2007年4月27日
IBM、Cell Broadband Engineプロジェクトにより
バーチャル空間向けメインフレームの大幅な機能強化を目指す
IBMとブラジルのゲーム開発企業Hoplon Infotainment社との協業により、
先進3Dシミュレーション用のハイブリッド・プラットフォーム構築へ
IBM独自のメインフレームとCell/B.E.を統合
[米国ニューヨーク州アーモンクおよびブラジル・フロリアノポリス 2007年4月26日(現地時間)発]
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は26日(現地時間)、Cell
Broadband Engine™(Cell/B.E.)とIBMメインフレーム機能とを統合するプロジェクトを進めていることを明らかにしました。このプロジェクトは、3Dインターネットなど次世代の「バーチャル空間」用のアプリケーションを操作するために抜群の速度とパワーを持ち、セキュリティー機能を併せ持つ、ハイブリッド・システムの実現を目的としています。
このプロジェクトは、「特別な専用プロセッサー(specialty processors)」を通じ、動作の高速化や、多くのユーザーが同時に単一の世界を共有するバーチャル空間を創出する上で必要な超高速通信を実現する、独創的なネットワーキング・アーキテクチャーを実現するメインフレームの能力向上に投資するものです。
このプロジェクトは、IBMの研究所、ソフトウェアやハードウェア部門による専門知識を活かし、ブラジルのオンラインゲーム会社であるHoplon
Infotainment社と協力して進められています。同社のソフトウェアは、新しいプラットフォーム環境の機能テストにおける中心的なコンポーネントとなります。
IBM® System z™担当ゼネラル・マネジャーのジム・ストーリングス(Jim
Stallings)は次のように語っています。「オンライン環境は、3Dグラフィックスや、多くの同時参加ユーザー間の実生活に近いリアルタイム感覚のやりとりなど、バーチャル・リアリティーの要素をますます強めていく傾向にあります。あらゆる企業が高い性能とセキュリティー要件を満たし、幅広いニーズに対応できるコンピューティング・プラットフォームを必要としていくでしょう。こうした市場の要求に応えるために、Cell/B.E.は、数百万の同時ユーザーにサービス対応できるよう設計されたサーバーであるメインフレームの機能を補完する最適なプロセッサーなのです。」
このプロジェクトでは主に、大規模なオンライン・バーチャル・リアリティー環境、3Dマッピング・アプリケーション、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)や顧客情報管理(CRM)、3D仮想商店や3D会議室、コラボレーション環境や新型のデータ・リポジトリーといった、高度なシミュレーションをスムーズに実行できる環境の創出を目指しています。この目的を実現するために、メインフレームとCell/B.E.との間での最適なワークロード分割手法を取り入れる計画です。
Cell/B.E.とメインフレーム:理想的なパートナーシップ
メインフレームとCell/B.E.間の連携においては、Cell/B.E.がバーチャル空間での操作に関する複雑なシミュレーションを処理します。たとえば、バーチャル空間で投げられたボールに重力の法則に従った動きをさせなければならない場合などです。
このためにIBMとHoplonは、メッセージ伝送および物理シミュレーションを処理するために、HoplonのソフトウェアをCell/B.E.に移植しています。両社は、すでにシステム上で稼働するアプリケーションを分割するプログラミング・モデルとメッセージング・アーキテクチャーを構築しています。
メインフレーム側では、「bitVerse」と呼ばれる、バーチャル空間向けのHoplonの業界特化型ミドルウェアを稼働させます。bitVerseは現在、DB2®とWebSphere®
XDをランタイム環境の基盤に用いて開発を進めています。
加えて、メインフレームはミドルウェアおよびアプリケーションに対するアドミ管理タスクを実行し、事務処理(請求業務など)や、利用者が多数のサードパーティー機器、例えばPC、ゲーム機、携帯電話、ミュージックプレーヤー、テレビなどの接続機能を担います。
メインフレーム:多彩な機能を搭載
さまざまなサーバーの中でもメインフレームは、多様なタスクを処理するプロセッサーを組み込むことを前提として設計されています。たとえば、「専用プロセッサー」といわれるものには、データの暗号化・復号化に加え、Linux®、Java®やデータベース・ワークロードの支援機構などがあります。さらにメインフレームはI/O支援のために最大336個のRISCプロセッサーを搭載することができます。このようなメインフレームの設計における強力なアドバンテージがCell/B.E.とのスムーズな統合をはかる上で大いに有効であると考えられています。
