2008年4月24日
IBM、Web 2.0コンピューティング向けの新たなサーバー・カテゴリーの製品を市場に投入
新しい設計思想によるIBMのブレード、Linux、およびクラウド・テクノロジーを包括するプラットフォームで、データセンターの空調利用を大幅に削減
[米国カリフォルニア州サンフランシスコ 2008年4月23日(現地時間):Web 2.0 Expo発]
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は23日(現地時間)、オンライン・ゲーム、ソーシャル・ネットワーク、研究機関やインターネット・ビジネスを展開する企業など、何万台ものサーバーを使った巨大データセンターを運営するWeb
2.0向けのコンピューティングを活用する企業のテクノロジー要件に対応するように作られた、まったく新しい種類のサーバー・カテゴリーの製品を発表しました。
スケールアウト(サーバーの数を増やすことで需要の増大に対応)型のシステムで巨大データセンターを運営する企業では、1平方フィート(約929平方センチメートル)あたり、一般的なオフィス・ビルの10倍から30倍の電力を費やしています*1。これらの電力は、何万台ものサーバーの稼働や、サーバーを冷却するための空調の両方に使われています。ストリーミング・ビデオ、オンライン・ゲーム、ソーシャル・ネットワークがインターネットにおけるデータ転送量を急増させていることによるデータセンターの急激な拡大は今後も続いていくことが予想されるため、お客様は電力を大量に消費するコンピュータを多数確保して、年中無休24時間体制の運用に対応しなければなりません。
「IBM® iDataPlex」と名づけられた新しいシステムは、IBMのブレード・サーバーで培った技術を活用しつつ、次のようなまったく新しい設計思想にて構築されています。
- 単一ラックで稼働可能なシステムの数が2倍以上になります。
- 使用電力を40%削減する一方、演算可能な量を5倍に増強できます。*2
- システムの背面に液体冷却用の特別な扉を取り付けられるため、「室温」での稼働が可能になり特別な空調が不要になります。
- 使用コンポーネントはすべて業界標準なのに加えて、Linux®をはじめとするオープンソース・ソフトウェアの採用でコストの低減が可能になります。
「IBM iDataPlex」はラック・システムの新製品であり、冷却と消費電力の効率化に対する革新的な設計がなされているため、Web 2.0企業が一般的に使っている効率の悪い「ホワイトボックス(ノンブランド製品)」のサーバーからの移行に効果を発揮します。消費者がより豊富なコンテンツとWebベースのアプリケーションへ即時にアクセスできることを求めている中で、主要なWeb
2.0企業やサービス・プロバイダーは、iDataPlexの導入によって迅速に規模を拡張し、こうしたニーズに対応することができます。この新しいシステムにより、IBMは、WinterGreen
Research が100億ドル市場とみているWeb 2.0市場の要件に対応するソリューションをさらに強化していきます*3。
Hummer Winblad Venture Partnersの共同設立者兼マネージング・ディレクターで、WidgetBox、Sliderocket、Wavemaker、Elasta、およびmove
NetworkなどエンタープライズWeb 2.0やクラウド・コンピューティングに関する企業への出資をしている、アン・ウィンブラッド(Ann Winblad)氏は次のように述べています。「業界がすさまじい勢いで成長している現在、当社にとってエンタープライズWeb
2.0とクラウド・コンピューティングは最も成長している投資分野です。iDataPlexは、Web 2.0の阻害要因を解消し、この成長に拍車をかけることでしょう。ここで言う阻害要因とはすなわち、より多くのエンド・ユーザーにコンテンツを提供するために必要なシステム設置のためのスペースや消費電力量です。」
インターネット・スタイルのコンピューティングの商用化
インターネット業界のコンピューティング・モデルにならい、iDataPlexはステートレス型コンピューティングのために構築されており、多数のコンピュータの共有化や"クラウド"へと、効率的に変身させます。
IBMシステムズ&テクノロジー・グループのシニア・バイス・プレジデントであるビル・ザイトラー(Bill Zeitler)は、次のように述べています。「IBMは、iDataPlexでインターネット・スタイルのコンピューティングをいっそう効率化するもので、Web
2.0企業、金融サービスや研究といった、高性能なコンピューティングを求める業界に向けた製品です。iDataPlexは、Web 2.0ビジネスを推進する企業が、自社のビジネス・モデルを全面的に実現するための基盤を提供することができ、全世界のWebユーザー対してもサービスの向上をもたらします。」
新しいデリバリー・モデル-工場直送
IBMは、iDataPlexをお客様からの注文に応じて生産し、すぐに稼働できる状態で工場から直接お客様にお届けします。この独自のデリバリー・モデルにより、iDataPlexの価格を「ホワイトボックス」のシステムに比べ低く抑えることに成功しています。
