についての調査結果
−世界の2/3の企業が重大なリスクを経験しているが、
そのうちの約半分はリスクへの準備が不十分と回答−
IBMビジネスコンサルティング サービス株式会社(本社・東京都千代田区、社長・椎木茂
以下IBCS)は14日、世界の主要業界のCFOと経理財務部門の上級管理職を対象に行った調査結果「IBM
Global CFO Study 2008」を発表しました。
今回の調査は2007年の3月から8月にかけて、79カ国、約1,230社(うち日本は67社)を対象に、IBMのコンサルタントによる面談形式のインタビュー、およびエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(注)によるオンライン調査にて実施しました。対象地域は、北米・中南米、欧州・中東・アフリカ、日本を含むアジア太平洋地域です。
今回は、CFOと経理財務部門の上級管理職が特にリスク管理において、どのような役割を果たし、それらが有効に機能しているかについて、仮説を立てて調査を行っていることが特徴です。
リスク管理の観点では、収益が50億ドルを超える企業の3社につき2社が、過去3年間で戦略的リスクや地政学的リスクなどの重大なリスクを経験し、そのうちの約半数の企業が、準備が十分でなかったと回答しています。一方、日本においても同様に、過去3年間で重大なリスクを経験している企業は63%で、約半数の会社が、準備が十分でなかったと回答しています。
The Global CFO Study 2008における主要な調査結果、および考察は以下の通りです。
1. 統合は効率の向上と収益の増加をもたらす
- 市場経済の拡大と高度な情報通信技術や輸送網の普及とがグローバルに、急速に同時進行するなかで、企業が経営資源をグローバル規模で最適化し、さらなる競争力向上と経営効率化を図る「グローバルに統合された企業 (Globally Integrated Enterprise :GIE)」への変革が求められています。
- GIEを実現するための経理財務組織をIBMでは「Integrated Finance Organization(以下IFO)」と定義し、それには以下の4つの要素を実現することが必要です。
- グループ標準の義務化
- 企業全体での勘定科目の共通化・標準化
- 企業全体での共通データの定義
- 標準化された共通業務プロセスの利用
- IFOを実現する企業の特徴は、法令遵守などのビジネスの課題に対してより効率的に対応し、過去5年間の成長率/株価の上昇が高いことです(IFOの導入割合 世界:約10%、日本:約3%)。
2. 正しい数値の把握にはプロセスとデータの統合が不可欠
- 経理財務部門やその上級管理職は、正しい数値データの把握が必要であり、業務処理の基準の整備・維持が不可欠です。そのためには、ERPやデータ・ウェアハウスなどのテクノロジーの活用と、シェアード・センターやアウトソーシングなどの業務処理の活用が重要です。
- テクノロジー活用の観点では、IFO実施企業の65%は、分散したERP環境の統合を行っています。これに対して日本企業は12%でした。
- IFO実施企業は、数値データを正しく把握ができており、より多くの時間を意思決定や統制活動に費やすことができます。例えば出張費の集計にかかる時間は、世界は1時間程度が45%に対し、日本では1日から1週間未満が39%となっています。さらに、データの迅速な取得は信頼性が高いという結果が出ています(1時間程度で取得:信頼性できる 43%、1日から1週間未満で取得:信頼性できる 12%)。
3. リスク管理にはCFOの役割がますます重要になっている
- 全世界では、財務報告リスクをはじめとするコンプライアンス・リスク(法的規制など)、流動性リスク、信用リスクなどに対する経理財務部門の貢献度は高いです。
- 経理財務部門の企業リスク管理に対する貢献や、CFOがリスク管理に対してリーダーシップを発揮する必要性は増しています。全世界では、CFOがリスク管理の総括責任者であると答えた企業が61%あり、CEOの50%を上回っています。一方、日本企業では、CFOがリスク管理の総責任者と回答したのは26%で、CEOの56%を下回っています。
- 日本のCFOや経理財務部門は、世界の傾向と比較して、リスク管理の報告をCEO、取締役会、事業部長、ビジネス・パートナーなど幅広く関係者に報告をする傾向にあります。
当調査で明らかになったCFOおよび経理財務部門の上級管理者が抱える課題をふまえ、IBCSは、経理財務部門の変革を支援し、BPM(ビジネス・パフォーマンス・マネジメント)やリスクマネジメントに関するフィナンシャル・マネジメント・サービスをさらに強化していきます。今回の調査を受け、企業のIFOへの成熟度を診断する、「IFOアセスメントツール」を提供いたします。具体的には約20の質問に回答いただき、企業のIFO成熟度を量ります。
注)当調査手法は、経理財務専門家、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(エコノミスト誌の調査部門)、ウォートン・スクールの教授陣、および各分野の専門家が参加した大規模なワークショップを通じて構築されました。収集されたデータは、IBM
Business Value Instituteのアナリストが分析し、調査報告書は、IBM グローバル・ビジネス・サービスのフィナンシャル・マネジメントのコンサルタント、IBMの経理財務部門の責任者、ウォートン・スクールの教授らによってまとめました。
IBMは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
