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プレスリリース

廃棄ウェハーをソーラーエネルギーに変換するプロセスをIBMが他社に先駆けて開発



2007年10月31日

廃棄ウェハーをソーラーエネルギーに変換するプロセスを
IBMが他社に先駆けて開発
年間300万枚と推定されるシリコン・ウェハー廃棄量削減と再利用に貢献
原材料不足の太陽エネルギー・メーカーに新しい供給源を提供


[米国バーモント州バーリントン 2007年10月30日(現地時間)発]

IBMは30日(現地時間)、IBMのバーモント州バーリントンにおいて、革新的な半導体再利用プロセスを開発したことを発表しました。このプロセスは、半導体ウェハーに刻まれているパターンを除去するための特別な技術を活用し、コンピュータ、携帯電話、ビデオゲームや他の家電製品用に生産した半導体チップで廃棄処分になったもののウェハーを、シリコン・ベースのソーラーパネル部品に作り変えて再利用することができます。この新たなプロセスは、National Pollution Prevention Roundtable(NPPR)から「2007 Most Valuable Pollution Prevention Award」が授与されました。

IBMは、今回の新たな再利用プロセスを用いることで、ウェハーの表面からより効率的に知的財産に関する部分を除去することを可能にしました。このプロセスにより、廃棄処分となるウェハーを半導体製造過程における内部構造測定用の“モニターウェハー”として再利用したり、ソーラーパネル用光電池を製造するために必要なシリコン原料への需要が高まっている太陽電池業界に販売したりすることができるようになりました。IBMはこのプロセスの詳細を、製造過程から発生する廃棄物を削減し、成長著しいソーラーパネル業界に新たな原材料供給源をもたらすものとして、広く半導体製造業界に提供していく予定です。なおこのプロセスは現在、バーモント州バーリントン、ならびにニューヨーク州イースト・フィッシュキルにある、IBMの半導体生産拠点で利用されています。

中国で最も活発な事業展開しているソーラーエネルギー企業のひとつであるReneSolaの最高財務責任者、チャールズ・バイ(Charles Bai)氏は次のように語っています。「ソーラーエネルギー業界はシリコンの深刻な原材料不足に直面しており、この問題が業界の急成長を阻みかねない状況です。だからこそ、ソーラーパネルを製造するために必要な原材料の供給について、主に半導体業界でのシリコン材料の再利用に注目しているのです。」

IBMをはじめとする半導体企業は、携帯電話、コンピュータや家電製品にいたるまでのマイクロエレクトロニクス製品の原材料として、また製造プロセスにおける多数のステップを監視・制御するために、シリコン・ウェハーを使用しています。米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association:SIA)によると、世界の半導体業界全体で1日当たり25万枚のウェハーが製造されています。IBMでは、この製造されるウェハーの5%が廃棄されていると推測しており*1、これを1年単位で考えると、約300万枚のウェハーが廃棄されていることになります。ウェハー内部には知的財産が含まれているため、その大部分は他のベンダーで転用することができません。よって製造過程で廃棄扱いになったウェハーは、粉砕されて埋め立て地に送られるか、溶解した上で再販されています。

IBMコーポレーションの半導体ソリューション担当ゼネラル・マネジャーであるマイク・キャディガン(Mike Cadigan)は、次のように述べています。「IBMの環境保全に対するコミットメントは、半導体製造における原材料の再利用から、お客様が地球上で最も電力効率の良いデータセンターを管理・測定・運用することの実現まで、我々の事業全体に広がっています。IBMは、今回のウェハーをソーラーパネルへ生まれ変わらせる先駆的な工夫のような新たな取り組みを、他の製造業務過程においても数多く生み出してきています。」

IBMのこの新しいウェハーの再利用プロセスを活用し廃棄製品からモニターウェハーを作ることを、生産予定量に見合う新たなウェハー分を入手したとみなすことにより、およそ90%のエネルギーの節約が可能になるとしています。寿命を終えたモニターウェハーは太陽光発電産業向けに売却されます。ある太陽電池を生産する企業がこの再生ウェハーのプロセスの利用を選択した場合、新たなシリコン製品を使って生産するよりもおよそ30%から90%のエネルギーを節約することができました。これらのエネルギー削減効果は、半導体業界ならびに太陽発電業界双方のすべての炭素排出量(製造過程から廃棄までのライフサイクル全体で排出される二酸化炭素ならびに他の温室効果ガス)の削減が可能と捉えることができます。

このプログラムによって、モニターウェハーの使用が削減され、IBMのウェハー回収プログラムの効率が向上し、これにより米国バーモント州にあるIBMバーリントン工場では、2006年に年間50万ドル以上が節減できました。この節減額は、2007年度には年間約150万ドルになると予想しており、備蓄ウェハーの回収による一時的な節約効果も150万ドル以上になると推定されています。バーリントン市街から10マイル離れたエセックス・ジャンクションに位置するこの工場では、750エーカー(約303万5,175m2)の土地に20を超える建物があり、およそ5,600人が勤務しています。ここでは主に、半導体の開発、製造や試験を実施しています。

NPPRは、バーリントン工場の水質保全プログラムやエネルギー管理プログラムにも特別賞を授与しています。NPPRは、積極的な汚染防止(Pollution Prevention:P2)活動における米国で最も加盟数が多い団体であり、P2活動の窓口的な役割を果たしています。

IBMのマイクロエレクトロニクスにおけるイノベーションならびに画期的なシステム・オン・チップの設計は、これまでも半導体業界を変革してきました。IBMは、今日の限界を超えた極小化を実現しながらトランジスターの機能を強化するHigh-k、デュアルコアおよびマルチコアのマイクロプロセッサー、銅配線、シリコン・オン・インシュレーターおよびシリコン・ゲルマニウム・トランジスター、歪みシリコン、条件の変動にコンピューター・チップが自動的に対応できるようにするeFUSE技術など、画期的な技術的成果を達成しています。米国政府はIBMの40年におよぶ半導体のイノベーションに対して、米国における最高の技術的栄誉である「アメリカ国家技術賞(National Medal of Technology)」を授与しています。

以上

注)
*1:SIAは世界中で1日あたり25万枚のウェハーが廃棄されていると算出しています。IBMは(自社の半導体生産データに基づき)このうち3.3%が世界中で毎年廃棄されている、IBM自身も少なくとも年に300万枚のウェハーを廃棄していると推測しています。実際の廃棄率は運用効率や生産のノウハウにより変動します。

当報道資料は2007年10月30日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/22504.wss

<関連サイト>
IBM半導体ソリューション トップページ
IBM Project Big Green トップページ
National Pollution Prevention Roundtable(NPPR) トップページ(英語)

<ホームページ>
日本IBMトップページ:http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース:http://www.ibm.com/press/jp/