IBMは、iDataPlexを全世界のお客様に提供します。iDataPlexの発表に先立ち利用、もしくは利用を検討しているお客様には、次の各社を含む中国、ドイツ、日本、英国、米国のWeb
2.0企業や団体が挙げられます。
- Yahoo! Inc.は、グローバルなインターネット・ブランドの代表格で、全世界で最もトラフィックの多いインターネット・サイトのひとつです。Yahoo! のエンジニアリング・オペレーションズのシニア・バイス・プレジデントであるローリー・マン(Laurie Mann)は、次のように述べています。「Yahoo!は電力消費量を減らすための工夫やテクノロジーを信頼しています。我々の多くのデータセンターは、当社の消費電力量総計の多くを占めており、それらを受動的に減らすため"Green Energy"を活用しています。我々は当社の資源を最大限に活用する方法を模索し続けています。それゆえにYahoo!は、iDataPlexに移行することで、データセンターの高集積化と消費電力の劇的な効率化を実現できるという、IBMの提案を高く評価したのです。」
- テキサス工科大学は、ロースクールおよび大学院を併設し、2万8200名の学生を擁する研究大学です。テキサス工科大学のCIOであるサム・セグラン(Sam Segran)氏は、次のように述べています。「iDataPlexを基盤とするインターネット・スタイルのコンピューティング・モデルは、テキサス工科大学のハイ・パフォーマンス・コンピューティング・センターにとって非常に魅力的です。なぜならWeb 2.0企業と同様、本学は増え続けるハイ・パフォーマンス・コンピューティングへの要望をサポートするために急速なスケールアップを必要としているからです。iDataPlexによってテキサス工科大学は、研究者たちのニーズに対応しつつ、より効率的な運用ができるようになります。」
「クラウド」におけるiDataPlex
IBMの「Blue Cloud」の取り組みの一環として、iDataPlexは企業のワークロード需要の変化に迅速に対応できるようになり、より効率的な電力使用に加え、電力をはじめとする資源利用の改善を図ることができます。
iDataPlexは、エンタープライズ・クラウド・コンピューティングと、Web 2.0アプリケーションのために作られたクラウドの両方に対して、理想的な基盤を提供します。
仮想空間を運営する企業であるForterra Systems社をはじめとする新興企業は、米国カリフォルニア州サンノゼにあるIBMハイ・パフォーマンス・オンデマンド・ソリューションズ(HiPODS)研究所のiDataPlex上で稼働しているIBMのクラウド・センターを使って、自社のアプリケーションをテストしています。
Forterra社のCEOであるデイブ・ロルストン(Dave Rolston)氏は、次のように述べています。「他の多くの新興企業同様、テクノロジーはまさに当社の中核ビジネスであり、Forterraのアプリケーションおよびビジネス・モデルの成功は、当社のテクノロジー・インフラにかかっています。iDataPlexは、我々のお客様に高い報酬を迅速に支払うための仕組みを実現することができる、消費電力と冷却効率の両方の問題を解決できるプラットフォーム上でオンライン双方向仮想空間『OLIVE』を稼働させることができるという、我々が待ち望んでいた柔軟性を提供してくれます。」
また、IBMはアイルランドのダブリンにあるIBMクラウド・コンピューティング・センターや、米国サンノゼにあるIBMアルマデン研究所など、各地のIBMクラウド・コンピューティング・センターでiDataPlexを使用することを計画しています。
iDataPlexは次のような、IBMのWeb 2.0向けデータセンター市場への、IBMの製品・サービスにおける最新のポートフォリオになります。
- IBMのクラウドに関する研究や協業のための取り組みである「Blue Cloud」では、産業界や政府機関に加え、大学やハイ・パフォーマンス・コンピューティングの研究機関などと、実証実験やソリューションの開発を行っています。
- IBMは、買収したXIV社のストレージ・テクノロジーにより、Web 2.0アプリケーション、デジタル・アーカイブ、デジタル・メディアといったストレージの新たなビジネス機会への対応を目指しています。XIV NEXTRAアーキテクチャーは、急成長中の環境で容易にアセット管理を実行できると同時に、効率的な電力消費も実現するため、iDataPlexとの連携に最適です。
