本文へジャンプ

プレスリリース

IBM、20年以上にわたりナノテクノロジーをリード



IBM、20年以上にわたりナノテクノロジーをリード
= 原子レベルの科学技術躍進の歴史 =


[米国ニューヨーク州アーモンク 2007年8月30日(現地時間)発]

IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)の2人の科学者が、個々の原子レベルの観測を初めて可能にしたSTM(走査型トンネル顕微鏡)を発明しノーベル物理学賞を受賞してから20年が経ちました。現在も、IBM研究所の科学者とエンジニアは、いわゆるナノテクノロジーの新たな領域を拓くための努力を続けています。

IBMは30日(現地時間)、原子レベルの2つの科学的躍進の成果を発表しました。第一の成果は、単一原子が特定の磁気方向を維持する能力を理解する上で重要な手段となるものです。この成果によって、原子を将来のデータ・ストレージ用途に使用するのに適したものにします。そして第二の成果は、分子コンピューターの構成要素となる可能性を持つ、単一分子内および隣接する分子内の個々の原子間のロジック・スイッチです。

原子レベルの研究にIBMが進出したのは、これが最初ではありません。実際、1981年のSTMと1986年のAFM(原子間力顕微鏡)という2つの画期的なIBMの発明により、原子レベルで物質を探査・操作するための専用ツールが世界中の研究者に初めて提供されました。

IBMの25年以上にわたるナノテクノロジーのイノベーションの歴史

1981年 - STM(走査型トンネル顕微鏡)がIBMの科学者によって発明され、導電基板上で個々の原子や分子のナノスケールの世界を容易に観測することが、初めて可能になりました。

1986年 - AFM(原子間力顕微鏡)がIBMおよびスタンフォード大学の科学者によって発明されました。ナノサイエンスの有用なツールとして短期間のうちに実用化され、ナノメートル領域での多目的イメージングと操作機能を提供するようになりました。

1986年 - IBM科学者のGerd Binnig(ゲルト・ビーニッヒ)とHeinrich Rohrer(ハインリッヒ・ローラー)が、STMの発明でノーベル物理学賞を受賞しました。

1988年 - IBMの科学者が、STMによって刺激できるナノメートル規模の局所的領域からの光子放射を観察し、発光や蛍光といった現象をナノメートル規模で研究することが可能になりました。

1989年 - IBMフェローのDon Eigler(ドン・アイグラー)が、初めて個々の原子を面上で制御可能な状態で操作しました。STMを使い35個のキセノン原子を配置して「I-B-M」とつづり、おそらく世界最小となる企業ロゴを作成しました。

1991年 - IBMの科学者が原子スイッチを実証しました。これは、最終的に原子サイズの電子デバイスを設計するための大きなマイルストーンとなりました。

1993年 - IBMとNECの科学者が、単一壁カーボン・ナノチューブとその金属触媒を利用した生産方法を個々に発見しました。

1996年 - IBMの科学者が、STMの操作技術を拡張して、初めて室温で個々の分子を配置しました。

1996年 - IBMの科学者によって、10個の原子を使った世界最小のそろばんが作成され、ナノスケール・エンジニアリングの重要なマイルストーンが新たに刻まれました。

1998年 - IBMの科学者とパートナーが、分子ホイールを発見し、これによってナノスケールの機械装置やモーター製造の見込みが示されました。

2000年 - IBMと大学の研究者が、極小シリコン・フィンガーを使い、微量の生化学物質を検出してDNAの特定パターンを認識するためのナノ機械センサーを開発しました。

2001年 - IBMの「Constructive Destruction」は、半導体ナノチューブと金属性ナノチューブを分離してナノスケールの動作トランジスターを形成する方法であり、これにより、シリコンの枠を超えてコンピューター・チップを構築する上での大きな障害を克服しました。

2001年 - IBMの科学者が、世界初の単一分子コンピューター回路として、ロジックを実行する集積回路に変換されたカーボン・ナノチューブ・トランジスターを発表し、分子コンピューターに向けて大きく前進しました。

2002年 - IBMリサーチの研究員が、分子カスケードを使って世界最小の動作コンピューティング回路を構築しました。分子カスケード内で、分子がドミノ倒しのように動く仕組みです。