さらに重要な点は、メインフレームのハイパーソケット技術が、単一のマシンに搭載されたすべてのバーチャル・サーバー間の高速通信を可能にしている点です。結果的にメインフレームこそが、数百のサーバーにわたる数百万もの同時参加ユーザーに対応できるテクノロジー・プラットフォームを必要とする大規模なバーチャル空間に適した、理想的なプラットフォームであると考えられます。メインフレームのハイパーソケットは、別々のバーチャル・サーバーで参加するユーザーが相互に最小限のタイムラグでやりとりすることを可能にします。これに対し分散型の環境では、多数の物理的サーバーがネットワーク・ケーブルで接続されるので、かなりのタイムラグが発生するおそれがあります。
そのほかにもメインフレームは、優れたセキュリティー機能の提供など、バーチャル・リアリティー用途に適した特長を持っています。国際共通基準のEAL(Common
Criteria’s Evaluation Assurance Level)として知られるセキュリティー認証で、IBMメインフレームは、IBMの最も優れた仮想化技術である論理区画(LPAR)において、最高度の認証であるレベル5を取得しています。
また、メインフレームは大規模なワークロードを処理が可能です。たとえば最近では、30億回のトランザクション履歴を有する3億8000万を超える顧客層を対象とするコア・バンキング・ベンチマークにおいて、リアルタイムで9,445tps(1秒当たりのトランザクション処理数)を記録し、世界最高の実績を達成しました。
IBM、ソニー株式会社、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、株式会社東芝の共同開発による革新的なCell/B.E.は、IBMの業界最先端技術であるPower
Architecture™と8個のSPE(Synergistic Processing Element:相乗演算処理要素)をベースとするセントラル・プロセッシング・コアを特長としている画期的な設計です。Cell/B.E.は数値演算用途(compute-intensive
applications)に卓越した力をもたらし、コンピューター・エンターテインメントや携帯機器、バーチャル・リアリティー、無線ダウンロード、リアルタイム・ビデオチャット、双方向TV番組など、「高画質が要求される」コンピューティング環境に適した高速の性能を提供します。この革新的なCell/B.E.プロセッサーは、ソニー・コンピュータエンタテインメントのPLAYSTATION®3、東芝のCell/B.E.アプリケーション用開発ツールであるCell/B.E.リファレンス・セット、そしてIBM
BladeCenter® QS20といった製品に使われています。また、IBMグローバル・エンジニアリング・ソリューションズの提供するCell/B.E.ベースのカスタム製品にも組み込まれています。
詳細については、http://www.ibm.com(US)をご覧ください。
2000年に設立されたHoplon Infotainmentは、マルチプレイヤーのオンラインゲームおよび複雑なシミュレーションに加えて、高度な情報システムに基づくオンライン・エンターテインメントおよびビジネス研修関連の事業を専門的に手がけています。Hoplonはブラジルのフロリアノポリスに事業拠点を置いており、同社のWebサイトは下記URLからご覧いただけます。
http://www.hoplon.com
以上
当報道資料は2007年4月26日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/21433.wss(US)
IBM、System z、DB2、WebSphere、Power Architecture、BladeCenterは、IBM Corporationの商標。
Cell Broadband Engine、PLAYSTATIONは、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの商標。
Linuxは、Linus Torvaldsの米国及びその他の国における商標。
JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴは Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標。
<関連サイト>
IBM Cell/B.E.ソリューショントップページ:http://www.ibm.com/jp/ibm/apto/cellbe/index.html
IBM System zトップページ:http://www.ibm.com/systems/jp/z/
<ホームページ>
日本IBMトップページ:http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース:http://www.ibm.com/press/jp/