- IBMのリース・ビジネスを担当する部門であるIBMグローバル・ファイナンシングは、 Web2.0企業が新たにiDataPlexを導入するための包括的なソリューションを提供します。IBMグローバル・ファイナンシングは、お客様の既存の設備の撤去や安全な廃棄処分に加え、新たな設備投資に対して魅力的かつ競争力のあるリース料率を提供します。これらのオファリングについての詳細は、下記URLをご覧ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/23936.wss (US) - IBMはデータセンター・デザインのサービスを提供します。IBMはさまざまなデータセンターをデザインするための事前テストで得たシステムの熱のイメージや分析を活用します。たとえば、IBMは温度分析のための5つの異なる「グリーン・コンフィグレーション」をテストならびに作成し、iDataPlexをデータセンターに導入したお客様の電力消費の効率化を実現します。
テクノロジー・パートナーのエコシステム
IBM BladeCenter®と連携するサードパーティのテクノロジーが織りなすエコシステムを促進する戦略と同様に、IBMはAvocent(NASDAQ:AVCT)、Blade
Network Technology、Cisco、DevonIT、Force 10 Networks、Intel®(NASDAQ:INTC)、QLogic(NASDAQ:QLGC)、SMCをはじめとするベンダーと協力して、iDataPlexを軸とした製品のエコシステムを推進します。例えば、Blade
Network Technologiesは、同社の新製品RackSwitch G8000イーサネット・スイッチ(コスト最適化と効率的な冷却を実現)を、特にiDataPlex向けに構築しました。
Intelの高集積コンピューティング担当ゼネラル・マネージャー、ジェイソン・ワックスマン(Jason Waxman)氏は、次のように述べています。「Webが現在のような形態から未来形へと推移していく中で、Web
2.0企業はコンピューティングの需要を全く新しいレベルへと引き上げてきています。だからこそIntelは、iDataPlexプロジェクトに最初の段階から参加することに、積極的な姿勢で臨んできたのです。IBMはIntelと協力することで、iDataPlexの設計に今までとは徹底的に異なるアプローチを取り、このユニークな市場のニーズに対応しました。iDataPlexは、Web
2.0企業に効率的で高集積なテクノロジーを提供するための、非常に大きな一歩なのです。」
これに加えて、iDataPlexは、オープンソースのスケールアウト型クラスター・マネジメント・ソリューションであるxCatのサポートに加え、IBMのディストリビューション・パートナーであるNovell(NASDAQ:NOVL)とRed
Hat(NYSE:RHT)のLinuxオペレーティング・システムをサポートします。iDataPlexは、多くのWeb 2.0環境で利用されているオペレーティング・システムであるLinuxのみならず、重要なビジネス・ワークロード向けのLinuxをも包含する、IBMの最新のオファリングとなります。またこれは、お客様の電力消費に対する懸念に対応しており、IBMの"Big
Green Linux"に対する取り組みのゴールにもなるものです。
iDataPlexは、ソーシャル・ネットワーク、ユニファイド・メッセージング、情報統合におけるIBMのソフトウェアの取り組みを必然的に補完するもので、Web
2.0企業が業界標準に準拠したオープンかつセキュアなソリューションをお客様に提供できるようにします。またIBMは、最新のWeb 2.0テクノロジーの自社への導入を進めており、IBM自身の企業生産性、コラボレーション、イノベーションを向上させるとともに、全世界で具体的なビジネス成果を上げています。
提供開始時期について
iDataPlexは、2008年6月にまず米国とカナダで出荷が開始され、2008年末までには全世界での出荷を開始する予定です。iDataPlexは、受注生産によるソリューションです。構成および価格の詳細は、IBM営業担当員にお問い合わせください。
当報道資料は2008年4月23日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/23991.wss (US)
また、「IBM iDataPlex」の日本における提供開始日等については、詳細が決まり次第お知らせいたします。
注)
*1:Gary Shanshoian、Michele Blazek、Phil Naughton、Robert S. Seese、Evan Mills、William
Tschudi共著「High-Tech Means High-Efficiency: The Business Case for Energy
Management in High-Tech Industries」より。
*2:IBM Rear Door Heat ExchangerとIntelの最新クアッドコアXeon®プロセッサーを活用することで5倍の集積度を実現することで、iDataPlexは従来の1Uサーバーよりもおよそ40%の消費電力を削減しています。
*3:WinterGreen Reserch「Web 2.0 Servers Market Shares and Forecasts(2008年4月)」より。
<関連サイト>
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