2003年 - IBM、コロンビア大学、ニューオーリンズ大学の科学者が、磁気および半導体ナノ粒子の3次元の自己組織化を初めて実行して見せました。このモジュラー組織化方式により、ほぼ全ての物質を組織化することが可能になりました。

2003年 - IBMの科学者が、世界最小の半導体発光体の実演を行い、カーボン・ナノチューブを光学エレクトロニクスに適用できる可能性を示唆しました。

2004年 - IBMの科学者が、原子スケールの磁気構造の特性を研究するために、「スピン反転分光法(spin-flip spectroscopy)」という新たな手法を開発しました。科学者たちはこの手法を使って、単一原子の基本的な磁気特性、つまり、その磁気方向を反転させるために必要なエネルギーを測定しています。

2004年 - IBMの科学者が、超高感度MRFM(磁気共鳴力顕微鏡)を使って、単一電子スピンから放出される極小の磁力を測定し、MRI(磁気共鳴映像法)の感度を大きく上げる可能性を示しました。

2004年 - IBMの科学者が、個々の原子の帯電状態を操作、制御しました。個々の原子にかかる電子の電荷を付加または除去を達成したこの実績は、原子スケールの研究範囲を拡大する一助となります。個々の原子について異なる帯電状態に切り替えることで、化学反応性、光学的性質、または磁気モーメントの研究を今まで以上に制御できるようになる可能性があります。

2005年 - IBMリサーチの研究員が、ナノエレクトロニック・ファブリケーション技術を用い、光の速度を落とす極小デバイスを作成しました。これは、電子コンポーネントの接続に電気の代わりに光を使うという究極の目的に向けた大きな前進であり、コンピューターなどの電子装置の性能が大きく向上する可能性があります。

2006年 - IBMリサーチの研究員が、今日の標準シリコン半導体よりも高い性能が見込まれる新物質、単一「カーボン・ナノチューブ」分子をベースとする、初の完全な電子集積回路を構築しました。この回路は、標準半導体プロセスにより構築されており、個々に構築されたコンポーネントを結合するのではなく、回路の全コンポーネントのベースとして単一分子を使用したものです。この功績により製造工程が簡略化され、集積回路で使用する物質をより完全にテスト、調整するために必要な一貫性をもたらします。

2006年 - IBMの科学者が、原子の磁気を探査・制御するための強力な新しい手法を開発しました。これは、原子サイズにまで縮小された将来のコンピューター回路やデータ・ストレージ素子の動作を理解するために重要なツールというだけでなく、原子レベルの磁気現象を利用した新素材やコンピューティング・デバイスの基礎を築く上でも重要なものです。

2006年 - 分子電子工学(モレキュラー・エレクトロニクス)の基礎を調査する研究において、金原子を分子に付着させる量子力学を利用した方法が解明されました。この研究で、金属分子接触点を原子スケールの配置で制御する可能性だけでなく、その結合強度と接触点における軌道波動関数の位相を制御する可能性も実証されました。

2007年 - IBMは、初の「自己組織化」製造アプリケーションを実証しました。このアプリケーションは、究極の絶縁体である真空をナノワイヤーの周囲に形成するために使用されており、エアギャップ・チップ技術を用いて次世代マイクロプロセッサーを実現するものです。

2007年 - IBMリサーチの研究員が、ナノスケールの被写体を視覚化するためのMRI(磁気共鳴映像法)技術を開発しました。この技術によってMRIの機能は初めてナノスケール・レベルにまで進化し、3次元で原子構造を「見る」ことが可能な顕微鏡を構築する上で大きなマイルストーンとなりました。


画像と放送品質のビデオおよびインタビューを下記URLよりダウンロードすることができます。
(登録が必要です)
http://www.thenewsmarket.com/ibm(US)

以上

IBMは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標です。

<関連サイト>
日本IBM 東京基礎研究所トップページ : http://www.trl.ibm.com/
IBMトップページ : http://www.ibm.com/

<ホームページ>
日本IBMトップページ : http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース : http://www.ibm. com/press/jp/